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魔法使いとの出会い

 ワクワク…といえばわくわくさん。

 あのような奇異な格好をした人物をおかしいと思わないのは、テレビの番組だからであって、現実であのような格好をした人物がいれば目に留まるどころか注目の的になるのは必然だ。

 最近は、この町も穏やかじゃなくなってきたのか…。

 あんな輩がうろついているているとそう思えてならない。


 今、午前1時すぎ、一人の男が私の目に留まった。


 格好はまるでピエロを連想させるかのような、格好に、問題なのは、ついさっき、人を殺してついたのではなかろうか? と思わせるような返り血の付いた服。


 目で見て分かる、明らかにヤバめの人だ。 この距離では聞こえないが携帯で誰かと会話しているようだ。

 声も普通ではなく、まるで奇をてらっているかのような高い声。


 そして、気になったのは、


―――――なぜ、だれもピエロ男の方を見ないのだろう

 おかしい、凝視しなくとも一瞥くらいあってもよいのだが皆、まるで見えていないかのようにピエロ男を通り越してゆく。


 遠くで見ていてもそれは分かることだった。


 さっさと離れよう。


 離れなきゃいけなのは分かっているのだが体が言うことを聞かない。いや、頭が言うことを聞かせてくれない。離れられないのは単純な好奇心。


 耳が必要ではない音を消し去り、ピエロ男に関する音だけを選んで耳に聞こえてくる。


「いやさ~青木、殺しの仕事なら僕も呼んでくればよかったのに」


 殺し、やはりその類の人物か…青木というのは人名だろう。


 もういちど、彼の外見を見てみる。


 さっきよりは私も冷静になっただろう。


身長は180程で髪の色は赤、長い赤髪。服は黒を基調としてはいるのだろうが、赤が目立ちすぎて、本来目立つべき色の黒は脇役に成り下がっている。


「ところでさ、青木、今、魔術の基本って言える?」

魔術?基本?話についていけない。


トントン


 肩を叩かれる。

 今はそれどころではないので、無視すること……熱ッ!急に肩に熱が伝わった。

 思わず振り返ると金髪で赤い服を着た、それこそピエロ男に並ぶ…いや、ピエロ男と赤の種類が違う。

 金髪の赤はきれいな水、ピエロの赤はいろいろ混ざったジュース。

 例えの対象こそはめちゃくちゃだが割りと的を射た例えだと思った。

 自画自賛。


「あまり、ここに長くいないほうがいいわよ。さあ」

手を伸ばしてくれる金髪さん。

好意に甘え手を差し出す私。


 それに、と続けて


「女の子がこんな夜遅くに出歩くのはいただけないわ」


「」


男ですとも言いにくかったので何も云言わないでおくことにする。


 それにしても…女の子と間違われるのも慣れたとして、一人称だけでもかえてみようかな。

 無理やり、手を引かれる。


 最後にもう一瞥、ピエロの方に一瞥をくれる、手の甲に 4 と描かれていた。


 手を握られる力が少し強くなる。 一体どこへ向かっているのだろうか。でも、この人についていけば安全、そんな気がした。


「ああ~青木のせいで僕の獲物、どっかいっちゃったよ~ははは」

とため息。



「でも、今殺らなくてもあれ程の人材だから育つまで待とっと。ああ~ゾクゾクするよォ」


「しかし、青木、怪我してたな。息遣いでわかるよぉ。青木に一発ぶち込める相手なんて…ああ今日は素晴らしいよぉ、でも、初めてぶち込む相手は僕が良かったなぁ。」


「甘くない世界…」



――――。


連れていかれたのは、教会。


「はあ~疲れた」


 どっこいしょっと近くにある椅子に腰を掛ける金髪さん。


「まあ、座りな。」

席を指差す金髪さん。


「はい」

緊張、それがいま心を支配している感情だろう。


「どこから説明しようかなぁ」

悩んでいるのだろう、で、 出た言葉が


「魔法や魔術とかってホントにあるの。 これが大前提」


「へ?」


―――――――一今は朝の4時頃、




「いつからロリコンになったの?」


「冗談きついぜ? 青、お前いつからお父さんになっちまったんだよ」


これは完全に僕の責任だろう。あの後、傷の事もあり、アジトに帰った。

それぞれの第一声が上記の言葉である。


 帰る途中に、バイルから連絡があった、あいつは仕事の事を話してやると、報酬はいらないから、殺しにだけ参加させてくれ、と言っていた。

 あと、獲物を逃したとも言ってたな。また誰か無差別に殺す気だったのだろう。あと魔術のことも言ってたな、懐かしいな。魔術の基本。


あの後、―――――


 監禁されている女の子…いや、糸ちゃんに自分の家の場所を聞いてみた。

 そしたら、家はない、の一点張り。そして、お前の家連れてけとも一点張り。

 困った。本当にこまったさんだよ。


 そして、捨て犬の如く家、というかアジトに連れて帰るしかない。僕が折れたのも原因の一つ。折れたっていうのは話にね。


話は進み

「この子は一体なんなの?あと、持ってる羅針盤みたいな奴も!」


「雫さん、まあ落ち着いて。 僕が悪いのは間違いないとしても、放って置く訳にも行かないから連れてきたんだよ。」


もう一度確認、ここはアジト、まあ秘密基地と似ている。

 秘密基地も大人に見つかれば大抵は壊される、アジトも僕達に恨みを持った連中が集まって襲撃してくる。

 恨みを持たれるのは当然ちゃ当然。なんせ殺しの仕事が主だもの。


「青。お前は俺にまた一つ罪を犯したな」

ヨッピーさん?…何のことでしょう。


「和服幼女…いいっ!」

ヨッピーさん…もう僕の知るヨッピーじゃなくなってしまったか。


「オーケーだ!住まわせよう!」

ヨッピーの熱弁もありとりあえずこの件は解決…かな?


 問題は、これからのことと、これまでのこと。

 今まで何があったのかを聞かない……と……

 意識が遠のいていく。

 自分でそれだけはわかった。


 出血…話している間にも血は出ていたのだろう。痛みもなかったし気づかなかった。

いつか甘くなる…世界が甘くなる日がくるのだろうか……。


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