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17.新装備と荒野のお話

 さてさて、イベントまで今日を入れて後4日、本日も頑張っていきましょう、ということでログインです。今日はドラコさんの新装備ができ上がってくるはずなので結構楽しみです。


 早速ドラコさんに連絡……と思っていたら、向こうから先に連絡が来ちゃった。相も変わらずレンタル工房にいるということなので、早速取りに向かっちゃいましょう。




「ふわぁ……。何これ、すごい!柔らかい!」

「きゅっぴ!」

「うむ、どうやら気に入ってもらえたようだな」


 レンタル工房でドラコさんを発見して、出来上がった装備品の試着中。ちなみに出来上がった熊素材の装備はこちらです。



------

雪毛のハーフコート(上)

VIT+3 AGI+1 耐久:A 品質:A

―ホワイトベアの毛皮で作られたフード付のハーフコート。

もこもこふわふわの毛並を持ち、冬場にはもってこいの一品。


  品質がよく性能がよい。

  製造者:ドラコ

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------

雪毛の腰巻(下)

VIT+2 AGI+3 耐久:A 品質:A

―ホワイトベアの毛皮で作られた腰巻。

ベルト部分にアッシュベアの毛皮が利用されている。

もこもこふわふわの毛並を持ち、冬場にはもってこいの一品。


  品質がよく性能がよい。

  製造者:ドラコ

------


 こんな感じの装備品です。(上)(下)ってなってるんだけど、2つ合わせて1つの装備品扱いだそうです。分類は外套(?)って感じらしい。それから、いつまでも初心者の見た目じゃあれだろうってことで、シャツと膝丈のパンツもいただいちゃいました。そっちは普通のその辺の服屋とかでも買えそうな感じだったので、完全におまけみたいで、補正もなしという物だったり。


 ちなみにこの雪毛のセット――多分あってるよね?――なんだけども、ハーフコートほうは、フード部分にお耳が付いて結構チャーミング? でも残念だけど、フードは被ることはほぼなさそうな気がするんだよね……。ショコラが頭にへばりついたりしてるし、そのうちフードもちょうどいいお昼寝ポイントになりそうな気がする……。

 腰巻のほうは、ベルト部分が完全に熊の手です。ショールの時みたいに、熊さんがギュッとしてる感じになってたり。


 お次はショコラの装備品です。


------

大楓の小杖

INT+4 耐久:A 品質:A

―大楓の小枝から作られた小型従魔用の杖。

枝の先の葉っぱがポイント。

  品質がよく性能がよい。

  製造者:ドラコ

------


------

雪毛のミニマント

VIT+3 AGI+1 耐久:A 品質:A

―ホワイトベアの毛皮で作られた従魔用のミニマント。

  品質がよく性能がよい。

  製造者:ドラコ

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------

ミニベレー帽

VIT+2 耐久:A 品質:A

―ホワイトベアの毛皮利用した従魔用のミニベレー帽。

  品質がよく性能がよい。

  製造者:ドラコ

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 しっかりとショコラ用にカスタマイズもされてて、ミニマントは丁度尻尾の位置にスリットが、ミニベレー帽のほうは耳が出るようになってました。ショコラもかなり気に入ったみたいで、んばっ!って飛び上がったり、びしっとポーズを取ったり、杖をふりふりしながら偉い魔法使いっぽいフリをしてみたり。


「ありがとう、ドラコさん。とっても気にいりました。ところで、白熊さんの素材を使っちゃってよかったの?最初の予定だと灰熊さんで作るって話だったと思うんだけど」

「うむ、気に入ってもらえて何よりだ。ホワイトベアの素材だが、毛皮は2つある上、一番活躍していたのはユキだからな。それならわざわざランクの低い素材で作るのは勿体なくてな。他の二人もユキならば納得するだろうよ」

「それなら、ありがたくもらっちゃいます」

「きゅぴぴー」


 装備品を受け取って、ドラコさんのところをお暇しました。例によってやっぱり今回も代金不要なのと、今回全員分作った時に素材のあまりが出たら、そっちは清算しとくので後でまた連絡するとのことでした。本当頭が上がらなくなりそうだよ。


 はてさて、新しい装備品に変わったので早速試しに!……といいたいところだけど、どうせなら武器のほうのメンテナンスも済ませてからのほうがいいのかな。結構大物と戦ったから念のため。


 というわけでやってきました再びのレンタル工房です。ユリさんに連絡したところ、ちょっと見てくれるという話になったので、中央広場から再度レンタル工房にリターンです。もっと早く気付けばよかったよ……。


 入口のところで待っててくれたユリさんに装備品を渡して待つこと5分。ものすごくあっさりと終わったみたい。


「お待たせ、ユキちゃん。装備のほうはこれで大丈夫なはずよ。流石に相手したのが強かったから結構消耗してたみたいね」

「やっぱり……。ありがとう、ユリさん。ところで、この辺りで武器とかの素材になりそうなものってどこで手に入るの?」


 ユリさんに装備を渡した後に考えてたんだけど、どうせなら今後のために素材探しに行ってみようかなって。もらいものの剣と盾だけど、今後を考えるとそういうのも知っておくと有効そうだもん。


「それなら、西門の街道を行った先の先あたりが一番近いかしら。荒野を抜けた先に洞窟とかがあったはずよ」

「ありがとう。ちょっと行ってみるね」


 というわけで、次の目的地は西門の先で決まりかな。ついでにユリさんから、鉱石とか多めににとってきてって言われたので、気合を入れて頑張ってきましょう。



○●○●○



 ユリさんの情報を元にいざ、西門へ!……っていう前に、遠出になりそうなので、果物を買いに食材屋さんへ。


「――ねぇ」

「ん~、ルモレの実は買うとして、ショコラ。何か他に欲しい果物ある?」

「きゅぴ?きゅぷむぅ~……」


 たまには他のもっていうことで聞いてみたんだけど、物凄く悩んでます。最終的にしぼれたのが、クプレとレジオン、それからパスックという3種類の果物。前から順に、見た目がピンク色のリンゴ、真っ赤なミカン、それから青と白の縞々模様のスイカです。どれも多分ってつくんだけどね……。

 ショコラがそれ以上絞り切れないみたいなので、どうせならっていうことで3種類とも店員さんにお願いしちゃいました。単価は、クプレが200、レジオンが150、パスックが400でした。パスック1個でルモレの実が4つ食べられるから、結構高級品なのかな?ちなみに全て10個ずつ、ルモレの実だけは30個ほど購入です。これはまだ結構在庫があるから大丈夫のはず。


「きみ――」

「いつもありがとう。またよろしくね」

「こちらこそ、毎回美味しい果物ありがとうございます」

「きゅぴっぴ!」


 結構大量に買うので、食材屋の店員のNPCさんにも覚えられちゃって、結構世間話とかで話し込んだりもするようになったんだけど、NPCとは思えないAIに結構驚いたり。今日はこんな果物がいいよ~とか、ショコラ抱っこさせて~とか。とっても気さくないいお姉さんです。


 さてさて、買い物も終わったので改めて西門かな。そしてひとつ気付いたことがあるんだけども、お財布がちょっと悲しい感じになってたよ……。毎日果物たくさん買ってたのが原因な気がするけど、ショコラももふもふさんたちも喜んでるみたいだし、もっと稼がなくちゃ!


「きゅぴぴ!きゅっぴ!」

「うん?どうしたの、ショコラ」


 西門に向けて歩き出そうとしたら、ショコラにおでこをぺしぺしされちゃった……。それから後ろのほうを杖で指してるんだけど、何か忘れ物でもあったっけ。


「あれ?ショコラ、誰もいないよ?」

「きゅむぴ?」


 振り向いてみたんだけど誰もいなくて、二人して暫くきょろきょろ。……うん、何にもいないみたい。ショコラも首を捻っちゃってる。


「ショコラ、きっと気のせいだよ。改めて西門いこっか」

「きゅっぴぴ!」

「ぐぇ」

「「……・ぐぇ(きゅぴ)?」」

 

 改めて西門に向かおうと一歩踏み出したときに、なんか地面のほうから変な声と足の裏に変な感触が。そろ~っと下を向いてみると……。ありゃ、なんか地面に寝そべってる人がいるんだけど。って、あわわっ、踏んづけちゃってる!


「あの~、踏んづけちゃってごめんなさい。それから、そんなところで寝てると風邪……あれ、ゲームの中なら風邪ってひかないんだっけ?」

「きゅぴ?」


 変なところで寝てると風邪をひくってよくいわれるけども、VRMMOとかのバーチャルな世界だとどうなんでしょう。風邪ひくのかな?気持ちの問題、とかなのかも?


 それからもしもーしと声をかけてゆすってみるけど全く反応がないんだけど。どうしたんでしょう。


「きゅぴ、きゅぴぴ。きゅぴぷきゅぴぴ」

「うん、そうだね。ただの死体みたいだね」


 行き倒れとも仮定してお顔の横にパスックを1個おいてっと。これで一時でも空腹を紛らわせられたらいいな。


「それじゃ、ショコラ。改めて出発しよっか」

「きゅっぴぴー!」



○●○●○



「きゅぷぁ~」


 やってきました件の荒野です。西門を抜けてからてくてくと1時間ぐらいかな?狩場にするとしたら移動分がちょっとネックかも。それから、草原の間はしっかりとした道が通ってたんだけど、だんだん草がまばらになっていって、もうすっかり荒野というあたりになると街道もなくなっちゃった。迷子になるとヤバそうな予感……。

 ショコラのほうは、初めて見る景色にちょっと衝撃を受けてるみたい。元々が森に棲んでたし、他の景色といったら、草原かタートの街だけなので物珍しいみたい。かくいうわたしも見事に荒れ果てた大地にちょっと衝撃を受けてたり。


「ショコラ、とりあえず、初めてのフィールドだからちょっと探索しっよか」

「きゅぴぴ!」


 意気揚々と探索を開始して、早速とばかりに襲撃にあいました。このフィールドはアクティブなのもいるみたいです。


「きゅっぴっぴ!」

「そりゃっ!」


 ショコラの【ウィンドランス】で1匹、それからわたしの両手剣の縦切りで1匹。荒野を歩いていて最初に見つけたモンスター、【ワイルドウルフ】。色が茶色っぽい狼さんです。

 アクティブだったみたいで、3匹同時に襲ってきたんだけども、最初の突撃の時に1匹を斬りあげてショコラの【ウィンドランス】で撃破。2匹目と3匹目の突撃を躱した後に、ショコラに地面に降りてもらって、お互い1匹ずつ相手をしたんだけども、名前が青色だったのでものすごくあっさり終わっちゃったんだよね……。

 ショコラのほうもあっさり倒してました。結構強くなってるのかも。青表示ってことで格下相手だから、どのぐらい変わったのかはちょっとまだわからないけども。


「思ったより強くなかったね、ショコラ。もう少しぶらっとしてから洞窟探してみよっか」

「きゅっぴ!」


 びしっ!とするショコラを定位置の頭の上に乗っけてっと。さて、ぶらり荒野の旅へ。



 と、意気込んでぶらっとしては見たんだけども……。


「う~ん、さくさくでちょっと緊張感がなくなりそうだねぇ」

「きゅぷぅ~」


 出会う敵出会う敵全部名前が青いんだよね……。この荒野フィールドで今のところ出会ったモンスターは3種類。


 基本的に2~3匹ぐらいの群れで現れて、中型犬サイズの狼の【ワイルドウルフ】。これはアクティブなので、見つかると積極的に襲ってきます。群れで連携して攻撃してくるのがポイントかも。

 次にダチョウっぽい見た目なんだけど、頭に扇形のトサカがある大きな鳥さん、【ロックストルティ】。こちらも2~3匹でまとまってるんだけど、ノンアクティブみたいでのんびりしてます。こちらは攻撃すると猛スピードで突っ込んでくるんだけど、ある程度ダメージを与えると逃げちゃうみたい。

 最後に60㎝ぐらいのサソリさん、【スコルッピン】。デフォルメされた感じで丸みを帯びてるので、名前の通りちょっとゆる~い印象が強かったり。ちなみにこちらもノンアクティブで、基本一匹でうろうろしてる。ただ、ちょっとゆる~い感じに反してHPと防御力が高め。その代りに全体的な動作がゆっくりなので、動いてるところはすごい一生懸命感が伝わってきます。


 最初は一通り戦ったりしてみたんだけども、ちょっとかわいそうになってきちゃったんだよね……。それなので、襲ってくる【ワイルドウルフ】だけ討伐する形にして、何か面白いものでもないかなっていうのと、ついでに洞窟もないかなってのんびり探しながら歩き回ってます。


「荒野ってだけあって、荒地ばっかりで何にもないね……」

「きゅぴぃ……。……きゅ?きゅぴっ!きゅぴぴぴ!」

「うん?どうしたの、ショコラ。何かあったの?」


 急に耳と尻尾がピーンとして、慌てだすショコラ。必死な感じで前方を杖で指してます。何か見つけたのか聞こえたりしたのかな?


「とりあえず向こうに行ってみればいいんだね。うん?わかったよ、ちょっと急げばいいんだね」

「きゅぅぴ!」


 はてさて、この先にはいったい何があるんだろ。何かでっかいのでもあるのいいんだけどね。では、ショコラの先導で声のほうへ、レッツゴー!

 

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