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左肩

 君が誰かと付き合っていることは知っていた。君が誰を好きなのかも知っていた。君が誰と何をしたのかも知っていた。

 全部君から聞いたことだった。

 一度だけ、長い帰路を君の隣で過ごしたことがある。なんでそんなことになったのかはよく覚えてない。

 いつもと変わらぬ言葉を交わし合い、いつもより近い距離であった。どこか心地よい時間だった。

 しばらく話していると、私の肩に寄りかかってきた。またいつもの冗談だろうと、期待よりも信頼を思う彼女を感じ取ると、どうにも寝ているらしい。

 分かってしまうと突然恥ずかしいやら、嬉しいやら寂しいやらと感情が湧き出してきてどうしようもない。窓に映る自分とにらめっこをして平静を装って再び彼女の存在を確かめる。

 手の甲が触れ合っていたことに気づいたので、少し動かしたらうまい具合に手を繋ぐ格好になった。柔らかいのだなと、そう思いながら流れ行く景色を眺めていた気がする。

 終点間際で彼女が目を覚ましたので、そっと手を解いた。

 彼女はまだまだ眠そうだったので、着いたら起こすよ、とだけ言い。また窓の外を眺めた。

 あまり、外の景色は覚えていない。

今では、窓の景色だけが鮮明に記憶に残ってます。

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