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不思議の国のQちゃん  作者: 松澤 康廣
1/5

波札がぽろり

 神奈川県寒川市のさむかわ産業祭り。

 ここは人が多すぎる。食事場所には向かない。落ち着ける場所がいい。

 ならばと、私は、かねてから考えていた神奈川県水道記念館に移動。ここの水の広場は、ベンチも多く、食事場所は幾つもある。



 食事場所の一番に考えていた東屋には先客がいた。お母さん、おばあさん、女の子2人の家族だ。

 女の子は広場に設置された装置のようなものの傍にいて、何かをしている。装置から、霧状の水が出ている。


 私は車椅子を押して、そこに近づいた。

 すると、女の子は少し離れた装置へ移った。

 譲ってくれたようだ。


 「レバーを押すと、水が噴射され、虹が見えます」

 装置にはそう書かれていた。


 「Qちゃん、ここ押してみて。虹が見えるよ」と私。


 私が先ず見本を見せる。虹がはっきり見える。

 「きれいだねえ。凄い、凄い」とQちゃん。

 「では、交代ね」と私。


 Qちゃん、なかなか押せない。Qちゃんには硬くて、結構大変なのだ。


 レバーの上のQちゃんの手に私の手を重ねて押す。噴射成功。


 そこでQちゃんは考えた。

 体重をいっぱい手にかけて押した。

 すると、見事に水が出た。


 「Qちゃん、凄い、虹だよ」と」私。


 だが、急に水が止まった。

 虹を見るとき、顔が上がって体重がかけられないのかレバーが戻ったのだ。 当然、虹も消える。


 Qちゃんは、諦めず、また力いっぱいレバーを押す。

 水が出る。虹が出る。Qちゃんが見る。水が止まる。

 Qちゃんはまたも見ることができない。


 Qちゃんは必死だ。


 もう1回。また1回。



 ……私はしてはいけないことをしたのだ。

 Qちゃんの負けん気の凄さを私は思い知らされる。


 私は悲しい気持ちでQちゃんの手を押す。



 もう いいよ  Qちゃん  ごめんなさい。




 涙がぽろり。 


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