Md08:ココロの力は、ときに全てを越えて相手に届く
このシーンで、リプレイを書くことを決めました。
長めの尋問シーンをほぼノーカットにしたのも、このシーンをきちんと伝えるためです。
お楽しみに。
[会議室 / 広瀬賢・赤城玲奈 & ユメコ・リツカ・あやめ・エリル・カナ]
ユメコ:
「ちょうどいいわね。あたしもそう思ってたところよ」
というわけで、裏で相談したとおり、広瀬さんを連れて会議室側に登場するわ。
カナ:
「! ユメコ教官!」
GM/広瀬賢:
「え? ちょっと赤城さん、どうしたんです!?」
赤城の様子を見て心配しだす。
ユメコ:
「赤城さん、ちゃんと答えて。あなたが何を思い続けて、何をしようとしてたのか。」
GM/赤城玲奈:
「賢……? わぁ……賢だぁ……」
赤城先生は、もはや聞いていない様子で言っていますね。
ユメコ:
「答えなさいよ!」
大声で怒鳴る。
エリル:
「きょ、教官!?」
あやめ:
「ユメコさん、落ち着いて下さい」
必死でユメコを抑えますわ。
GM/赤城玲奈:
「………賢がいないと、お薬が増えるの……頭が、あたまが、グルグルグルグルするのぉ……」
リツカ:
「ああ、薬を飲むのは嫌だよね、それはわかる」
よしよし、と頭を撫でる。
GM/赤城玲奈:
「だからね……だからね……賢と一緒に居るために頑張った……頑張ったんだよ……それで今の病院に来て……フォーチュンの検診に来たの……」
おとなしくなでられる。
ユメコ:
「過去のことなんて、ほんとは聞きたくもないわ! あんたとの差が見えるだけだもの! あんたが、ここ最近何をしたか、そっちよ!」
GM/広瀬賢:
「赤城さん……? 花都さんも落ち着いて」
カナ:
「教官! やめてください!」
GM/赤城玲奈:
「でもね……でもね……最近、賢がね……ドロボウにとられたの……」
ギロリ、とユメコをにらむ。ギリギリと聞こえる音が、先ほどより大きくなる。
リツカ:
「取られたくないよね。そうだろうさ、自分にとって大切な、あの人だから」
ユメコと赤城さんの間に立ちふさがり、慰めるように彼女を抱きしめて、背中を軽く叩く。
ユメコ:
「わかるように話せないの!? あんたもいい年でしょ? 強化人間で女医なんだから頭もいいでしょ?」
「そのくせ、急に幼いフリなんて、か弱いフリなんてするなっ!」
あやめ:
「……スミマセン、教官」
不意打ちで、ユメコさんの平手打ちをしますわ。
エリル:
! それは、代わりに受けるよ。
とっさにユメコ教官をかばうように動いて、代わりにひっぱたかれる。
あやめ:
「!? え、エリルさん!?」
エリル:
「……いたいのは、だめ、なのですよ」
ユメコ:
「……! あやめ、エリルちゃん、ごめん」
「冷静さが、なかったわけではないの。揺すらないと情報が出ないって思ったのは、事実よ」
ひややかな目で赤城さんを見るわ。実際、脅す役とあやす役がいたほうが、尋問は進むでしょ。
リツカ:
その通りだね。だから、僕は赤城さんに話し続けるよ。
「……それで、取られたくないから、誰かにお願いしちゃったの?」
GM/赤城玲奈:
「でね……最近あんまり一緒に居られなくなってね……おくすり、ふえたんだ……」
「でもね…あむりた、おくすりくれなくなったの……おかねはらってもくれないの……」
リツカ:
「どうして?赤城さん、悪いことしちゃったの?」
GM/赤城玲奈:
「なんにもしてない……でもね、ふぉーちゅんの、おしごとのないよう、はなしたらくれるっていったの……」
あやめ:
生命維持の薬をエサに、スパイ行為を要求したわけですか……。
カナ:
……このやり口、私が一番むかつくやつだ……! アムリタ、覚悟しとけよ……!
リツカ:
「なるほどなるほど。ちなみに薬はいま、持っているの?」
GM/赤城玲奈:
「もらってない……ちゃんとおしごとできてないっていわれた……」
「ちゃんと、ですてにーへのおにもつ、わたせなかったからだって……」
「でもでも!! これやれば、ケン、わたしのとこにもどってくるって!!」
「もどって……くるって……」
ユメコ:
「っっっっっ!」
今のは、素で腹が立ったわ。手が震える。
リツカ:
「そっか……」
と息を吐く。
「だれか、鎮静剤とかあります?」
あやめ:
「一応、私のものがいくつか。 効くかどうかは保証できませんが」
リツカ:
「ダメもとでも、彼女に飲ませるほうがいいでしょう。このままじゃ危ない」
GM/広瀬賢:
「赤城さんは……あの時の…」
記憶を掘り起こすようにつぶやく。
GM/赤城玲奈:
その広瀬のつぶやきを聞いて、赤城さんがガバリ、と顔をあげて。
「そう! 思い出してくれた!? やっと思い出してくれた!!」
と立ち上がる。
ユメコ:
「拘束して」
ほかの人に言いつつ、広瀬さんと赤城さんの間に立って警戒するわ。
あやめ:
では、私が赤城さんを抑えましょう。
エリル、カナ:
同じく。
GM/赤城玲奈:
しかし、赤城さんは驚異的な力で、3人を引きずりながら広瀬さんに向かって歩きます。
「そうだよ! あたしだよ!! あの時一緒に居た、三週間と三日!! 一瞬だって!! コンマ数秒だって!!」
リツカ:
GM、あやめさんから受け取った薬、口移しで無理やり飲ませたりできないかな?
GM:
いえ、リツカはこの状況でも赤城さんに警戒されています。頭を跳ねのけて抵抗されますね。
あやめ:
「クソッ……!なんて馬鹿力してるんですか……!?」
エリル:
「これ、リミッターが外れちゃってます……!」
GM/赤城玲奈:
「ソイツが!! ソイツのせいでぇ!!!」
とユメコを睨みつけてますね。
あやめ:
「教官! 広瀬さんを安全な所へ!」
ユメコ:
「わかった」
銃を取り出して赤城さんに向けつつ、背中で広瀬さんを出口に押す。
GM/赤城玲奈:
「わたしといっしょにいて!! わたしと!! いてくれるって!! まもってあげるんだ!!」
ユメコ:
「じゃあ言わせてもらうけどね! なんでそれを言わないの!」
GM/赤城玲奈:
「っ、うっ、うああ」
ユメコ:
「広瀬さんはね、知らなかったわ! 再会したとき、あんただって気づかなかった! わかってたんでしょ、あんだだって!」
GM/赤城玲奈:
「うるさい、うるさいうるさい」
ユメコ:
「『久しぶりだね、会えてうれしい』の一言で、あたしなんて詰んでるわよ! とっくにね!」
GM/赤城玲奈:
「うぅぅううあああぁぁぁあああああ!!!!」
赤城さんは抑え込んでいた全員を跳ね飛ばし、広瀬さんのほうに向かいます。
あやめ:
ええ!? 格闘して、押さえられませんか!?
エリル:
判定とかは!?
GM:
だめです(きっぱり)
ユメコ:
発砲するわ。当たるよう、胴体を狙って。
GM/赤城玲奈:
引き金を引くタイミングが予めわかっていたかのように、避けられました。そして、ユメコを飛び越えると広瀬さんを抱え上げ、窓を割って飛び出していきます。
カナ:
それは、呆然として棒立ちになっちゃうかな……。
でも、許せない……! 赤城さんをあんな目に合わせた奴は、絶対許さない! TRPGでここまでやる気出たの初めてかもしれない……!
ユメコ:
割れた窓から銃を構えて、狙うんだけど……広瀬さんの背が映って、引き金を引けない。
リツカ:
「ん…悪いねチトセさん、逃げちまった」
あやめ:
「申し訳ありません」
GM/チトセ:
「うんにゃ~、仕方ないよ、あれは。たぶん、軍事用の戦闘歩兵がつけてる義肢だね」
エリル:
「うぅー、軍事用ですかー」
アタシは同じく義体だけど、恐らくベースは民生用。
リツカ:
「なるほどなるほど……って、次どうする?」
ユメコ:
「ガーディアンに乗って追いましょう。生身じゃ止められないし。彼女の意志に関わらず、都合よく回収できるよう整えてるはずよ……アムリタの奴らがね」
あやめ:
「でしょうね。でなければ、彼女にスパイ役を任せるはずも、尋問を許すはずもありません」
リツカ:
「まぁそうだと思ったよ。じゃ、早速本業開始しようか」
ニシシと笑う。
ユメコ:
「なぜ笑うの、リツカちゃん?」
リツカ:
「えっ?」
ちょっと不思議そうに首をかしげる。
「これから止めにいくのが僕たちの仕事だから? 僕、正義の味方なんで。ならば、喜んでいくとも」
エリル:
さてはリツカさん、この状況に怒りも焦りも覚えてないですね?
リツカ:
うん。『ああ、ぼくの出番だ』と淡々と思ってるよ。
GM:
これが、赤城さんが一番リツカを気にしていた、危険視していた理由だ。
ユメコ:
一瞬、リツカさんを気味悪そうに見てから、「急ぐわよ、みんな」といって、走り始めるわ。
カナ:
「はい!」
エリル:
「了解です!!」
GM:
では、長くなったけれど、これでシーンエンド。