表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

1.開始前日の話

初執筆、初投稿なります。設定等甘いところが多々あるとは思いますが、のんびりお付き合いいただけたらと思います。


1話目は初回の設定説明要素多めです。

「ユキちゃん、いよいよだよ!」

「あれ、何の話?」

「いよいよ明日、WWWの開始日!もう、忘れてたでしょ」

「あはは……。そんなことないよ、10時からだっけ?」

「む~、怪しいぞ~。でも時間はちゃんと覚えてたんだね」


 この子は檜山夏香、通称なっちゃん。小さい頃からの幼馴染で、家が隣通しなこともあって、家族ぐるみでの付き合いがある檜山さんのところの一人娘。小学校から高校まで全部同じ学校でさらにずっと同じクラスっていう、ちょっと奇跡的かもなんて、わたしは思ってたりする。あ、ちなみにわたしは桜野雪希っていいます。


 なっちゃんは、全体的にスレンダーというか小さめといった感じなんだけど、常に元気いっぱい。活発的にというより常に動き回ってる感じで何処から元気が沸いてくるんだろうってちょっと不思議に思ったり。でも、重度のゲーマーなんだよね……。まったくそうは見えないんだけど。



 なっちゃんがいってたWWWっていうのは、明日からサービスが開始される新作のVRMMOで、確か『Wonder World Weaver』とかって名前だった・・・・・はず……。なっちゃんはそのβテストが抽選で当たって、それから毎日のようにゲームのことを楽しそうに話してくれて。私もちょっとやってみたいな、なんて思ったり。そして今日、本格的にゲームがリリースされるということで、一緒にやろうって前から誘われてたんだ。

 正式版の初期ロットは販売から即日で売切れだったんだけど、わたしは運よく入手できたというより、βテストに当選してたなっちゃんからの紹介で楽に入手できたんだよね。なんでもβテスト当選者の特典で、1人まで紹介で優先的に入手できる権利があるんだとか。おかげでわたしも初日からプレイできるから、なっちゃんに感謝だよね。


 わたしもなっちゃんに誘われて一緒にVRゲームをやったりするけど、VRMMOは今回が初めてだから、ちょっと楽しみだったり。


 VRMMOは、VR――仮想現実の世界で、いろんな人と一緒に同じゲームをプレイできるんだとか。VRを利用したゲームは多数出てて、基本的にはVR専用の機器装着してプレイするんだけど、自身がゲームの世界に入り一人のキャラクターとしてプレイできるんだ。その中でもVRMMOはかなり人気の高いゲームで、他のゲームよりも遥かにユーザー数が多いんだって。ちなみに全部なっちゃんの受け売りです。あ、ユーザー数のところは具体的にどのぐらい?って聞いたんだけど、とにかくすっごいとか、もうめちゃくちゃとかであんまりよくわかんなかった……。けど、とりあえずすごいっていう感じは伝わってきたよ。


「それで、ユキちゃん。ゲーム自体は明日の10時からだけど、今日の16時からキャラクター作成部分は開放されてるから、帰ったらちゃんとやること!それから作成したら連絡ちょ~だい」

「うん、わかった。終わったら連絡するね」

「よっろしく~。あ、復習になるけど、また基本情報を説明するね。後でちゃんと公式ホームページをみること!」


 それからなっちゃんと復習という名の基本情報を話した。具体的にはこんな感じ。


 最初に、ステータスはSTR(筋力)、VIT(体力)、INT(知力)、DEX(器用)、AGI(敏捷)の5つ。


STR(筋力)は、物理攻撃に影響

VIT(体力)は、HPとHPの自然回復力、若干の物理防御力に影響

INT(知力)は、魔法攻撃の威力と、MPとMPの自然回復力、若干の魔法防御力に影響

DEX(器用)は、投擲とか弓とかの遠距離攻撃、動作の精密さに影響

AGI(敏捷)は、自身の動作の速度に影響


 それ以外にも、それぞれのステータスで変わってくることがあるそうで、STRが高いと重い装備を使えたり、VITが高いと肉体に作用する状態異常にかかりにくくなったり、INTが高いと精神に作用する状態異常にかかりにくくなったり、DEXが高いと製造関係にプラス補正があったり、AGIが高いとすばしっこくなれたりだとかがあるそうだけど、あくまで一例なのでこの辺は後で確認してほしいっていってた。


 ……HPとMPを忘れるとこだった。

 HPはヒットポイントで、いわゆる体力。これがなくなると死亡扱いになって、リターンポイントとして設定してある街へ強制帰還に。このリターンポイントは、後で変えられたりもするみたい。

 MPはマジックポイントで、いわゆる魔力。魔法を発動する際に消費されるみたい。

 他のゲームだと、大体それぞれに数値とかがあったりするんだけど、このゲームの場合はちょっと変わってる。それぞれがHPバーやMPバーというバーで表記されるんだけど、残量が%でしか表示されないんだよね。

 これも理由がある、というか運営の人のこだわりらしい。現実世界でダメージなんて数字ででないだろ、とかなんとか。


 次に種族がヒューマン、エルフ、ドワーフ、セリアンの4つ。


 ヒューマンはいわゆる人間族で全ての能力地が平均的。

 エルフは先の尖った長い耳が特徴で身長が高めの森の民とよばれる種族でSTRとVITが低い代わりにINTとDEXが高め。

 ドワーフは身長が子供ぐらいしかなくて男性なら分厚い筋肉を持ったずんぐりとしたおじさんといった感じ、女性ならちっちゃな少女っていう感じの鉱山の民と呼ばれる種族でINTとAGIが低い代わりにSTRとVITが高め。

 セリアンは獣耳と尻尾を持ったいわゆる獣人の種族でSTRとINTが低い代わりにVITとAGIが高め。


 それぞれ高め、ってなってるけど、実際には初期ステータスが若干変わる程度らしい。


 具体的にはヒューマンが全てのステータスが3なのに対して、それ以外の3種は、低いほうが-2されて高いほうが+2されるんだとか。


 あくまで初期ステータスがちょっと高いっていうだけで、それ以外にボーナスは特にないらしいから、ドワーフで魔法使いをやったり、エルフで剣士をやったりとかも問題なくできるんだとか。あくまで出発時のステータスが変わるだけで、これは運営側が見た目的な意味合いを強くしたかったから、らしい。


 それからキャラクターの成長方法は、経験値を得てレベルアップするいわゆるレベル制を採用していて、レベルが上がることで毎回ボーナスポイント(BP)を1ポイントと、スキルポイント(SP)を1ポイント入手できる。

 BPはステータスに振ることでそのステータスを上昇、SPは消費することでスキルを取得することができるとのこと。BPはレベルアップのみみたいなんだけど、SPのほうは他にも手に入れる手段が複数用意されてるんだって。運営が自由にスキルを組み合わせてほしいってことみたい。


 それとスキルなんだけど、キャラクター作成時に6つ取得できて、それ以降はSPを消費することで取得できるほかに、スキル自体にレベルがあって、レベルが上がることでスキルが強くなっていくシステムみたい。

 たとえば、剣とか短剣とかそれぞれの武器を使用した際に補正が入ったりするものとか、MPを消費して魔法を使えるようになるものとか。

 金属を加工する鍛冶、木材を加工する木工、皮を加工する皮革、宝石や貴金属を加工する細工といった製造に関するもの。【耐寒】、【耐暑】とかアイテムの採集が上手くなる【採集】、鉱石を発掘できる【採掘】とか。

 他に防具に関系するスキルとかもあったりで、結構いろいろあるみたい。

 それからスキルレベルが上がっていくとスキルが強化されていくみたいなんだけど、武器に関するスキルはアーツという、所謂技みたいなものを取得できて、魔法に関するスキルは新しい魔法にあたるスペルを習得できるみたい。それから防具の中にもアーツを取得できるものがあるみたいだけど、武器に関するアーツはそれぞれの武器専用になっているそうなんだけど、防具のほうはアーツの発動に関して制限がないみたい。

 それから、スキルレベルが上がっていくと、スキルが進化したり変化したりすることもあるんだとか。


 最後に職業システム。ジョブとかクラスなんて呼ばれたりもするみたいなんだけど、このゲームではクラスっていうのが一般的みたい。そのクラスごとにステータスに補正が入ったりするみたい。


 後は現実の1時間がゲーム内で2時間分にあたるらしいこと。

 それと、昼と夜の時間変化があるそうで、午前と午後のそれぞれ7時を基準にそこから10~20分ぐらいで昼と夜が入れ替わるんだって。これによってモンスターも入れ替わったりとかあるみたい。


 そんなことをなっちゃんからききながら歩いていたら、もう家の前に着いちゃった。


「それじゃ、ユキちゃん。ちゃんとキャラクター作り終わったら連絡してね!」


 バイバイと、なっちゃんと手を振り合って分かれた。時刻は15時丁度。ちょっと公式ホームページを確認したりしたら丁度いいかな?


 着替えてから早速WWWの公式ホームページをひらいてみると、CMなどでも見慣れた謳い文句が表示される。



------

~ Wonder World Weaver ~


何処か幻想的で、ちょっと不思議な世界。

そして、そこで紡がれる様々な物語。

この世界では様々な住人がそれぞれの物語を紡いでいます。

それは様々な人々だけでなく、恐ろしい魔物であったり、はたまたかわいらしい動物であったり。

あなたはそんな世界の住人の一人となって、あなただけの物語を紡いでいきましょう。


------



 なっちゃんがいってたことの復習もかねて、っていいたいところだけど、何回も聞いてるから結構覚えちゃってるんだよね。むしろ基本的な操作とかの確認とか、新着情報の確認とかがメインになりそう。


 今日のキャラクター作成開放の時間とか、明日のログイン開始時間とか、βテストとの差異といったインフォメーションとか。


 一通り確認してたら、16時過ぎちゃってる。早くキャラクター作らなきゃ。


 早速VR機器をセットして、WWWを起動してみる。特有の浮遊感というかまどろみ感というかを感じていると、『Wonder World Weaver』というタイトルが視界一杯に広がってきた。ゲームに無事ログインできたみたいで、注意喚起のインフォメーションがでてきた。



------

~インフォメーション~


本日16時より、キャラクターの作成サーバーを開放したしました。

なお、キャラクターの作成が完了した後でも、明日10時までゲームにログインすることはできませんので、ご注意ください。


------



 その後に、キャラクター作成というボタンが表示されたから、早速作成にはいろう。


 最初は種族選択か。これはヒューマンで。


 次は容姿。リアルを反映してくれるボタンがあったから選択して、ついでに髪を思い切って腰よりも長くして、色をファンタジーっぽく黒から白っぽいグレーに変えて終わりでいいかな。リアルで髪が長いといろいろ大変なんだよね……。


 その後が職業選択。ファイター、ウィッチ、レンジャーに、クラフトマンという4つの職業が表示されたんだけど、これらの職業は、基礎修練クラスといわれる、所謂見習いみたいな感じのものだそう。


戦士系職業の基礎であるファイター

魔法系職業の基礎のウィッチ

狩人とかシーフといった索敵系の職業の基礎であるレンジャー

製造系職業の基礎であるクラフトマン


 これらはあくまでも基礎クラスで、クラスチェンジするときにはかなりの派生先があるらしい。とはいっても、あくまで名ばかりの職業に近くて、若干の補正が入る以外スキルとか装備に制限があるわけでもなくて、ウィッチとは名ばかりで大剣をふりまわす人もいるとかなんとか。

 う~ん、なっちゃんは魔法が大好きだから、多分ウィッチにするだろうな。かくいうわたしは即決でファイターに。前に、竜とかに剣で立ち向かうのってちょっとわくわくするよねってなっちゃんに言ったら、笑われちゃったんだけどね……。


 そしてスキルの選択。ゲームを始めた時に6つだけ、とはいっても職業ごとに2つは固定されるそうだから、実際に自分で選べるのは4つ。とはいってもこれはもう既に考えてあったからすぐに決まっちゃう。

 最後に名前。これも最初に考えていたもので無事に重複せずに取れたので雪花になった。


 そしてできあがったのがこちら。



------

雪花 Lv1

種族:ヒューマン

職業:ファイター

-ステータス-

STR: 6

VIT: 6

INT: 3

DEX: 3

AGI: 3 

-スキル-

【剣 Lv1】【盾 Lv1】【鎧 Lv1】【神聖魔法 Lv1】【筋力上昇 Lv1】【敏捷上昇 Lv1】

------



 STRとVITは職業補正でそれぞれ初期値が+3、スキルのほうは【剣】と【鎧】が職業の固定なんだ。自由選択のほうは、【盾】で一応防御を補完して、見た目が剣と盾っていかにも見習いです!って感じになるのもあるんだけどね。それから、【神聖魔法】で回復とか状態異常を治したり、後アンデット系っていうゾンビみたいなのにも強いんだったかな。それから、残りはそれぞれのステータスが%で上昇するスキルなのです。


 それじゃ、一度終了してなっちゃんに連絡しようかな。


 スマホでなっちゃんを呼びだすと、すぐに電話にでた。


『ユキちゃん、キャラクター作成終わったの?』

「うん、終わったよ。キャラクター名は雪花にしたんだ」

『お~、名前が安直!っていいたいけど、私もそのままナツだから人のこといえないか』


 お互い考えることは一緒なのかも。二人してあははって笑っちゃった。


 それからお互いのキャラクターの話になったんだけど、なっちゃんはエルフでウィッチを選んだみたい。ここでもお互いいつも通りだね~、なんていったりして。


『ところでユキちゃん、【分析】はちゃんと初期で選んだ?』

「え?ううん、選んでないけど」

『え゛っ。重要だよ、ってちゃんといっといたじゃない!』

「あれ、そうだったっけ?」

『もう、忘れてたんでしょ。まったくもう~』



 そういってなっちゃんに少し怒られちゃった。というかいつものことって感じで若干諦められてる感じがするけどね、あはは……。


 なっちゃんがいうには、【分析】はモンスターの詳細を確認できるようになるスキルなんだとか。レベルが上がればいろいろと項目も増えるんだとか。それから、未鑑定のアイテムの鑑定をするのにも使うらしい。

 うん、確かに便利そう。まぁ忘れてたんじゃしょうがないよね、うん。

 初期習得スキルとして選択できるものはsp1で取れるっていうのも教えてもらえたから、レベルあがったら最初に取得しようかな?


『話は変わるんだけど、ユキちゃん。明日開始したら一緒に回る?といってもテストのときの人もいるんだけど。きっといろいろと楽になると思うよ?』

「う~ん、一番最初だし、少し自由に歩いてみようかな」


 好意はありがたいけど、やっぱりいきなり楽しちゃうっていうのもよくないよね。


『わかった。それじゃ後で合流しよ!』

「うん、わかった。チャットで連絡がとれるんだっけ?」

『そそ。ログインしたら真っ先にウィスパーとばすからそれで連絡ね』


 ウィスパーっていうのは、いわゆる個別チャットっていうもので、指定した相手と直接チャットができるんだ。


 それから、街の周辺の情報とかを聞いたり。

 なんでも街の出口は3箇所で東と西と南の3つ。東西は恐らく混雑するだろうからがんばって、ってもいってたかな?

 その2箇所が混むなら南でいいんじゃないかな、って思ったりもするんだけど、なんでも東西がゲームスタートしたばっかりの初心者用で、南のほうはレベルが高いみたい。

 でも、東西があまりにも混んでたら南にいっちゃってもいいのかな?そこまで無茶な敵ではないし、わたしなら何とかなるかもなんて、なっちゃんはいってたし。


『それじゃ、ユキちゃん。また明日、ゲームで会おうね!』

「うん、なっちゃん。それじゃまたね」


 そうして電話は終了。


 いよいよ明日、一体どんなゲームなんだろう。なっちゃんじゃないけど、結構楽しみです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ