カメラワークのまとめ
■人物と舞台を書く
◆2.4
電灯が照らすアスファルトに、ジムが叩きつけられた。
衝撃、押し寄せる痛み。
片腕から先の感覚は断絶されていた。
激痛に藻掻くジムに、掠れた吐息が降り積もる。
機械にも似た蜘蛛。
ずらりと並んだ朱い眼が、電柱の先から様子を伺っていた。
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カメラ:ジム → 蜘蛛 → 蜘蛛の眼
次のようなズームもしています
カメラ:アスファルト → 電柱の先 → 眼
次は強弱関係
対比:ジムは負傷 <-> 蜘蛛は上から様子を伺う
◆2.5
ベッドに散らかった漫画を手に取った。
コリンナが腰掛け、持ってきたポテチの袋に手を入れる。袋から溢れたポテチの残骸が布団の上で散らばった。一枚より三枚くらい重ねて食べた方が満足感があった。
漫画のページを捲ると、小さな風圧に乗ってポテチの匂いがした。ふと指先を鼻に近づける。とぼけていたコリンナの顔がコンソメみたいになっていた。
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指を写さないことで、フラグを立て、回収できます
フラグ:漫画、ポテチ
→ フラグ回収:指がポテチ臭い
カメラが動く場面では無いと判断
カメラを固定することで、コリンナを強調させました
カメラ:コリンナ → コリンナ
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■カメラワークのまとめ
・固定
カメラの効果を消す、詳細、静観……
・近づく(拡大)
強調、テーマ、主役、集中、盛り上げ……
・遠のく(縮小)
別れ、孤独、余韻、退場、位置関係の開示……
・横移動
傍観、並列、対等、無関心、位置関係の開示……
・見上げる
劣等感、下位、圧迫、尊敬……
・見下げる
優越感、上位、開放感……
・被写体を追う
疾走感、躍動感、被写体の詳細……
被写体、カメラ、背景の位置関係や動きは自由度が高め
カメラの動きが違っても、効果が他と似ているものがある
・カメラの枠に制限があるため、写したモノの以外は写さない(※重要
・写したモノを強制的に見せ、視線の誘導、対比を作れる
・写してないモノをフラグや読者の想像をかきたてる