表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プロローグ  作者: おうじ
1/1

プロローグ

これは君たちの世界とはまた、違った世界の話。



【電脳ゲーム】

今話題になっている、政府の政策。

ゲームとは言うものの、そんな生温いものではない。


この世界では、命の価値のハイパーインフレが起きている。

医療の異常な発達により人間の寿命は、一世紀で二倍にもなり、出生率も三倍に膨れ上がった。


その為、一時政策として上がったのが、電脳世界での生活。

人間の行動は全て電気信号によって行われている。

その意識を電脳体として、電脳世界での生活を求めた計画が「電脳移住計画」

電脳体は身体から抜け、電脳世界で生活をする。

身体はある場所に保管され、全てのメンテナンスを行いながら電脳体として生活していくという計画。


もちろん、簡単に出来るわけもなく、多くの犠牲も考えられた。

そして出来たのが「電脳ゲーム」


電脳ゲームでは、8人が電脳体として電脳世界で戦うゲームである。

電脳世界は、現実世界には存在しない物であるので、円卓状の場所に各々座り、いかにもといった機械を頭に取り付け、電脳世界に移る。

当然、意識は失われ、身体から力が抜ける。


ゲームと言っても、あっちの世界では、ただのゲームではない。

戦い、一人になるまで殺しあう。

それが、電脳ゲーム。

戦いの時の身体の動きと、感情と心理状況、全て効率的に取れるというだ。

優勝者には、大金と、電脳世界が完成した場合の優先的な居住権を得る。

電脳体ではあるが、確かに自分の身体で殺し合うのだ。


そして、第一回のこの大会には多くの出場者が応募し、多くの富豪が観戦をした。


だが、結果は皆が満足するものではなかった。

意識が戻らないのだ。

ゲームが終わり、最後の一人の電脳体が身体に戻った後も、優勝者以外の出場者の意識は戻らなかった。


そのゲームには、まだデータが無かった。

その為、何が起こるかが予想出来なかったのだ。


「現実でも死ぬゲーム」

巷ではそう噂され、人々は恐れた。

だが、出場希望者は後を絶たなかった。

命のインフレ・・・

平均寿命は200歳を越え、老いも少なくなった現代社会の命の価値は、実に曖昧なものになってしまっていた。


そして、今日もまた、「電脳ゲーム」は始まる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ