3月 叶みへき
「よって324億の赤字です。桜華学園は、残念ですが存続できない状況となりました。」
全身ブランド品で固めた女理事長、創設者桜華子先生から数えて桜華学園三代目理事長朱鷺子は、その言葉に崩れ落ちた。
「しかし、この学園を救いたいと申し出た企業があります。
京都の老舗企業で今や世界のトップブランドに成長した叶財閥です。何でも華子様に個人的な恩があるようで」
「おばあさまに?」
「ただし、経営は一切任せてほしいとのことでした。」
秘書の田野原との会話の後、ほどなくして一人の少女が現れられた。
叶みへき、大財閥叶財閥の跡取り娘にして本作の主人公。
「私がこの学園を3年で黒字にして見せます」
一言そう言うと、ニコッと彼女は笑った。
「ただし、金持ちの能無しお嬢様学校は今日で終わりです。生徒のための学校、男女共学の文武両道の学校を目指します。それが、死んだ祖父の遺言です。」
契約書には借金ともどのもこの学園を買い取る旨が書かれていた。
ランク制度廃止、公立なみの安い学費、充実の施設と高い教育力を実現させるため叶みへきはやってきた。
祖父の遺言を果たすため、MBA取得の第一の仕事として
しかし、理事長の立場なのに生徒のための学校づくりのため生徒として学園にやって来る。