プロローグ
夜空を見上げると、星がきらめいているだろう。これはまだ、その星たちがまだこの世に存在しなかった、大昔の話…。
その時、そこには"無"だけが広がっていた。時間も空間も存在しない"無"。
そこに突然、"力"が生まれた。1つの何かが拡散するのにはそこまで時間を必要としないが、0から1には想像を絶する"力"が必要。それだけの"力"が生まれたのだ。
力は1つ生まれると、稲妻のごとく一瞬にして拡散した。力はただ拡散するだけではなく、世界…つまり時間と空間を創造することで消費された。
力の拡散の中心には、その力をあらゆる形で消費、生成を繰り返すことで、まるで意志を持ったような力の塊……神が生まれた。
神はただ、世界を作り上げた。なんの意味があるわけでもなく、その有り余る力をただ消費するため。
神はその世界には、いずれ自分もが想像しない何かのエラーが起きてしまうのではないかと危惧した。そこで、世界にいくつもの"コピー"をとることにした。それぞれの世界に行き渡れるように、普段は出入り口を固く閉ざした"パイプライン"を生成した。しかしこのパイプラインが、後に起こるエラーを激化させてしまう原因になることを、神はまだ知らない。
そして、138億年もの時が流れた。神はずっと世界の複製、拡大を続けていた。しかしここで遂に、神の予感は的中する…。
とある世界線に、べリタスという男がいた。べリタスは長年この世界の成り立ちについて研究を重ね、遂にある力によって生成されたということを暴いた。
彼はその力を"魔力"と名付けた。どうやったかは知らないが、彼は時空間から魔力を引きだす術を持っていた。この力で世界を掌握しようとしたべリタスは、その術を使い、世界の1/3と引き換えに、それだけの莫大な魔力を手に入れたのだ。こうしてエラーは起きたのだ。
それに勘づいた神は、べリタスを処刑し、その世界線の時空の拡大を止め、魔力を有限にすることで事を収めようとした。しかし、既に世界中に拡散したあらゆるタイプの魔力は多くの人体に入り込み、人類は様々な特殊な能力を得た。この能力によって、この世界は支配されてしまったのだ。
一方、この世界線とは全く別の歩み方で発展を遂げた世界が1つあった。その世界でもまた、人類が覇権を握った。
この世界線では、魔力ではなくて、魔力によって生み出された時空間を、目には見えないほどの細部まで観察することで発展を遂げた。すなわち、"科学"。
そしてこの世界線の人類もまた、愚かだった。私欲の為に戦いを繰り返し、世界そのものに傷を負わせてきた。そう、この世界もまた"エラー"が起きてしまったのだった。
この世界はもう、いつ世界が破損してもおかしくないほどの傷を負っていた。…そう、"自動車事故一件"でとどめが刺されてしまうほどに。
そして神は気付いた。エラーが起きる世界には共通点があることに。
それは、"人類"が覇権を握ること。"理性"というものが、過剰に働いてしまっていること。
神は遂に、自らが創り出した人類に直接制裁を加えるという最終手段についても考え出し始めたのだった。
そんなある"西暦2020年"の物語。
堅苦しい話は今回で終わりです!耐えてくださりありがとうございます