幼馴染の厚意
内容は少し変わります。
空は私の答えを待っている。
疑問が浮かぶのに場所は関係ない。
空達はどこの学校へ通っているのだろう。
それが気になった。
思えば考えたこともなかった。
考えていても答えが出る訳では決して無い。聞くしかない。
「あのさ…」
「ここにいたのね!!」
遮られた。自分より大きな声に。せっかくのチャンスだったのに。モヤモヤする。
それより、私の言葉を遮った人物が問題だ。
なんでいるんだよ...姫
現れた人物は、クラスを手中に収めていたもう一人の幼馴染でもある。
通称 姫
実際、実家はここらへんでは名の知れた名家である。
だから、姫なんてあだ名が付けられたのだろう。
本名は確か――。
「ちょっと!百合!話聞きなさいよ!」
できれば、その苗字を大きな声で言わないで欲しい。 コンプレックスなんだ。名前が。
考えてもみてくれ 百合式百合恥ずかしくないほうがおかしいレベルだぜ。
とにかく、話をまとめると、私以外の幼馴染が全員集まるのに私が呼ばれないのはおかしい。
ってことらしい。 まあ筋は通っているし一応謝った訳だが、うるさいのが一匹増えた。
姫の苗字は芝山だったな。 芝山 岬
外見は金髪ロングで猫みたいな大きな目が特徴的で、異性からモテていた。ごく稀にツインテールにしている。その姿はまるで、ツンデレの代名詞。
長短宮久は少し長めの癖っ毛のある青髪でいつか雑誌のモデルにスカウトされるのでは?と相手に感じさせるような体型と顔。関西から越してきたこともあり関西弁を話す。
葉井徹は筋トレが趣味なだけあってマッチョ。顔は少し強面だが決して悪いやつではない。徹の側に居れば自然にそう思えてくるだろう。
宮藤空は成長期がまだ来ていないようだ。 桃髪のショート。 こちらは、一定の層からモテる。
最後に私だが、髪はポニーテールで自分で言うのもなんだが体つきは細いだ。あと...あまり考えたくないが、外見が女の子みたい...というか黙ってりゃバレないだろう。
こんな名前と外見のせいで酷い思いもしたな...。
それについては、おいおいに話していきたい。
あだ名もついたな。
確か リアル男の娘 だったか。HAHAHA。笑え、笑ってくれ。
「ところでさ今日ってなんで集まったの?」
何の説明も受けていない岬、無理も無いだろう。
「今日はね百合ちゃんの進路のことで色々と」
宮藤が暗いトーンで話す。
「進路って高校のこと?だったら空達と同じとこ行けばいいじゃない」
さっき私が言いたかった事に近いことを言ってくれる岬。
「そういやお前らどこの学校にいってんだ?」
徹が気になっている事をより具体的に示した。
「言ってなかったっけ?理図高だよ。ちなみに魔法科。」
自慢げに話す空、隣にいる久も満足気だ。
理図高の魔法科には色々うわさがある。 例えば、無事卒業できると億万長者になれる、入学して一週間程で半分以上が行方不明になる、など色々と尾ひれがついた噂には事欠かない理図高の魔法科。
というか、理図高校には魔法科しかない為、募集定員はかなり多い。
理図高校はいろんな意味で変わっている。
「奇遇ね、私も理図高が第一希望よ」
「あ、俺も理図高に入るつもりだぜ」
ちょっと待て、岬はとにかく徹、お前は俺よりもバカなはず
考えてることを悟ったのか徹は
「能力推薦、俺、力あるから」
ああ、そういうことか...って私だけ?理図高受けないの...
「で、本題だけど、百合ちゃんはどうするの?」
素直に思っている事を伝えた。
「理図高...受けたいッ!」
一同「レッツパーティィィ!!!!」