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6話♀出会い[中編]♀

 でも、出会ってすぐこれはないんじゃないかなぁ~



 ■□■□■



 あたしたちは遊園地にきていた



「ほらっ、マーレ、いこっ♪」


「えっ、あぁ…うん」


 ミリが強引に繋いだ手は、汗でとても…ベタベタしてた


「マーレあれ乗ろ♪」


「あ…あれって、これ?」


「そう、これ、ジェットコースター」


「え…あぁ…」


 ミリはあたしの手を強引に引っ張り、ジェットコースターの最後尾に並んだ。



 ■□■□■



「マーレ見て、私の足の震え、止まらない…」


「あ…本当だ」


 ミリの足の震えははやく、小刻みに震えが止まるくらいだった。しだいに震えは収まり、今度は汗が出てきた。多分これは、冷や汗だろう。


 やがてジェットコースターの順番がもう次の次になったとき…


「マーレ、私…決めたよ」


「え? 何を?」


「ジェットコースターに乗らない!」


「…え?」


「だって私…」


「は~い、次の方こちらにお座りくださ~い」


 時間が来た。ミリは嫌々にジェットコースターに乗った。

 ジェットコースターはある人の叫び声がとてもよく聞こえた。ある人というのは言うまでもない、ミリです。


「楽しかったね~マーレ♪」


 さっきといってることが違う! と、あたしは心の中でツッコミを入れながらもあたしは…


「そうだね♪」


 と、笑いながら返事をした。それにつられては分からないけど、ミリも笑った。ミリの笑顔は天使のように可愛かった。


「それでミリ、次は何乗る?」


「やっぱり~…………何乗ろう?」


「決めてなかったの!?」


「決めた!」


「早っ!!」


「観覧車乗ろう♪」


「…うん」


 あたし達は観覧車に乗った。


「…………。」


「……ねぇ、マーレって趣味とか何かある?」


「え、あの、その…本を読むことかな?」


 乗った数十秒後に、ミリが急に聞いてきたので、驚いてしまった。が、あたしはなんとか冷静に戻すことができ、答えた。


「へぇ~、どんな本読むの?」


「その…本といっても、文字がたくさんある小説じゃないよ?」


「え…それってどうゆうこと?」


「つまりね、あたしが読むのは小説とかじゃなくて、漫画なんだ~」


 しばらくの間、沈黙が続いた。あたしたちが乗っている観覧車が丁度、半分を越えた時ミリが…


「へぇ~、マーレってそんな趣味あったんだ~。もっと…こう…なんていうの…その……」


「そんな感じじゃなかった?」


「そう、それ! 印象的に小説とかお堅い文庫とか読んでそうだったよ~」


 周りの皆からはそう見えていたのだろうか? 確かにあたしは冷静というか…人とあまり話さないし、そう見えても仕方ないか…


「あ、あたし…小説読むの苦手なの。だって…文字がたくさんならんでて…その…読みにくいし、絵が少ないから…」


「確かにねぇ、私も漫画好きだよ♪」


 ミリの口からその言葉は似合いすぎだよ。逆にミリがお堅い文庫とか読んでたら…正直驚くわ。


「え、あ、ど、どんな、あ…ま、漫画好きなの? アクション漫画? それともギャグ漫画? それとも?」


「ちょちょちょ、マーレ慌てすぎ、落ち着いて」


「あ…う、ごめんね。そういうこと話せる友達がいなくてね、我慢してたんだけど…ミリの言った漫画好きって言葉に我慢のひもが切れて…その……」


 つい早口になって、慌てたりと、やっぱり~我慢が消えるとそれに次いで、さっきまで少しあった緊張までをも消しとばしちゃうんだね。


「分かるよ、私」


「え…?」


「あっ、もうそろそろ降りないとね」


「あ、うん」


 結局ミリが言いたかったのは、観覧車都合でうまく消された。

 そして私たちは観覧車を降り、ベンチに座った。


「あ、あの! さっき言ってた分かるってって?」


「あ~あれは昔私、人見知りが極端に酷くてね、あまり出掛けれなかったの。それでお母さんが、とりあえず誰でもいいから今日の天気を細かく話せって言ったから、勇気を出してクラスメートの人気者に、“今日はお日柄も良く、曇り空はないでしょう”って言ったんだ。」


「え、それで…どうなったの?」


「大爆笑された。で人気者、まあシンミちゃんなんだけどね。“あんた、意外と面白いわね、ただのインキャラじゃないわ、もっとなんか話そう”って。それで私、楽しいと初めて思った。人と話すのってとっても楽しいと思ったわ。あ、ごめんね、長くなっちゃって。私も初めて話した時は、慌てたし、早口だったからさ」


 意外だった。とりあえず今まで見て、こんなに強引な子がまさか昔、人見知りだったとわね。


「意外だったわ。ミリにそんな過去があったなんて」


「まぁまぁ、だいたい初めて私の過去のことを話すと、この反応だったから慣れたわ」


 ミリにもいろんな過去があったんだなと、このとき初めて思った


「あ、そうそう私が好きな漫画はギャグ漫画よ」


「そうなんだ、やっぱり~。あたしはーたくさんあるけどやっぱり、ギャグ漫画かな?」


「これは…きせ…」


「偶然でしょ」


 ミリが奇跡と言おうとしたけど私は、その言葉をかき消すように偶然と言った。それを奇跡と言ってしまったら、他の奇跡が薄れてしまいそうだったのでかき消した。でも、かき消す必要があったかは、今もまだ、自分では分からない。ただ単にツッコミで入れたのか、どうなのかが迷いてすわ。


「ミリは何冊位持ってるの?」


「えーとね、150位だと思うわ」


「へぇ~、意外と少ないんだね。わたしは700ぐらいだよ♪」


「多いっ!!」


 この他にもいろいろ話した。どういう表紙にひかれるとか、作者で一番好きな人とか、あっという間に時間が過ぎ、空が軽く赤色に染まってきた。


「あ、そろそろ帰らないとね」


「ごめんね、いろいろ連れ回しちゃって」


「いいよ、あたし楽しかった」


「良かった」


 ホッと一息をつき、私たちは遊園地をでた。


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