晴れた日は山を登ります
山はロマン。誰かがそういっていたような気がする。
こんにちは〜! 聖属性エッセイスト、ひだまりのねこでございます。
突然ですが、貴重な梅雨の晴れ間、皆さまは何をしますか?
私は布団やらなんやら一式全部天日干しですよ。
そんな私の日常です。
気持ちの良い午後、私は朝から干していたお布団たちを抱きしめながら取り込む。お日様の匂いが大好きな私にとって至福の時間。
あ、お日様の匂いがダニの死骸の匂いだという俗説、あれ間違いですからね?
太陽光によって綿などのセルロースが分解されることによって発生するものです。ご安心くださいね。
ちなみに、雨の匂い、あの土っぽい埃っぽい独特の匂い、私の大好きな匂い。あれは『石のエッセンス』という素敵な名前があるのです。気になった方はぜひ調べてみてください。
話が逸れました。
布団やクッション、ぬいぐるみや座布団など、取り込んだ私は、さっそく登山の準備を始める。
取り込んだフワフワなものをすべて、山のように積み上げて、布団をかぶせれば、『マウントFuton』の完成だ。
布団登山、子どもの頃から大好きだった秘かな楽しみ。
高く積みあがった『マウントFuton』は雄大だが、大人の私にとっては残念ながらあまり高くない。果たして私が大きくなったのか、それとも『マウントFuton』が小さくなったのか?
子どもの頃のようにそのまま登るわけにはいかない以上、私は匍匐前進の要領で山の頂を目指す。
だが無情にも、山の神様は私が嫌いなようだ。
『マウントFuton』は私の想いを支えきれず、あっけなく崩壊する。そうだった、山の天気は変わりやすいのだ。
私は聖魔法で山を再生すると、今度は空からの攻略を目指す。
いくぶんロマンは薄れるが、誰も足跡を残していない未踏峰の頂に降り立つことができるのだ。多少は我慢するしかない。
一番高い椅子の上から『マウントFuton』へスカイダイビング。
――――――ぼふんっ!!――――――
ふふふ、楽しい。だが楽しいのは一瞬。山岳地帯は壊滅的なダメージを負ってしまう。
それに致命的な問題に気付く。
むう……高さと強度が足りない。
高さと強度が足りない理由は簡単だ。ズバリ芯がないからだ。
ならば芯を用意するまでのこと。私はこたつ用のテーブルを芯にして、再び山を再生させる。
ふふふふ、高い!! しかも地下洞窟まであるではないか。
私は慎重に山を登り切ると、頂上で少しだけお昼寝をする。そして落下して目が覚める。
次はいよいよ洞窟探検だ。もちろん日中に行う。夜は怖いからな。カーテンを閉めて、懐中電灯を用意する。あとは飲み物とお菓子。
なぜカーテンを閉めるのかって? 万一他人に見られたら死にたくなるからだ。
こたつテーブルの地下に広がる洞窟内部は真っ暗で視界はまったくきかない。幸い蝙蝠はいないようだ。まあ、いたところで、使い魔にするだけだがな。ははは。
懐中電灯の明かりの下で、持ってきたお菓子を食べる。
晴れた日のアドベンチャー。私の至福の時間です。
皆さんも、ぜひ室内登山してみてはいかがでしょうか?