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「すまんな、こっちに来たばかりの事を忘れてた。こっちの人の感覚で歩いていた」


俺たちは低木の木陰で休憩を取っていた、俺は低木に寄りかかりながらイグシから冷えた水を貰い喉を潤すと一つため息を吐いた


「はぁ…どうもすいません、運動はあまり得意ではなくて」


「なに、気にするなって!そりゃあ向こうのやつは全員レベル1だからな、差はあるに決まってるさ!」


「…こっちの人ってどのぐらいレベルがあるんですか?」


イグシの言葉に急速に体温が下がる感覚がする


「そうだなぁ、一般農民や商人を基準にすれば子供でも2から3程度、大人なら10あれば立派といったところだな」


「……それで1レベル上がればどの程度ステータスは伸びるんですか?」


「そうだなぁ…全ての効力地に関することを平均的に経験したとすれば2から4ってところだな、一つのことをひたすら訓練すれば20以上上がることもあるな」


つ、つまり今の俺は……

「世界…最弱…?」


ボソリと口から言葉がこぼれる、しかし思い返せばこれは割とよくある展開ではないか?初期値は大抵最弱か最強から始まるのはテンプレだ、だがチートクラスの能力を持っている、敵の能力を奪うなどにより最強になるのがテンプレだ。


「そういえばお前はあのマスターからどんなギフトを貰ったんだ?時間の逆行か?強力なステータス補正か?伝説級の装備…には見えないが」


「ギフト…?この服ぐらいしか貰ってないですけど……」


「…あ?鑑定してもほとんどなにも……お前ギフトを断ったんじゃないか?」


「いや、そんな事は………ん?鑑定?」


「あぁ、マスターを通じてこっちに来る奴は全員持ってるぞ?お前のステータスにもあるだろう、聞いてないのか?」


そう言われマスターとの会話を思いかえす、しかし記憶には鑑定なんて言葉は一向に残ってなくギフトに関しても……あ、もしかして…

「転生の…権利…?」


「……断ったんだな、これまでお前のような境遇のやつに3人ほど担当したがそのうちの1人は竜人だったからな。しかし鑑定、そしてアイテムボックスに関しては全員貰えてたはずだぞ?使おうと思えば使えるはずだ、試しにこれを鑑定しようとしてみな」


そう言いながらどこか見覚えのあるマントを見せる、とりあえずは考える前に使う事だ。そう思いマントを見ると半透明の画面のようなものが現れる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名称:マスターのマント

説明:マスター特製のマント、あらゆる環境に対応することが可能になる


効果:温熱環境適応EX 冷感環境適応EX

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の装備するマントと同じものだった、これはそんなに優秀な装備だったのか…後で他のも調べよう


「なるほど…こうやって使うんですか、そしてアイテムボックスも同じですかね?」


「あぁ、思えばストレージ画面のようなものが出るはずだ、まるでゲームのようにな」


イグシがわずかに苦々しく表情を歪めて言うがその返事を待たずして目の前に黒い長方形の枠が縦にいくつも並んだ半透明の画面のようなものが現れる、触れて見ると下にスライドできるがなんの代わり映えもしない。試しに地面の石を拾ってみてストレージに押し付けてみるとストレージ内に「小石」の文字が表示される


「なるほど、これは便利ですね。」


「だろ?これをくれた事には感謝してもいいな。とりあえず休憩は終わりでいいよな?さっさと街に行くか!」


「はぁ…わかりました」


再び軽くため息を吐いて立ち上がる、レベル1のままでどうしようも無い、どうにかしてレベルを上げる必要がある、そう考えた時ふと疑問が浮かび上がってきた


「そういえばなんでここの人はレベルが上がるんですか?というより向こうの人がどうしてレベルが上がらないんですか?」


「ん?さぁな、その辺は俺もよく知らんがそういうもんなんだろ、魔力の濃さとか関係あるんじゃないか?」


随分適当な答えが返って来る、気を使っているのか足並みはややのんびりとしたものになっている。しかしこの速さで日が暮れる前に街に着けるのか?そんな事を思っているとイグシから声がかけられる


「そういえばお前はどんな武器を使いたいとかあるのか?向こうの世界にいたからにはそういう小説なんかは少なからず読んだことあるだろ?」


「あぁ、それはもちろんありますよ。できれば魔法を使ってみたいと考えてますけど一番安全で素早く成長できる方法ってなんですか?それとスキルはどんな風に覚えれるんですかね?」


そう、安全かつ効率的なのが一番だ、死の淵から蘇るたび強くなる宇宙人なんかじゃないんだから無駄に命など張ってられない


「ふむ、魔法だな!任せろ!それで質問の答えだが…ぶっちゃけわからん!ほとんど同じ効果の癖に別名というスキルは多々確認されているしそれを得た時も人によって様々だ、ただ経験を積む事によりスキルが得られるのは確かだな、死にかけまくったやつが超再生のスキルを得たなんてこともあったからな」


今このおっさんは俺の心でも読んだのか、鑑定してもそんなスキルがあるようには見えなかったぞ


「しかしこの速さだと日暮れまでに街に着くか微妙だなぁ…よし!ちょっとこっちに寄りな!」


そう言い腕をまくり歯を見せて快活な笑みを見せてくる、非常に嫌な予感しかしない

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