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梨棲み

作者:鯣 肴
それは、得体の知れない、なにか。
何処からともなくやってきて、
人を選び、人に寄生する。

宿主の体内で数を増やし、溢れんばかりになったとき、
器を壊さぬように繭となる。

その繭は、梨の果実を模すという。
実物と異なるのは、その大きさ。
まるで、膝を抱えた人一人を
すっぽり覆ってしまえそうな程の大きさ。
そして、放つ匂い。
ある種の虫媒花が放つ、選択的かつ、特異的な、
対象にとってのみ甘美なる芳香。

魅入られた者は、明らかに異様なそれに対する
警戒心を失うという。
代わりに植え付けられるは好奇心。
食してみたい、という欲望であるという。

そしてそれは、偶然必然を問わず、
繭を破られることによって、次へと移行する。

暴食者としての正体を顕し、
無数の黒点が群れ立つかのように、舞うという。

そして、事を為した後、
それは拡散するように、薄れ、
何処へと消えてゆくのだという。

誰が言ったか。そんな、話があると云う。
第一話 先触れ
2020/07/31 00:45
第二話 芳香臭の回想
2020/07/31 01:27
第三話 梨果擬き
2020/07/31 08:28
第四話 誘引と狂想
2020/07/31 12:58
第五話 必然の欲望
2020/07/31 16:19
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