普通の日常
性的描写及びグロテスクな描写がある場合がございます。
ご了承ください。
「やっべー。 遅刻だ!遅刻!!」
なぜこんなに急いでいるか・・・
それはこんなことがあったからだ。
今日の朝、俺 神原悠太は久しぶりに夢を見た。
はっきり言って俺の夢はほぼ現実になる。
昔から、妙に違和感のある夢を見る。
‘妙に’というのは、 簡単に言えば 「現実世界にいるような」
ということだ。
こんな夢を見るとほぼ100% それが現実になる。
他の人には知られていないが、
それは間違いない。
子供の時から、俺は夢を見るのが嫌いだった。
祖父が火にまかれる夢を見ると、
数日後にそれが本当のことになったり、
怖い知らないおじさんと歩く夢を見ると、
次の日に俺は誘拐されたり
とにかく俺の夢の正確さは抜群だ。
そんな夢を見てしまった…
朝起きると背筋に嫌な汗を書いているのがわかった。
ボーっと考えているとお天気キャスターさんが
「時刻は 10:30。ここでニュースです。」
と言っている。
その瞬間 頭が「遅刻」という警告を発してきた。
そんなわけで俺は遅刻かどうかの瀬戸際に立たされているわけだ。
ちなみに俺の名前は 神原悠太
某大学の教育学部に行っていた。
……今は行っていない。
教師を目指していたが、5回も教員採用試験に落ちれば
だんだん教師になりたいという夢が薄くなっていった。
今は俺の友人の紹介で、全国チェーンしている学習塾の講師をしている。
さて遅刻ギリギリで間に合ったわけだが、
社会人になってから、遅刻というのも恥ずかしい。
今度からはちゃんとしようと誓った。
キーンコーンカーンコーン♪♬
学習塾の講義をやり終えた俺は、
まっすぐ家に帰ろうと思い、身支度をして外に出た。
「神原悠太君ですね。」
知らない女性がそこには立っていた。
「…」
俺が不審な顔をしていたのか…その女性は自己紹介を始めた。
「初めまして。神原悠太君。私は塵芥聡美よ。
今日はあなたにお願いをしに来ました。」
30代だろうか? だがその落ち着き方から ものすごい恐怖を覚えた。
「確かに、俺は神原悠太ですが。お願いとはなんでしょうか?」
そういって向き直ると、その女性は驚くことを言ってきた。
「では、悠太君。私のお願いはね。あなたにある子の家庭教師になってほしいの。」
・・・なんていった????
俺に家庭教師をしてほしい????
有名大学出でもなければ、お金もない。ルックスも普通である。
なぜおれなんだ?・・・・
「あのー。」
「なにかしら?」
「なぜ俺なんですか?」
「あなただからよ。」
「失礼ですが、俺は有名大学出でもないし、有名な講師でもないですよ。」
「いや、あなたは充分素質があると思うわ!……時給1万円でどうかしら?」
「……………………。」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええ」
「時給一万円。交通費支給。これでどうかしら?」
「日給の間違えじゃないんですか?」
「いいえ。時給よ。」
さらっと言ったぞ…この人…
「なんか疑っている表情ね。まあいいわ。引き受けてくれるならぜひ連絡頂戴ね。」
そういって塵芥聡美さんは名刺を俺に渡すとどこかへ行ってしまった。
この時僕は予想もしなかった。明日から始まる「狂っている日常を」。