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門番ガールと読心ボーイ  作者: 甘印
7/10

第6話 いざ、敵陣潜入

志起修也が異世界で目覚める少し前…。


「おばえにしか、ズズッ、できだい、ズズッ。危険なぬぃんむだだ、ズズッ、でひともお願ひひたい、ズズッ」

「…もちろんですネーズさん。"このようなお仕事"が私にできる精一杯ですから、選んでいただいて嬉しいですよ」

「本当におばえは、ズズッ、謙虚でいいやふだが、ズズッ、今回はひとでぃで挑ぶことになどぅど、ズズッ」

コンコン「失礼しますネーズ様!」

「おるぁぁぁぁ!!!!いばおではシロハとはだしでんだぁぁぁぁぁあぶでいぼんべぇぇぇ!!」


ゴロゴロゴロゴロっっっっ!!


「うわ〜!!ネーズさんの雷が落ちた!逃げろお前ら〜!!」

「ネーズさん、そんなに怒らないであげてください!それより、今日も鼻炎酷そうですね。薬持ってきました、後で使ってくださいね」

「おばえはやはり気が利くだ、ズズッ」

「いえ。それではそろそろ行って参ります」

「わがった、気をとぅけてこい、ズズッ」

「はい」


<><><><><><><><><><>


-30分後、ソウル城城下町前


もう日は落ちたというのに、この城下町の賑わいは静まらない。一方賑わう町の入口近くに、何やらコソコソと馬車を止める男が1人。


「着いたぞ、シロハ。連れてこれるのはここまでじ」

「ありがとうラクマさん。でも私はもう"ナマタマゴ隊長"ですよ」

「ああ、そうじったな。くれぐれも気をつけるんじよ」

「わかりました、気をつけますね」


反乱軍シロハ扮するナマタマゴは、1人堂々とした態度でナマモノ軍本部へと歩みを進めた。その姿、だけでなく声までもが、ナマタマゴ瓜二つだった。


「ナマタマゴ隊長!お勤めご苦労さまです!」

「あ、ああ、あ、、ありがとう」


周りが全員"敵"だと考えるとゾッとするような任務に、彼女…いや彼は、全く動じることなく臨んだ。


-そして、本部入口…


「お疲れ様ですナマタマゴ様。身分証の提示を」

「こ、これだ」


シロハがプルプル腕を震わせながら提示した身分証。

"ナマタマゴ 所属:ナマモノ軍 役職:ナマモノ軍中将、ナマモノ第三視察隊隊長 ここに、上記の者がソウル王国役人であることを証明する"

そして最後に"シング"と幼稚園児が書いたようなサインがされていた。かろうじて読めた。


「どうぞ、おかえりなさいませ」


それは通るに決まっている。どう見てもナマタマゴの容姿、声をして、さらに本物の身分証を見せたのだから。さらに何事にも動じないその堂々とした姿は、もはや味方さえ本人と勘違いする程だった。


中を歩いていると、たまにすれ違いざまじーーーーーっと見てくる役人さんもいた。しかしそんなこと、このシロハには通じない。チビったりなんかしてない。


-そしてここは、ついに目的のミシサー大将の部屋の前


大将は実質的なナマモノ軍のトップ。その1つ下のくらいであるナマタマゴは、先輩に偵察の報告をしに行く。


「失礼します、ミシサー大将」

「入れ」


扉を開けて部屋に入ると、そこには圧倒的なオーラを放つ大男の姿があった。


「偵察の結果を話してくれ」

「はい。偵察したパイプラインですが、私の見たところ破損は見られましたが、まだ取り急ぐ段階ではないと判断しました」

「そうか、わかった。それじゃあ終わりだ、出ていっていいぞ」

「もうよろしいのですか」

「結果が聞ければそれでいい」

「わかりました。それでは、失礼致します」

「ああ、ちょっと待て」

「は、はひ!!」


完全に緊張を解いていたので、とんでもない返事をしてしまった。


「…土産だ、持っていけ」

「は、ありがとうございます。それでは失礼します」


さっさとずらかった。多少怪しくてもまさか偽物だとは思わないだろうから、なんとかなるはずではあるからとっととずらかった。土産といってものすごく美味しそうなお刺身を貰ったけど、一応敵から貰ったものなのでこれは棄てておくことにした。


()()()()()順調だった…。


シロハは帰り道、本部に戻ってきたナマタマゴがまた外に出るのを怪しまれないよう、人目につかない路地裏を通った。


「はやふ…モグモグ…帰らなふぁ…モグモグ」

「これはこれはナマタマゴ隊長。お帰りになったとお聞きしましたが、こんな所で何を?」

「ぶはっ!!ゴクッ…誰!?……だ!お前たち!」

「…私、ジュピターの構成員ですが、こんな所でお会い出来るとは思わなかったもので」


急に現れた男は不敵な笑みを浮かべた。


「ジュピター…?よく分からないけど…分からないが、私は今急いでいる。そこをどきなさい」

「おっとお待ちを。ジュピター……世間には公表していない、上層部の役人しかその存在を知らない裏組織…。それを存じ上げないと。軍の者であれば将官クラスであれば知っているはずですが…それではあなたは、ナマタマゴ隊長を装った、どこのどいつでありますか?」

「知ってたくせに…」


気づくと周りを黒ずくめの男たちに取り囲まれていた。全てを悟ったシロハは、擬態を解いて戦闘態勢に入った。


そして、反乱軍本拠地では…。


「へっ……へっ……………へぇぇぇぇっきし!!!!!」


ゴロゴロゴロゴロ


「うわ〜!!ネーズ様のくしゃみだ、みんな逃げろー!!」

「………嫌だよがんが…すどぅな…ズズッ」


ソウル城下町のある路地裏で密かに行われた戦い。

その結果は……。ここで血を流し倒れる女性の姿を見れば、一目瞭然だ…。




〜新登場人物〜

・シロハ…反乱軍、つまりMSU軍のメンバー。姿、声までを完璧に再現出来る擬態能力を使い、敵陣に潜入するが…


・ラクマ…同じくMSU軍のメンバー。シロハをソウル城下町まで馬車で連れていった。語尾はなぜか「じ」。「じゃ」じゃない、なんでだ


・ネーズ…MSU軍のリーダー。これは厳格というのか?いつもイライラしている。果たして酷い鼻炎と関係があるのか


・ミシサー…ナマモノ軍大将。どうやらお刺身が大好きなよう


前回との文字数の差が酷い

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