突然
初投稿です。
気がついたら僕は見覚えの無い場所で横たわっていた。
何処だ?ここ?
辺りは薄暗くよく分からないが、室内である事がわかる。
僕は身体を起こし、身体に異常が無いかを確かめていく。
手足は、よし、動く。服も‥‥良かった。ちゃんと着ている見慣れたスーツだ。就職の時に買い換えたメガネも壊れた様子もない。
「あー、あ〜〜」
声も出る。勿論響いた僕の声も聴こえる。
怪我も無いし、調子が悪い事も無い。強いて言うなら寝ていた床が石造りだった為か背中が痛い。
首を回して辺りを見渡す。やはり見覚えは無いが、小さな部屋である事が分かった。
うわ、殺風景だなー
部屋は床同様石造りであり、灯りは壁に着いた蝋燭のみで、他には何も見当たらない。
ある物と言えば何処に繋がっているか分からない扉だけである。
何か手掛かりはないか?
僕は寝起きで回りの悪い頭を回し記憶を掘り起こす。
取り敢えずココは何処だ?
分からない。
そもそも僕の名前は?
戸塚 蓮司 トツカ レンジ
良かった。覚えてる。
他に覚えてる事は‥‥
年齢は20歳
高校を卒業して大学へ行かず運良く第一志望の会社に就職。現在会社員。
趣味は特に無いが暇な時間はスマホやテレビで時間を潰している。そんな平々凡々とした生活を送っていた。
そして今日(?)は確か、いつも通り会社が終わって、いつもの電車に乗った。その後は、、、そうそう!確か昨日は遅くまで飲んでいたんだ。
20歳になったからお酒が楽しくて、定時に上がった日は良く飲みに行くんだよね。
っと、今はそんな事より記憶を掘り起こさなきゃ。
えっと、それで昨日はあまり寝て無くて、なんとか仕事は乗り換えたけど、帰りの電車に乗ったらウトウトしてきて、どんどん意識が遠くなっていって‥‥
‥‥その後から覚えてない。
んー、手足は縛って無いし、監視と人もかもいないから拉致とか誘拐では無さそうだけど、、不安だな‥‥
そもそも僕はどれくらい眠っていたかも分からない。1日、2日?いや、もしかすると一週間?
そんな事を考えると不安は僕の中でどんどん大きく膨らんでいく。
もう少し気持ちを落ち着かせたいけど、いつもでもいる訳にもいかないし‥‥
僕は不安ながらも腰を上げ、お尻の砂利を払う。
さて、出発しますか!