新しい舞台を整えて
俺はエリゼ中将と話し合い、一年間の準備期間を設け、きたる大戦争の準備を始めた。
お気づきかな?エリゼ団長は少将から中将に昇進し、俺は二階級特進で少将になった。
エリゼ中将はまだ病室の床にいたが、夜に脱け出して酒を飲むくらいには回復したようだ。
街にも当然変化がある。市街地を囲む城壁が完成した。エルゼ国と同じ兵器製造工場が稼働を開始。ドワーフ国からの惜しみ無い技術支援が都市の発展スピードを加速させていた。
俺の立場を危うくしたドワーフとの同盟はある意味正解だったという結論になった。
対空中戦艦用の対空砲も増産され、各方角の城壁上に十門ずつ配置された。
西方は旧帝国と革命軍が戦争状態で、当分東エルフ共和国に仕掛けてくる事はないだろう。
だが、気になる情報もある。
報告書
ガルマニア帝都を支配した軍事政権が火薬兵器の研究、改良、増産を指示。ドワーフやエルゼ王国内から技術流出の可能性大。
軍人らしいな。科学技術をタブー視する魔法国家が軍事政権になったとたん、使えると確信した科学技術の推進と火薬兵器開発を進めたか。
おそらく、戦場で回収された最新の兵器も一部流出したことだろう。
危険人物リスト
科学推進派、新軍事長官カーリナ。
この先の戦争はこの異世界の歴史上もっとも血が流れる事になるだろう。
俺はこの世界で初めてタバコをふかした。
我々は本国や同盟国からの惜しみ無い投資金額に見合った働きをしなければならない。
防衛力の増強は当然行う。
重要なのは戦費の調達だ。
収穫された小麦や加工された木材の輸出をサルマト宰相に命じた。特産品は東エルフ共和国産としてエルフたちの都市に輸出された。
西方はいまだ内乱の最中で、物資が常に枯渇状態。そのため、この地に商品を運べば運ぶだけ金貨に早変わりした。
『「生産と収入」
責任者 : ユーキ・ハルバート
1 小麦資源の輸出
2 加工済み木材輸出
3 西方への武器輸出(刀や弓矢に限る)
4 傭兵の貸し出し
5 アルドー山脈の鉱山資源、加工品の輸出
月売上 エルフ帝国大金貨60枚(日本円60億)
売り上げ数拡大、次の決算時上方修正予定』
戦費調達は順調に進んだ。
その他には戦争で職を失った者に公共事業としてアルドー山脈の街道整備の仕事を与えた。
山脈の道には火山帯の温泉を引き込み、凍った道を溶かし除雪を容易にする工夫を施した。作業は軍の兵員も駆り出したことでかなり進んでいる。
最後に魔道戦艦こと、撃墜したエルフの空中戦艦の残骸が集められた。こちらは複製が可能かどうかの技術者会議が開かれた。
結論は無理。控えめに見積もっても無理である。だが、15メートル級の小型挺なら造れる可能性があるとのことだ。人間の魔術師では最高位の者でも4時間動かすのがやっとだろう。しかし、空を飛べるようになるのはでかい。
俺はエルフ帝国大金貨5枚を至急、新しい兵器開発の資金に充てさせた。
さて、時は流れ一年の戦争準備期間は終わりを迎えようとしていた。エルゼ国とドワーフの国を結ぶ新たな街道が完成。
街道を通り、エルゼ国の要塞で訓練されたドワーフの軍団が次々とフリードベルク郊外に到着した。
大金を注ぎ込まれた工場は日夜フル稼働し、弾薬生産数が本国の月産数の二倍を超えた。
~戦争指導計画書より~
最高司令官 エリゼ・マリーナ
作戦参謀 ユーキ・ハルバート
エルゼ国軍統括バドゥー
東エルフ司令 アルト・ユーベルマン
ドワーフ司令 クイントス・ドルドン
エルゼ国軍
第一エリゼ軍団 7800名
第二エリゼ軍団15000名
魔道歩兵 20000名
魔道騎兵 6000騎
砲兵大隊 3000名
東エルフ義勇軍
歩兵 10000名
防空隊 600名
ドワーフ軍団 26000名
総員89405名
増援有り、総数(秘匿事項)名
歩兵銃 約150000丁(予備含む)
野戦大砲 150門
臼砲 50門
対空高射砲 40機
砲弾、銃弾数(重要機密 記載不可)
新兵器 有 (重要機密 記載不可)
~ 軍事省新庁舎 エリゼ中将執務室 ~
「よろしい。我が軍師よ作戦を始めろ。」




