Game 4
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勉強やはげましになるので。
Game 4
「死…?」
祐輔はつぶやく。
『ええそうです。死です。コインがなくなり次第、その方には死んでもらいます』
仮面の男は抑揚のない台詞を言い続ける。
「そういう設定なんだよ、祐輔」
章弘は固まっている祐輔に声をかける。
「だって俺ら普通にこのゲーセン来たしさ、死なんてありえないだろ…。それにほら、俺のコインあと6枚だから2回外れに座るとゲームオーバーだぜ?そんなのあるかよ」
章弘は必死に説得する。
「だ、だよな…?」
祐輔は苦笑し、こちらを見つめる。
『なお、ゲーム中のコインの貸し借りは無効です。発覚した場合、直ちに死んでもらいます』
男の口調は妙に威圧感があった。
『ゲームは全部で15回。但し、先ほど座ったイスにはもう二度と座れません』
15回…。1回の制限時間が5分だから、単純計算で75分…。
「おい、さっき章弘は当たりのイスに座った。もうそのイスには座れないんだろ?」
祐輔がなにやら男と抗議している。
『ええそうです』
「じゃあ、もうこの中に当たりはないじゃないか!」
祐輔は必死になって話している。
なるほど…。確かに祐輔の言うとおりだ。
「おい!仮面野郎!卑怯じゃねぇか!」
章弘も加わる。
『いえ。当たりのイスは毎回シャッフルされます。即ち、毎回どれかのイスが当たりということです』
そういうことか。
「で、当たりと外れはどうやって見分けるんだ?」
祐輔はすかさず男に質問する。
『それは、自分たちで考えてください。ゲームが面白くないので』
何だと…?
「そしたらもう運だけじゃねぇかよ!」
章弘は憤る。
しかしそんなのおかまいなしに、男は話を進める。
『それではこれより、第二ゲームを開始いたします!』
「待ちやがれ!」
章弘が男に怒声を放つ前に、スクリーンの光が消えた。
「ふざけやがって…」
章弘はもともと機嫌が悪かったせいか、イスのひとつを蹴り飛ばした。
「章弘、落ち着け」
祐輔が彰弘を宥める。
「落ち着いてられっか」
「あの仮面男、こう言っただろ?『当たりか外れを見分ける方法は自分で見つけろ』って。てことは、見分ける方法があるってことじゃないか?」
祐輔は冷静な口調で言ってきた。
さっきまでびびってたくせに。
「じゃどうやって捜すんだよ」
「それは分からない」
祐輔は顔を伏せた。
一体どうすればいいんだ?
「とりあえず、イスを一つ一つ見ていこう」
祐輔はそう言い、自分の近くにあったイスを丁寧に確認し始めた。
章弘もイスを確認しようとすると腰をかがめると、背中に衝撃が走った。
「祐輔、お前、今コイン何枚持ってる?」
恐る恐る聞くと、
「え?63だけど…。それがどうかしたか?顔色も悪いぞ?」
章弘の身体の中を何かがすり抜けた。そんな感じがした。
「これ、俺はあと一回外れると、リーチだろ?」
「ああ。残り1枚になるからな」
「祐輔は、12回外れるとリーチなんだよな?」
「5×12で、えーと…60か。うんそうなるな。で、どうしたんだ?」
「もし当たりと外れの見分け方を見つけだしたとする。そして、二人のうち一人が確実に当たりを引いていったとする。でも、それが成功するのは14ゲーム目までだ。15ゲーム目、俺らのどっちかがコインがなくなる…」
祐輔の顔色が、みるみるうちに、悪くなっていく。俺も、あんな顔色なのだろうか?
「ってことは、最終ゲーム…どっちかが死ぬ…?」
冷や汗が、とどめなく溢れているのが分かった。