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君たち本当に面倒くさい!!
「ぶすっー」
口で言う子を初めて見たよ。そしてクラスの空気が重い。
「あの、翼?」
「ぷいっ」
人気者の機嫌が悪いだけで、クラスのムードに影響を及ぼす。原因は地味認定されていた空に、女子達が関心を持ち始めたこと。
元バスケ部、運動神経も地頭も良い。そしてさり気なく行動できる。
彼が優良物件だと周囲が気付き、彼女は焦っているのだ。
「あの翼――」
彼は、進呈したパンケーキ割引チケットを差し出す。よくぞ思い出した!
「一緒に行かない?」
「……空君、スイーツ好きだもんね。仕方ない、付き合ってあげるよ」
翼が嬉しそうに頬を緩ませるのを尻目に。私はため息をついた。
――骨が折れる。
絶妙の匙加減で今日もクラスの空気は保たれた。
Twitterで開催
毎月300字小説企画
第6回テーマ「折」でした。
ということで「骨が折れる」で参加。
友人たちの気苦労に、乾杯を。




