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11.従魔の実力のお話

 日付が変わって本日は午前中からログインです。なっちゃんとかは、きっと起きてからずっとやってそうな気がするけどね。というか今日もお休みだからわたしもそうなりそうな予感が……。ほどほどにしなきゃ、だよね。


 昨日はショコラが仲間になったところだったから、今日は何しようかな。

 ……って、ショコラのステータス確認してなかったよ……。とりあえずそれからかも。


「きゅぴっ!」

 

 頭上に移動してたショコラがしゅたって感じで右のお手々で挨拶。多分おかえりって感じみたい。


「ただいま、ショコラ。元気にしてた?」

「きゅぴぃ~」


 うんうん、元気そうで何よりです。さてさて、早速ショコラのステータスを確認しちゃいましょう。


------

ショコラ Lv1

種族:ポテリス

職業: ―

-ステータス-

STR: 1

VIT: 2

INT: 4 [+0, +1]

DEX: 3 [+0, +1]

AGI: 2

-スキル-

【風魔法 Lv1】【器用上昇 Lv1】【知力上昇 Lv1】

------


 なんとびっくり、魔法が使えるみたいです。それとステータス上昇系が2つみたい。ステータスの数値は初期のプレイヤーの平均より少し低いぐらい。

 後、職業欄が今のところ埋まってないみたいだけど、これってモンスターもクラスを得られるってことなのかな?


 さて、ステータスも確認したので次は実践だよね。


 というわけで、早速やってきました。今回は東門のすぐ外の平原です。東西は初心者向けって話だもん、きっとショコラにもちょうどいいと思うんだよね。


 ぽつぽつと黄色い羽毛が動き回ってるけど、それを追いかけてるプレイヤーもそれなりで、初日ほどではないけどそこそこ混んでるかも……。でも、モンスターの取り合いとかになってないみたいだけど、まだまだプレイヤーが倒すほうが早いような印象が。


 う~ん、これなら結局南門のほうでもよかったかな……。とりあえず、そのままのんびり南門の平原ほうへ。

 遠目にうさぎさんみたいな影がちらほら見え始めるあたりまできたところで、殆どプレイヤーがいなくなってたので、ちょうどいいかな?


「ほら、ショコラ。おきておきて」

「むきゅぅ~……」


 頭をぺしぺしとすると、のっそりと起きだしてお目々をこすりこすり。従魔にする前からわかってたことだけど、やっぱりこの子ものすごくのんびり屋です。起きさえすれば結構しっかり頑張ってくれるみたいなんだけどね。



「さてさて、ショコラの力を見せてちょうだいな」

「きゅぴっ!」


 お手々を上げて、びしっ!って感じです。ちょうど近くに黄色の羽毛がいたので、戦ってもらうことに。


 この黄色の羽毛さん、ピヨッコというモンスターなんだけど、全体的にまるまるしたどこからどう見ても完璧なひよこさんです。分析をかけてみるとLv1なので、初心者が最初に闘う感じのモンスターみたいだし、ショコラなら大丈夫かな?


「きゅぴ……。きゅぴっ!」


 ショコラの目の前に風が球形に集まって、それからまっすぐひよこさん目がけて打ち出されます。バシっという音ともに見事命中したんだけど、そこそこ威力があるのか、ひよこさんは放物線を描いて空中にくるくると舞ってます。ぽてっとした感じで落ちたところに、追撃の風の球が直撃して、そのままひよこさんはポリゴンとなって溶けていきました。


 風って目に見えないはずなんだけど、どうやら魔法は違うみたいで、うっすらと緑がかってわかりやすくなってるみたい。それと、ひよこさんが2発で沈んじゃうってそこそこ威力あるのかな?MP消費のほうは、2回うって2割ぐらい削れたところなので成長すればもう少し楽になるかも。


「きゅっぴぴ!」


 両手を腰あたりにあてて得意気です。どや!って感じみたいだけど、なんかちょっと背伸びしてる感じがしてほほえましい感じ。


「えらいえらい。その調子でどんどんいこうね」

「きゅぴ!」



 ○●○●○


 そのまま暫くひよこさんと戦ってもらったけど、ショコラは特に危なげもなくサクサクと倒してます。

 そしてレベルがスキル共々2つずつ上がったので、一区切りして休憩することに。

 あ、ちなみに戦利品は小さな羽毛っていうアイテムが6つほどです。


------

小さな羽毛

― ピヨッコの羽毛。

  柔らかいが、小さいためそのままでは使い難い。

------


 詳細はこんな感じだったり。



「ショコラ、ちょっと休憩しよ。それと、ショコラはステータス何処を伸ばしたいかな?」

「きゅぴ?きゅむぅ……」


 よいしょっと草むらに腰を下ろして一段落です。ついでにショコラのBPも振っちゃいましょう。といっても本人の希望が第一なんだけどね。

 そうそう、BPのほうは2、それからSPも2獲得してるから、成長はプレイヤーとあまり変わらないのかも。職業とか入ったらまたちょっとかわりそうな気はするけどね。

 遠目にはうさぎさん、付近はひよこさんと動物さんたちがほのぼのしてるのはとってもとっても和みます。そんな感じでぼ~っと風景を見てたんだけど、ちょんちょんって突かれて現実に。どうやらショコラが決めたみたい。


「ショコラ、それで決まったの?どれに振ればいいのかな?」

「きゅむぴ!」


 その後全部振っていいのか確認したら、こくこくってうなずいてたので、BPは2つともINTに振ることに。

 SPの使い道のほうも聞いてみたけど、首をかしげてはてな?って感じでした。わたしも詳しいわけじゃないから、とりあえずこの問題は放置することに。魔法関連ならちょうどなっちゃんが専門だから、後で聞いてみてからってことで。


「さて、それじゃショコラも強くなったし、ちょっとハードル上げても大丈夫かな?」

「きゅぴぴ!」


 ぽんって自分の胸をたたいて、まかせて!って感じです。ぎりぎりまでカバーはしないことも付け加えて、うさぎさんのほうに移動です。



「きゅむむ……、きゅぴっ!」


 バシンと音がして、まずはうさぎさんにショコラの先制攻撃。うさぎさんはそのまま少し吹っ飛ばされるけど、すぐに体勢を立て直してショコラに目標を定めたみたいです。うさぎさんのダメージは2割よりちょっと多いぐらいかな?

 そのまますぐに次の詠唱にはいるショコラ。けど、うさぎさんもそのままやられてくれるわけはなくて、すぐ飛び出して一直線に突っ込んでくる。

 今度はぼふっという音がして、ショコラにクリーンヒット。どうやら詠唱は間に合わなかったみたいです。少し吹っ飛んだあとに、そのままころころと転がってっちゃう。ショコラがなんとか起き上ろうとしたところに、追撃のうさぎさんアタックが!


「むきゅぅ~……」


 またも綺麗に決まって吹っ飛ばされちゃう。ショコラの残りHPを見ると3割切ってたんだけど、流石にこれ以上はヤバそうってことで、ここでカバーに入ることに。

 起き上れないショコラに向けて、再度のうさぎさんアタックが迫る!

 とはいってもその攻撃はお見通しです。素早く間に入って四角盾をぶつけて、うさぎさんを跳ね上げて追加の剣をお見舞いです。そのまま、地面に落ちる前に追撃の一閃を入れたところで、うさぎさんはポリゴン片に。


「油断大敵だよ~。ちゃんと相手を見ないとダメだよ」

「きゅぷぅ……」


 戦闘のダメージで少しのびてるショコラ。まだまだって感じだけど、まぁのんびり頑張ってもらいましょう。

 とりあえずショコラのHPを回復しなきゃ。【神聖魔法】はこの時のためにあったのだ!……なんて。軽く撫でつつキュアを唱えてHPの回復をしてっと。


「きゅ~、きゅっぴぴ!」

「大丈夫みたいだね。それじゃ、次いってみようね」

「きゅぴ!」


 復活!といった感じでしゅたっとポーズをとってるショコラを促して次のうさぎさんへ。今度は大丈夫かな?


 さてさて新ためてショコラと2匹目のうさぎさんとの戦闘です。

 今回も先手を取ったのはショコラ。初撃に風の球を打ち込んでます。そしてうさぎさんが少し吹っ飛んだ後、素早く体勢を立て直して突っ込んできます。ここまでは前回と同じだけど、大丈夫かな?

 うさぎさんが素早く距離を詰めてジャンプ、そのまま体当たりが直撃!というところでショコラは素早く横に回り込んで体当たり。足が離れていたうさぎさんは空中でバランスを崩しちゃって、うまく着地できずにそのままころころと転がってきます。

 すかさずショコラは魔法を詠唱して発動すると、何とか起き上ってきたうさぎさんに直撃して、再度ころころと転がってきます。なんというか、さっきの油断はなんだったっていう感じの機敏な動きなんだけど……。やればできる!って感じなのかな?

 それからは、突っ込んできたうさぎさんを吹っ飛ばして追撃するという簡単なお仕事って感じになって、うさぎさんに後1回魔法をいれたら倒せるといった具合に。

 これなら大丈夫かなって思ってたんだけど、そうは問屋がおろさなかったようで。


「ぎゅぴっ」 


 さっきと同じようにうさぎさんが突っ込んでくるんだけど、ジャンプすると見せかけてぎりぎりで急ブレーキ。横に回り込もうとしていたショコラにきっちりと目標を定め直して、再度の体当たり。見事にショコラはフェイントに引っかかっちゃって、対処できずにクリーンヒットです。ただ、今回は助走がそこまでついてなかったので、そこまで吹っ飛ばされずにショコラも後ろにくるりんとした程度で素早く戦闘体勢に。



「ほら、ショコラ!がんばれがんばれ、ファイトだよ!」

「きゅっぴ!」


 前と違くて、まだまだ!っていった感じです。

 ショコラがくるりんとしてる間に、素早く距離をとっていたうさぎさんが、追撃の体当たりを!でも今回はしっかりと体勢を整えることができたようで。きっちりと体当たりをかわしつつ、そのまま後ろに回って逆に体当たり!ちょうど着地するところだったうさぎさんはバランスを崩してころころと転がっちゃってる。そこへ、素早く距離をとって風の球の詠唱です。慌ててうさぎさんが突っ込んでくるけど、1歩及ばず風の球の直撃を受けて、ポリゴンになって消えていきました。


「きゅっぴぴ!」

「やったね、ショコラ!いえーい!」


 やった!って感じで駆け寄ってくるショコラとハイタッチ。そのまま抱き上げてく~るく~る。たった1回の敗北からきっちり持ち直してるのはとってもすごいと思うんだよね。

 ひとしきり喜んでショコラを地面に降ろしたんだけど、くるくるしすぎたみたいで、ふらふらになっちゃった……。お目々もちょっとくるくるしてるし、ちょっと反省。おっと、そういえばダメージ受けてたよね、ちゃんと回復しとかなきゃ。


「それじゃ、ショコラ。ばんばんいこう!」

「きゅっぴ!」



○●○●○



 それからショコラはうさぎさんを狩り続けて、スキル共々レベルが3つほど上がりました。わかっててもやっぱりフェイントに引っかかったりするみたいで、いくらかダメージを受けてたんだけど、段々そんなこともなくなって討伐までスムーズに。

 スキルのほうもレベルが上がって、少し威力が上がったり、発生が早くなったりしたのも大きいかも。

 BPのほうなんだけど、ショコラがINTに1、DEX2っていってたので、その通りに。SPは相変わらず保留とのこと。

 戦利品のほうは、小兎の毛皮が4つほどです。これはNPCに売却とかできるのかな?そういえばドラコさんが毛皮の加工ができるんだっけ。そっちに聞いてみてからでもよさそうです。


 そのまま狩りを続けようかと思ったんだけど、お昼をとっくに過ぎてることに気付いて、街に戻って一区切りです。


お読みいただきありがとうございます。

もう1話ほどショコラががんばる予定です。



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