Md07:過去と想い出こそ、今生きるすべて(後)
[会議室 / 赤城玲奈 & リツカ・あやめ・エリル・カナ]
GM/赤城玲奈:
「悪なんていない……いないんだよ……悪くない……わるくない……」
うわごとのように、彼女はブツブツブツブツと言い続けます。
エリル:
「……もう、やめませんか? 赤城先生が辛そうです……」
しょんぼり。
カナ:
「……賛成。いちど、落ち着こうよ」
あやめ:
「仕方ないですわね」
とはいえ、どうしましょうか……。
「そういえば赤城さん。確か襲撃が来る前、私がユメコ教官と広瀬さんのデートの事について話した時、ずいぶんと慌ててらっしゃいましたね?」
GM/赤城玲奈:
ユラリと顔を挙げて睨みつけてきますね、鬼気迫る感じです。真意判定どうぞ。
あやめ:
(ころころ)私の達成値17が、一番高そうですわ。
GM/赤城玲奈:
では、彼女の目が、ひどく広瀬さんに執着した、ネッチョリとした目であると感じました。
あやめ:
「広瀬さんは、今の病院に配属されるまでは、あなたと面識が一切なかった。それなのに、あなたはあの人をひどく意識しているご様子です」
「もしよろしければ、その理由を話してもらってもよろしいでしょうか? イヤなら、話さないでもらっても構いません」
リツカ:
「うーん、なんでだろうね。広瀬さんが記憶を失っているから、とかかな?」
エリル:
「……ええと、今ユメコさんから連絡が。小さい頃に、広瀬先生のおじいさんが誰かを引き取った、っていうのは覚えてた、そうです」
リツカ:
「んじゃ、ほぼ確定だね。それ以来、ずっと広瀬さんのことを想うようになったじゃないかな。そうだろう、赤城先生?」
GM/赤城玲奈:
「ううぅぅぅ……賢がいないと……賢がいないと頭がグルグルグルグル……回るんだ……でもでも……」
リツカ:
「そして、離れた後も想いは色褪せることなく発酵し、膨張していった……あなたは彼の、正確にいうと彼が傍にいてくれるために、何もして構わないと」
「いやはや、愛、愛、か。全く凄まじいものだね、僕は割と感動的な話と思うよ」
GM/赤城玲奈:
「子供のころ賢にあった……あの時……初めて……頭が晴れたんだ……」
ユメコ:
義理の親戚で強化人間で女医で先輩で養ってくれる童顔のスタイルよし。
加えて、幼いころ出会ったが忘れてしまった、けど自分の人生を決めた、想い出の中の少女。
へぇ。そうかぁ……そうなのかぁ……。
エリル:
だ、か、ら、もう!!
あやめ:
落ち着いて下さいまし……。
リツカ:
「じゃあさぁ。もしかしてと思うけど、社長さんから『これが終わったら広瀬賢がずっと君の傍にいてくれる』って言われたこと、あったりする?」
GM/赤城玲奈:
「それからはとてもとても……幸せだったんだ……オトーサンがいて……賢がいて……」
リツカの問いには答えず、賢、賢とつぶやき続けますね。
カナ:
「あやめ教官……ひとついいですか?」
「いちど、広瀬さんと一緒にさせてあげませんか? 先生ずっと…辛そうです」
ユメコ:
会議室の入り口から、声を上げるわ。
「ちょうどいいわね。あたしもそう思ってたところよ」
[つづく]