何をもってチートなのか
『小説家になろう』に投稿されている小説では、よくチート主人公やチート能力というものが出てきます。チートの意味は「ずる」というものだそうですが、大抵の場合、主人公というものはなろう、ラノベ、漫画に関わらず、特殊かつ強力な力を持っているものだと思います。時には「絶対勝てないだろこいつ」って言いたくなるような力があったりしますよね。
だって主人公ですもの。モブと同じじゃ面白くないです。でもそういう最強系主人公がみんなチートと呼ばれているわけではない。ならその違いって何やねん?
という考えの元、ここでは、私の独断と偏見にまみれた考えで、一方的に「チートってのはなぁ! こういうもんだぁぁよぉぉぉ!!」という考えを吐き散らかしていきたいと思います。礼<(_ _)>
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なろう、ラノベ、漫画の全てをさらっていくと大変なので、ひとまずなろうにありがちなものを上げていきたいと思います。
なろうと言えば、チート。そしてチートと言えば異世界転生(転移)という非常に偏った考えを私は持っています。でもあながち間違っていないんじゃないかなぁーって思います。そこで異世界転生と異世界転移に伴うチートのあれこれを上げていきたいと思います。どっちもチートだなんだと言われてますし。
前提となる話ですが、異世界転生とは「前世で死んだ後、記憶を持ったまま異世界に生まれ変わる」こととします。異世界転移は「前世の生死問わず、記憶と肉体を保ったまま異世界に召喚ないし漂流される」こととします。細かなパターンはまだありますし、異論は認めます。
それで異世界転生と異世界転移した主人公たちが、いろいろな冒険を広げるわけですね。夢が広がります。
ここで大事なのがチート能力。異世界に渡る時に主人公は神様その他もろもろから特別な力をもらいます。ケンカもあんまりない日本から、物騒な異世界に行くわけですからね。戦うための力も必要になりますわ。
で、戦うための力をもらうのはいいんですが、それが過剰すぎると読者は「チートやんけ!」と思うことになります。主人公がチート能力で盗賊倒して女の子から惚れられればなおのことですね。チーレム爆発しろ。
チートで敵をばったばったとなぎ倒し、女の子は簡単に惚れてしまう。好きな方も多いとは思うのですが、読んでいてイライラする人も多いのではないでしょうか。
私自身、露骨なチートにはイライラします。というか、最初は面白く読めても、途中で読むのをやめてしまいます。はい! ここ大事なところ。テストに出ません。皆さんに質問です。どうして私は読むのをやめてしまったんでしょうか!
知るかよんなもん自分で考えろやこの樹木野郎(筆者の名前がクスノキ) と思う方も多数いると思うので、ぶっちゃけます。理由は三つあります。
①チート能力が強すぎる
②チート能力を中心にご都合主義が通っている
③才能や努力なしに獲得している
そしてチート能力がチートたる所以ってこれじゃねって私は思っちゃいますね。思っちゃってますね。
まず①チート能力が強すぎる チート主人公は敗北ってやつを知りません。どんな強大な敵でも手にしたチート能力で一蹴し、時に相手に説教する。そこに爽快感を得る人がいるのでしょうが、同時に不快感を得る人もいるのかもしれません。例えば今この文章を書いている作者とかですね。
次に②チート能力を中心にご都合主義が通っている これは何というべきか、チート能力の隠された能力ってやつでしょうか。主人公がピンチになったら新たな力が解放される。実はまだ隠していた力があった。だって主人公はチートだから!
②についてはチートというよりもストーリー上の都合な気もしなくないですが。ご都合主義はちょっとなら必要ですけど、多すぎると「あぁ」って思っちゃいます。
最後に③才能や努力なしに獲得している これってチート能力を語る上で特に大事な部分だと思いますな。何せチートのもともとの意味って「ずる」ですからね。神様からもらったなんて、まさしく「ずる」でしょう?
ちなみに私個人の考えとしては才能はチートじゃないです。然るべき理由があって、持つべき者が持つべき物を持つってのは筋が通ると思うので。それに天才は、天才なりの苦労や努力もあると思いますし。
そういう風に考えると、異世界転移の主人公はばりっばりのチートで、異世界転生は案外そうでもないって気がします。転生の場合だと、才能×努力=チートみたいな式が成り立ってるので。敗北も多い気がしますし。
というわけで、私の「チートってのはなぁ! こういうもんだぁぁよぉぉぉ!!」は
①チート能力が強すぎる
②チート能力を中心にご都合主義が通っている
③才能や努力なしに獲得している
に当てはまるものだとここに宣言します!
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~余談~ 興味がない人は飛ばしてください。 ~余談~
先ほどチートはこんなもん宣言をしたんですが、私も実は書いてます。チート主人公。でもあんまり上三つの条件に当てはまらないなぁと、書きながら思いました。うちの子のスペック表、下に乗っけときますね。
〇トラック事故で死亡し、女神様が異世界に転移させてくれる
〇転移後は冒険者になり、テンプレ行事を着々とこなしてわずか数か月で冒険者の中で上から三番目、実質上の最高位に近い金級冒険者になる
〇しかし自分の周囲に男しかいない境遇に嫌気がさし、国立の学校に入校。そこで度重なる敗北を味わうこととなる
〇身体能力は世界最高クラス
〇精霊術(魔法的なもの)はなんでも使える才能がある 何でも使えるわけではない
〇世界に存在する十四種の魔剣(すんごい力を秘めた剣)を全部使える 一般ピーポーは一つ、二つしか適性がない
〇通常見えない精霊を見る、直接操作する魔眼を持っている
〇龍剣という、本人にしか使えない剣がある。能力はどんなものでも焼き尽くせる「白炎」、刃が見えなくなり、さらに分裂する「幻影剣」、一瞬だけ超高速で動ける「加速」ともう一つあります(作中現段階で能力不明のため割愛)
小説のコンセプトが、「調子にのった異世界人を叩きのめして指導しよう」って内容なので、夢いっぱいのキャラクターです。いつかきっと立派なチーレム主人公になってくれることでしょう。
でもこの子。私の上げた定義の内、③しか当てはまらないんですよね。負けまくりだし、初期で本人の都合の悪い展開に陥っているし。③だって、作中で結構努力しているから無くなりそうという。
はい。
いやいやほんとに、
何をもってチートなのか。
私はこう思うのですけれど、皆さんはどう思いますか?感想というか、意見お待ちしております。皆さんのチートの定義を教えてください。
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