シンディ30
物語の終わりの先。
長い月日が過ぎました。
「とても幸せでしたわ……」
レオナルドが私の手を包んでいます。
あのときの滲んだ赤い薔薇は、年輪を重ねたシワとシミが咲いています。
「お先に逝きますわね」
視界がぼやけていきます。
「私もすぐに追いつくさ。だから、道中はのんびり逝ってくれよ」
「ふふふ、ええ、大丈夫です。きっときっと……先導がおりましょうから」
「そうだったな。『プロ』が先に逝っていたか」
「レオナルド、ありがとぅ……」
「リゼ?」
今世が終わりました。
終わりの先があるのですわ。
物語というのは終わらぬものですのよ。
「……母上?」
のようなお方……若き日の。
「まあ! リゼではないの」
「まさか……」
「ええ、そのまさかよ」
私と同じ年頃に変貌して……いえ、母上が望んだ姿なのでしょう。生き生きしています。
いえ、すでに逝っていますけど。
「ここで会うということは……」
「ウフフ、私『プロ』になろうと思って、修行中なの。まだ、『ひよっこ』だけどね」
「村人小娘転生予定の『ひよっこ』の方々、集まってください!」
「呼ばれちゃったわ。じゃあね、リゼ。頑張ってね」
「母上も」
手を振ってわかれます。
「次の方!」
私も呼ばれたみたい。
途端、視界がガラッと変わりました。
【神様面接入口】
懐かしい場です。
その扉を開くのは二度めですの。
廃教会の扉を。
その先は知っている景色でしょう。
ステンドグラスを背に誰かが立っています。
「君は、次のシンデレラ候補生だ」
私の新たな物語が始まりました。
完結
ありがとうございました。
2025/8/29 異世界恋愛にジャンル変更。
後半の恋愛公開したため。
*公開休憩タイム入ります*
次回作の構想&文字文字タイムに移行します。次の公開は、お時間いただきます。本年度、三作公開したのでちょっとひと休憩です。




