表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

Game 4

不評、好評の言葉、どんどん送って下さい!

勉強やはげましになるので。

Game 4


 「死…?」

 祐輔はつぶやく。

 『ええそうです。死です。コインがなくなり次第、その方には死んでもらいます』

 仮面の男は抑揚のない台詞を言い続ける。

 「そういう設定なんだよ、祐輔」

 章弘は固まっている祐輔に声をかける。

 「だって俺ら普通にこのゲーセン来たしさ、死なんてありえないだろ…。それにほら、俺のコインあと6枚だから2回外れに座るとゲームオーバーだぜ?そんなのあるかよ」

 章弘は必死に説得する。

 「だ、だよな…?」

 祐輔は苦笑し、こちらを見つめる。

 『なお、ゲーム中のコインの貸し借りは無効です。発覚した場合、直ちに死んでもらいます』

 男の口調は妙に威圧感があった。

 『ゲームは全部で15回。但し、先ほど座ったイスにはもう二度と座れません』

 15回…。1回の制限時間が5分だから、単純計算で75分…。

 「おい、さっき章弘は当たりのイスに座った。もうそのイスには座れないんだろ?」

 祐輔がなにやら男と抗議している。

 『ええそうです』

 「じゃあ、もうこの中に当たりはないじゃないか!」

 祐輔は必死になって話している。

 なるほど…。確かに祐輔の言うとおりだ。

 「おい!仮面野郎!卑怯じゃねぇか!」

 章弘も加わる。

 『いえ。当たりのイスは毎回シャッフルされます。即ち、毎回どれかのイスが当たりということです』

 そういうことか。

 「で、当たりと外れはどうやって見分けるんだ?」

 祐輔はすかさず男に質問する。

 『それは、自分たちで考えてください。ゲームが面白くないので』

 何だと…?

 「そしたらもう運だけじゃねぇかよ!」

 章弘は憤る。

 しかしそんなのおかまいなしに、男は話を進める。

 『それではこれより、第二ゲームを開始いたします!』

 「待ちやがれ!」

 章弘が男に怒声を放つ前に、スクリーンの光が消えた。

 「ふざけやがって…」

 章弘はもともと機嫌が悪かったせいか、イスのひとつを蹴り飛ばした。

 「章弘、落ち着け」

 祐輔が彰弘を宥める。

 「落ち着いてられっか」

 「あの仮面男、こう言っただろ?『当たりか外れを見分ける方法は自分で見つけろ』って。てことは、見分ける方法があるってことじゃないか?」

 祐輔は冷静な口調で言ってきた。

 さっきまでびびってたくせに。

 「じゃどうやって捜すんだよ」

 「それは分からない」

 祐輔は顔を伏せた。

 一体どうすればいいんだ?

 「とりあえず、イスを一つ一つ見ていこう」

 祐輔はそう言い、自分の近くにあったイスを丁寧に確認し始めた。

 章弘もイスを確認しようとすると腰をかがめると、背中に衝撃が走った。

 「祐輔、お前、今コイン何枚持ってる?」

 恐る恐る聞くと、

 「え?63だけど…。それがどうかしたか?顔色も悪いぞ?」

 章弘の身体の中を何かがすり抜けた。そんな感じがした。

 「これ、俺はあと一回外れると、リーチだろ?」

 「ああ。残り1枚になるからな」

 「祐輔は、12回外れるとリーチなんだよな?」

 「5×12で、えーと…60か。うんそうなるな。で、どうしたんだ?」

 「もし当たりと外れの見分け方を見つけだしたとする。そして、二人のうち一人が確実に当たりを引いていったとする。でも、それが成功するのは14ゲーム目までだ。15ゲーム目、俺らのどっちかがコインがなくなる…」

 祐輔の顔色が、みるみるうちに、悪くなっていく。俺も、あんな顔色なのだろうか?

 「ってことは、最終ゲーム…どっちかが死ぬ…?」

 冷や汗が、とどめなく溢れているのが分かった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ