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プロローグ 「風の記憶は誰のものか」
記憶は誰のものか――それは、かつて封守たちが繰り返し問うてきた問いだった。
それは他人の過去に触れる者が抱く、最大の矛盾であり、そして唯一の真実でもある。
セイは、“記憶の刃”に眠る父の意志と向き合い、ついにその重さを知った。
父はすべてを語ることを選ばなかった。だが代わりに、“選べるようにする”という選択をした。
それは、未来を信じる者にしかできない、大きな勇気だったのかもしれない。
記録の間で明かされたヴァーグの名前。
かつて父が託された組織――そしてその裏で“記憶の改ざん”を行っていた者の存在。
その痕跡を辿るために、セイとリィナは再び地図を広げる。
新たな旅路には、もう一人の仲間が待っている。
冷静な知識と記憶に関する独自の信念を持つ少女・ノア。
彼女との出会いが、旅に新たな視点と覚悟をもたらすことになる。
これは、記憶を“受け取る”旅から、“継承する”旅への始まり。
誰かの過去を知ることで、未来を選ぶ。
セイの中で芽生えたその願いが、今、風に乗って動き出す――




