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恋と妄想は似た者同士  作者: スピリンタス五世
1/1

1.告白する覚悟

「ずっと桜田さんのことが好きでした。・・・・・付き合って下さい!!」

「はい!私でよかったら喜んで」

「上条?・・・・おい!お前また授業中寝てるのか」

「先生ここはどこですかね」

「学校だ!」

「先生えー?」

「学校ってオイシイノ?」

「後で、職員室に来なさい」

「了解です」


上条優、神奈川県横浜市の名門条大大学付属学校に通う高校2年生である。髪は男なのにロングで肌は白く、光に当たると、どことなく新鮮なものに感じてしまう。女かよ‼︎

授業中寝てはいるが、成績はクラストップで運動も人並みにできる。ただ問題があるとするなら、この子は天然で何を考えているのかわからないところがある、いや8割型がそんな感じである。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


学校の帰り道。

いつもはまっすぐ続く長い道筋が優鬱に感じるが、帰り道になると一段と早く歩を進める。


「優ーー今日なんの夢みてた?」

「はーい今日はなんか、・・・・・お姫様てきな」

「王子様?」


「ごめん間違えた。えっとね、好きな女子に告白したら、オッケーもらって、喜びに溢れた瞬間、あのバカに怒られた。」

「あーあいつな」


あのバカとは、古典の西野貴文先生で、5時間目の古典の時間に寝ていた優を叱り、職員室に来いと行った張本人であり、そこから1時間の説教を受け、今こうしていつもより日が落ちた時間に帰っているのである。そうして、今隣で話しているのは上条優の親友であり、小学校からの幼馴染である。家が近所で、いつも一緒に遊んでいる。


名前は上村秀一、容姿は普通よりやや高く、面倒好き。人付き合いが良い。一方上条は、人付き合いが下手で、容姿は普通よりやや下、天然ボケである。


「ところで、その夢の中で出てきたっていう女の子って誰?」

「誰だと思う?・・ねぇねぇ」

「、、、、、、、、。」

「教えて欲しいんだろう!お願いしますと一言言えば、あ!」

「お前の大好きな一口チョコレートだ。これやるから、普通に教えろ。」


秀一は毎度のことで、いつもこういう自分の知りたいことを焦らして遊ぶ癖がある優がとてもめんどくさく、ひどいときは1時間は焦らす、無視をするふりをするとストーカーのようにやってくる癖がある。なので、一口チョコレートを取引材料に使い、自分のメンタルを保護しつつ知りたいことを聞いている。本当に大変だな、秀一。


「秀一さー、今回はチョコ2つな」

「わかったよ!、、はいよ。ーーーで誰?」

「桜田まりなターーーン」

「桜田?」

「お前知らないのか!・・・A組のアイドルの。」

「あーーーーうん。話したことあるの?

「あるわけねーよ」

「ねーのかよ」


上条の夢の中で出てきた桜田まりなとは、A組のクラスで芸能人並みに可愛く、気品があって頭がいい。中学のときはバスケをしていたが、足を怪我して辞めたそうだ。週に1、2回告白されるらしい。ちなみに全員玉砕である。


「俺さーーー告って見ようと思うんだ」

「やめろ!本当にやめとけ」

「何でだ。まさかお前も狙ってるのか?」

「な訳ねーだろ...てか、告る前に話せ!いいな、先走るところはお前の悪いところだ。」

「えーなんで?そんな回りくどいことしたくないんだけど。」

「中学2年春、隣の席の女の子に消しゴムを拾ってもらい好きになり、告白し玉砕。」

「ぐは⁉︎!」

「中学3年夏、同じ塾の夏期講習で胸の膨らみが他の女の子よりあるという理由で好きになり、告白し、セクハラだと思われた。」

「や、…めろー!」

「中学卒業式の日、あ⁉︎・・・」

「もう俺の中学の闇公開しないでください。」

「おう、!なんか悪い。つい楽しくなっちゃて、すまん」

秀一が優の中学時代の黒歴史を公開され、焦って秀一の足に軽く蹴りを入れたのである。


「で俺がお前に言いたいこと。いつもお前は勝手な理由で好きになり、そこまで仲良くないのに告白するところがあるだろう。まずは仲良くなろうとしないのか?」

「俺もそう思ったんだけど、彼女のブログに下心で近づくより普通に告白してくれた方が嬉しいと。」

「あ!お前って奴は」

「だから俺はやるんだ、、、桜田まりなに告白すると!」

「俺は何も言わねー。告白してこい!お前ならやれると信じる。もし、フラれたとしても、それは相手がお前の域に達してないということだ。」

「ありがとう、秀一俺はやるぞ。」

秀一は内心気づいていた。桜田は下心で近づいてくる奴がめんどくさくて、だったら普通にささっと告白させて、ふってやろうという考えのことに。秀一は優がフラれた時のために、一口チョコレートを沢山買っておこうと心に誓ったのである。









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