表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/78

ナナ

そしてようやく冒険者ギルドらしき…というより冒険者ギルドが見えてくる、それは明らかに周囲の建物とは違い大きく広大な敷地を持っていた、灰色の石の積まれた壁で囲まれたそこは小学校のグラウンド4つほど面積はあるだろうか、いくつも建物が建っていてその中でも中央にそびえる建物の入り口に「ギルド」と大きく書かれている

文字は明らかに知らないもののはずなのに不思議と読む事ができた、これも始めにマスターから受けた適応の一環だろうか?

予想以上の大きさに思わずぼーっとした俺を急かすようにイグシが声をかける


「おい、さっさと登録済ましちまうぞ、やる事はたくさんあるんだからな」

「あ、すいません」


慌てて駆け足でその後を追いギルドへと入る、中に入ると騒々しいほどの活気が…ない、中は広さの割には閑散としていて6つの正面の受付のうち2つしか人が立っていない

そして中にいる冒険者らしき人達はそれぞれパーティーと思わしき集団ごとに固まって何やら話し合っている


「あれ、意外と静かなんですね?」

「あぁ、今は昼だからな。ここは依頼の受注と報告が主な機能だから今の時間は空いてるんだよ、朝と夕方はかなり賑わしいぞ」


俺の疑問に答えながらイグシは正面の受付の一人の所へ向かい気さくそうに手を挙げて呼びかける、向こうも知り合いらしく小さく手を振ってくる、可愛い


「おーい、一人冒険者希望なんだが手続き頼めるか?」

「おかえりなさいイグシさん、もちろん構いませんよ。今登録用紙を出しますね」


そう言い受付台の下辺りから一枚の用紙とインク壺、羽ペンを取り出す。受付の前に立ちそれを見ると名前、性別、年齢、出身地、パーティーの5つの項目が書かれていた


「出身地、年齢は分からなければ空白でも結構です、パーティーは未加入なら空白のままにしてください」

「わかりました」


返事をしてペンを取り名前を書こうとする、がこちらの世界の文字を書く事が出来ない事を思い出す。どうしようかと悩んでいるとイグシが横から小さめの声で話しかけてきた


「別に自分のわかる文字で大丈夫だぞ、それと出身地は空白の方が色々楽だ」


そう言われやや訝しく思いながらも書くことにする、どちらにしろ書けないものは書けないんだから仕方ない、代筆を頼めるのかもしれないがこっちの世界の人が大丈夫というのだから大丈夫なのだろう

そして書き終えた用紙を受付の人渡すとそれを受け取り金属製らしきスタンプのようなものを取り出す、朱肉の部分は緑色にぼんやりと光っている事から何らかの魔道具なのだろう、それを用紙の中央にガンッ、と重たそうな音を響かせて押すとそこを中心にして周囲の用紙が焼けるようにして消えていく。そして中心のスタンプだけが残り徐々に白くなっていったかと思うと先ほど記入した情報の書かれたプラスチックのようなカードがその場に残る


ーーー

名前/シュウ

性別/男

年齢/17

出身地

ギルドランク/F

パーティー

ーーー


「これがシュウさんのギルドカードとなります、これを見せればギルドの施設は大体使用可能になるので是非活用してくださいね。その他にも依頼を受ける際や報告の際などギルドカードの提示が義務付けられてる場面もあります。もし紛失した場合は銅貨20枚で再発行可能ですよ

それでギルドランクについての説明ですが、これはギルドで行った実績や本人の実力などにより上げられます。階級はSS、S、A、B、C、D、E、Fからなっています、よく勘違いする方もいますがこれは高ければ必ずしも戦闘能力が高いというわけでもなく街の発展に貢献した人や商業的に大きく成功を収めた人、画期的な道具や理論を作り出した人など様々な分野においてランクの上昇はします、そうは言ってもそれぞれ自身の分野に合わせた建物以外には滅多に行かないのでここにいる方で高ランクの方は大抵戦闘能力が高いんですけどね。血気盛んな人ばかりですので常識を持ち合わせてると言っても売りことばに買いことばで喧嘩、なんてことには気をつけてくださいね」

「はい、ありがとうございます」


長々と説明してもらいお礼を言うとすぐにイグシが歩き出した


「それじゃあいくぞ、まずは魔術訓練場だ」

「はい!」


魔術、その言葉に思わずテンションが上がる。そしてイグシの後をついていくと割とすぐについた、そこはひらけた場所で体育館ぐらいの広さだろうか、意外と賑わっていて炎を石柱に撃つ人、氷の刃を無数に作り射出する人、雷をバチバチさせてる人、様々な人が魔法を練習していた。その風景に心躍らせていると再びイグシから声がかかる


「こっちだこっち、付いて来い」


どうにもこの世界に来てから色んなものに見とれてばかりな気がする、そう思いながらイグシの方を向くとイグシは訓練場からやや離れた場所の地面にある石製の蓋のようなものを開けていた、明らかに重そうなそれを軽々と開けていてその先には訓練場の真下の方向に伸びる階段があった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ