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妹を聖女にしてくれないこの国に嫌気がさしたので、別の国に行きます。~結界を解除しますけど、仕返しの一環なので!~  作者: きゃらめるりんぐ☆
1章 聖女の意味を知らない国王についていく気はありませんわ!
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違和感あるけど王はいつも通り《オマスペルマス王side》

 元聖女のアンジュが「魔物が侵入してくる」などとほざいてから、一日が経った。

だが魔物など攻めてこないじゃないか!

そうか、聖女という地位が好きで、嘘を吐いてでも聖女になりたかったのか。

極悪人中の極悪人だな。

よほど何もしたくないのか?

ただ膝をつくだけの仕事だからか。

くっそ、だいぶ国の予算を聖女に使ってしまった。

「国の予算を無駄遣いした」という罪で指名手配でもするか。

宰相にそう伝え……。

「陛下っ‼」

宰相に指名手配を頼もうと立とうとしたら、礼儀など気にしない様子で玉座の間の扉が開いた。

なんだ。騒々しい。

礼儀というものを知らないのか。

「貴様。礼儀を知らないのか」

「そうではございません! 緊急事態なのです‼」

「次は解任だからな」

「っ!」

騒々しい宰相はいらないからな。それによってイライラするのは嫌だ。

緊急事態などより、わしの機嫌が重要なのだ。

「緊急事態とはなんだ。言ってみろ」

「はっ! 100匹ほどの魔物の軍勢が城下町に攻め入ろうとしています!」

魔物……?

魔物とはなんだったかのう。

今まで攻めてこなかったから、忘れてしまったな。

「その程度なら、何もしなくていいだろう。騎士団を出すまでも無い。城下町の民の魔法で撃退できるであろう」

宰相の顔がみるみる青くなった。

「陛下! 忘れたのですか! 魔物に浄化魔法以外は効きません! 城下町の民で浄化魔法を使える人は限られています‼」

はて、そうだったか。

「それと魔物はこの国を乗っ取るために、王を喰うと喋っていました!」

そういえば、魔物は人を喰べるのだった。

だがわしを喰おうとするからなんだ。

そのときは逃げればいいだろう。

民が死んでも、民はそのうち集まるだろう。

「騎士団の出動命令を出した方が……」

宰相の一言に、わしは怒りで満ちた。

「貴様ぁっ! 宰相の分際で王に命令をするのかぁあぁぁぁ‼」

「い、いえ‼ 今のは陛下にアドバイスを……」

「もう、貴様の顔など見たくないわぁっ!!!! 貴様は宰相を解任の上、侯爵という爵位剥奪だ‼」

「……はい」

元宰相は、がっくりと項垂れてこの部屋を後にした。

 魔物を倒すのは……そうだな……。

罪人どもにするか。剣でも持たせて。

それなら死者を気にしなくていい。

罪人など拷問で死ぬ以外の運命は無いから、国ために死ねるとなったら大喜びだろう。

あくまで強制だが。

魔物程度で気高き騎士団を出動させるわけにはいかない。

「おい、その辺にいるやつ! 指名手配の準備をしろ‼」

そう叫ぶと、扉の奥からバタバタと音が聞こえた。

すぐに準備にかかるとは、さっきの宰相より有能だな。

 しかし、妙だな。

これまで魔物がいなかったというのに。

まあいい。

アンジュが捕まったら魔物の前に出して食い止めるか。

どんなに無残な姿になろうと。

きっと所詮聖女になったのは不正を働いたからであろう。

一人で倒せる実力は無い。

集中して喰っている間に攻撃すれば倒せるだろう。

 アンジュがいないから、今回は死刑囚にその役を任せるか。

「おい、その辺の残りの奴! 死刑囚を城の門にくくり付けろ‼ それと罪人に剣を持たせて城の門の上に待機させろ‼ この作戦も伝えるのだ‼」

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