心の音
心が死んでく音がした。
ただそれだけのことだった。
生きてく意味など
私はどうでもよかったから。
心が死んでく音がした。
ただそれだけのはずなのに。
私は息ができなかった。
私は生きてるはずなのに。
心が死んでく音がした。
ただそれだけのはずだった。
私は生きていなかった。
死も同然。
死より酷く
嫌な臭いのする場所だった。
心が死んでく音がした。
生きたいと私は願った。
死にゆく心を両腕で抱き。
心が死んでく音がした。
温かな涙が一粒。
心が死んでく音がした。
殻に閉じこもるのは簡単だったが、
私は生きたいと願った。
願いは一粒の温かな涙となり頬をつたう。
私の心はまだ生きている。
心が生きているのなら、
私も生きねばならない。
死より恐ろしいのは、
死を望むことだった。
私は生きていた。そして、生きていく。
その涙こそ、私の誓いであり、心だった。