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門番ガールと読心ボーイ  作者: 甘印
2/10

第1話 エラーとエラー

前もダメだった。この前も、その前も、ずっとズルズル引きずって早2年。今日こそは…今日こそは告る!今日こそは告りたいのに………


何だこの土砂降りの雨!!

そして何でこんな日に限って俺はコンタクトを忘れてきた!?


最悪だよほんとに。帰り誘ってそれとな〜くそれっぽい雰囲気にして一気に責める予定だったのに!こんなんじゃ会話すらままならねぇっつうの!


「修也君?どうしたの?」

「はっ!!美緒…!なんでもないなんでもないなんでもないなんでもない!それより今日も…一緒に…帰らない?」

「ふふ、いいよ!」


とりあえず動揺を隠して自然な空気で流れるように、一緒に帰る約束はできた。できたぞ。


「雨、すごいね…」

「そ、そうだね…」

「……あれ、傘がない?間違えて持って帰られちゃったかな?」

「そそそそそうだねきっとそうだ!濡れちゃいけない傘貸すよ!!!!!」

「そんな!修也君が濡れちゃうよ!」

「お、俺は平気だよ!水属性だから、濡れても平気!」

「そう…?じゃあ……」


来た〜〜!!なんという効力!!傘隠しといてよかったーこれで念願の相合傘が…!!

…って、えー!!自分だけ傘もってっちゃうんかい!


「ありがとね♡」

「おう俺は水属性だからな!」


<><><><><><><><><><>


一方こちら、不思議な格好をした少女と、頭が緑でアフロな筋肉ムキムキの男の2人。


「ロッコリー、こっちこっち!」

「分かってるっコリーよ!急かすなっコリー!」

「ここ…ここにあるパイプラインが壊れそうなのよ。もし壊れちゃったら向こうの世界に国軍がなだれ込む…」

「この"扉"を"開閉"できるお前にしか頼れないっコリー。どうする?パイプラインが壊れるのを阻止しに行くっコリーか?」

「それはもう…不可能に等しいわ。向こうで続いてる紛争が止まらない。破壊されるのも時間の問題よ」

「…ここを全力で守り抜くしかないっコリーね」

「そうね…」


<><><><><><><><><><>


帰り道、大通りの歩道。


「……あのさ、美緒…」

「なに?」

「その…す、す、…」

「す?」

「す、寿司のネタ何が好き!?俺はやっぱり王道マグロだけどでもホタテも美味しいよねでもたまごも好きかな最近は肉の寿司も好きでさ昔は魚介類以外は認めてなかってんだけど…

「その話、もう724回目だよ?」

「え、あ、そうだっけ…?」

「聞き間違えたかな。それで、"何が好き"って?」

「ぐはっ!」


いかんいかん!これじゃあいつも通りだ!こんなのをいつまでもずるずると引きずってちゃダメだ…!今日決めるんだ!よし、信号待ち。今が…今がチャンス!!幸い…幸いなのか不幸なのかわからないけど、今俺は目が悪いんだ…。きっと何があっても俺平気だ!!()

今行くんだ!


「…その…」


裸眼視力0.1の俺がうっすら見えたのは、笑顔で俺の返答を待つ美緒の姿と、その後ろからタイヤをスリップさせて突っ込んでくる車の姿だった。


「危ないっ!!!!」


脳で考える前に体が勝手に動いていた。火事場の馬鹿力ってやつか…身体が妙に軽くて、妙に冷静で、全てがスローモーションに見えて…それから……


ガシャン!!


街中にパトカーと救急車のサイレンが響き渡る。人が集まり、その中心には半分がぺしゃんこになった車、泣き崩れる女子高生、血を流し倒れる男子高生の姿。そしてそのどさくさに紛れて誰も気づかなかったが、どうなっているのか空間にひびが入り、そこから不思議な格好をした2人の人間が突如として現れた。


「嘘でしょ…遂に…」

「まずいことになったっコリーね」

〜初登場人物〜

志起 修也

この物語の主人公、高校3年生。ある事故をきっかけに異世界をも股に掛ける大きな出来事に巻き込まれていく。


美緒

修也と両思い。向こうは美緒の気持ちに気づいていないが、美緒は気づいている様子。


ロッコリー

修也が起こした事故の影響か、突然異世界からこちらの世界へと現れる。詳細は今後明らかに…。


???

ロッコリーと共にこちらの世界に現れた謎の少女。重要な役割を担います。

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