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約束
男の子と女の子の差を感じたんだと思う。僕は、あの日、君との約束をすっぽかした。言い訳をすれば、女の子と二人で出かけるのが、恥ずかしかったんだ。
翌日、また当たり前のようにバカやれる――そう思っていた能天気な僕だった。でも、日が暮れるまで待っていたと、もう一人の幼馴染から聞かされる。僕はあの頃から、本当にバカだった。
今回は僕から誘った。
待つって、こんなにドキドキするのかと、面食らう。あの時、彩音はどんな気持ちで待っていたんだろう? 思えば思うほど、じくくじく胸が痛む。
来る?
来ない?
それでも、待とう。そう思いながら。
「ひかちゃん、ごめん。お待たせ――」
待ち焦がれた声がした。抑えきれなくて、僕は――。
第92回Twitter300字SS
テーマ「来る」で参加しました。
300字で書ききれなかったパートは
待ってもこなかった光。
待ち続けて泣いた彩音。
そんな光にアッパーカットをきめた雪ん子ちゃんでしたw




