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門番ガールと読心ボーイ  作者: 甘印
9/10

第8話 歴史書

「君をここに連れ出した理由についてだ…。これに関しては少し納得の行かない部分もあるかもしれないが、どうにも関係ないように思えないことなんだ。信じて欲しい」

「どんなものなんでしょうか……」

「これを見てほしい」


そう言って聞いてた話とは違ってやけに落ち着いているネーズは、一冊の古びた本を見せてきた。

ネーズが1枚1枚ページをめくる。そこに描かれていたのは、古典的な絵。人のような絵や、家のような絵、それから武器のような絵も見える。そんななか、最後から2ページ目に、明らかに異質な絵が見えた。


「これはな、家の先祖代々から伝わる古い歴史書なんだ」

「これが歴史書ですか…?」

「気になった部分もあっただろう。この歴史書は少し変わってるんだ。もちろんかなり昔の出来事が絵として描かれている部分もある。だがな…どのページからか、どうやら未来を予知しているようなんだ…」

「未来予知ですか…!?」

「ああ、そうだ。絵としては伝わりにくいような絵だが、よく見ると全て"これから起きること"が描かれていた…。それに気づいた俺のじいさんも相当驚いたらしい」

「それも…何かの魔力の力なんでしょうか?」

「それは違うな。魔力に唯一出来ないのは、未来に直接干渉する事だ。世界のコピーを作るくらい心配な未来があるなら、未来に干渉して芽を摘んでしまえばいい。それを神は出来なかったんだよ」

「じゃあ…これは…」

「だから不思議なんだ。どういう理屈かも説明できない。ただひとつ分かっていることは、ここに描かれているものは全て本当に起きるということだ。それは君もきっと、もう信じてくれただろう?」

「………はい……」


俺はその絵を見てすぐに信じた。信じるしか無かった。最後から2ページ目、そこに描かれていたのは…。明らかに俺が住んでいた日本…そして、自動車事故に遭う人の姿…パイプラインの出入口らしき物…。これは完全に、俺のつい昨日の出来事のようにしか見えなかった。


「そして極めつけはこれだった。次のページを見てほしい」

「……これは…」

「前のページで事故にあっている人物が、次のページでは果敢に戦っているんだ」


描いてあったのは、両手を敵にかざし戦う俺と思しき人の姿だった。


「そしてここでページは終わる。もしかしたら世界が狂ってしまうのかもしれない…そんなふうに見えた。前のページの風景を見て、すぐにどこの風景なのかわかった。壊れそうなパイプラインを不安視した俺達は、イロハの能力で君の世界を何度か視察していたから。そして…」

「ある日視察の途中、俺がその絵のように事故を起こし、タイミングよくパイプラインが壊れ、次のページで敵と戦っていたのは俺なのかと…」

「そうだ…。さらにナマタマゴの攻撃を防げたということは魔力が使えたんだ。魔力が宿ってもセンスがある人にしか使えない。運命としか思えないんだ…。もちろん納得の行かない理由なのはわかる。それに命もかかるかもしれないんだ。無理にとは言わない、難しければ自分の世界へ帰ってくれ」

「………俺は…もう逃げないって決めたんです。ここに来る前俺は…根拠はなくても、なぜだか魔力を使ってみて、"本当ないけないことなんじゃないか"と思いました。色々な話を聞いて、"このままじゃだめだ"と思いました。そう自分で思ったからには……全てを解決するまで、帰る気はありません」


キッパリ言った。昨日まで告白する勇気すらろくになかった俺が、昨日今日会ったばかりの人達の、命にかかわる願いを聞いた。それも、本心で。そんな自分が信じられなかった。でもだからか…俺はこの世界との、運命を感じずにはいられなかった。

どこかで全てを説明しきらないと話が進められないと思った結果、この謎の会話ラッシュ回になってしまいました。つまり文才も構成力もないのです。

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