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5/11

キャラは小道具が使える

■小道具を中心にキャラを表現します



◆5.1

 テレビの画面が切り替わる。

 コメディ番組を探してコリンナはリモコンを連打した。料理番組ばかりで、めぼしい番組が見つからない。ソファーの上は退屈だった。


「あんた宿題はやったのー?」


 台所で夕食を作っているコリンナの母が、娘に声をかけた。卵の焼ける匂いがリビングまで行き渡る。


「んえぇ?」


 コリンナの頭の中は面白い番組を探す事でいっぱいだった。母に何を聞かれたのか全然分かっていない。


「宿題はー?」

「ママ、今日何曜日だっけ」

「明日学校あるでしょー」


 母が大声で答えると、ソファーに座ったコリンナが頬を膨らませた。学校の話をしてるんじゃない。番組表が知りたいのである。宿題はまだ手を付けていない。


「何曜日?」

「ご飯食べたら宿題するのよー」


 そんなのは後でするに決まっている。

 コリンナは口を尖らせ、母に向けてリモコンを連打するのだった。



娯楽系の小道具のテレビとソファーはコリンナが使ってます

対してママのいる台所は仕事系

コリンナはだらけて、ママが家事をする対比を作りました


メインはリモコン

コリンナが機嫌を損ねている心情をリモコンで表現しました

セリフでもできる表現を小道具にしたのがミソ






◆5.2

 ジムの木刀が、庭園の空気を裂いた。

 八相の構えから捻るような横なぎ。

 涼しい顔をして、マスターが半歩退き一閃を躱す。


「ジムよ、一つ言わせて欲しい」


 野太い声で、マスターが木刀をジムに向けた。


「俺は全力を出してる。どの辺に文句があるのか分からない」


 再び八相に構える。ジムの呼吸は明らかに乱れていた。額を伝う汗に早朝の光が映る。

 マスターは庭園の土に添えるようにして悠然と立っていた。


「そう、それだ。ぎこちない」

「力は込めてる」

「粗いさの話をしている。量は明快だ。それ故に目が曇る」


 ジムは堪えるように唇を噛んだ。木刀を握り締める音がした。


「……鍛錬は怠ってない。マスターなら、それくらい分かるはずだ」

「そうだな。よく知っている」


 次の動作でマスターが切り込んでくるのは間違いない。

 だというのに、ジムはその一閃を黙って見送っていた。

 師匠(マスター)の八相の構えは、庭園の石が漠然とあるように自然。

 足捌きは軽やかに、踏み込みは地面が抉れるほどに。

 気づけば衝撃が迸り、ジムの木刀が二つに裂かれていた。



●小道具は木刀、土、汗…

これを素手にしたら木刀破壊は書けません


ジムが木刀を握り締めて悔しさや劣等感を表現しました

舞台が庭なので、土を動かす表現ができます

これを使ってマスターの足捌きの表現を強調したりしました

木とか石の床だと難しい





■まとめ

・舞台や小道具を使うと、動作、心情、人間関係を描写できる

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