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When i sleep ,My body change:どうやら並行世界では女の子として生きているようです!  作者: Kuzagi2007X
第1章:気づけば女!? しかも並行世界で第二の人生スタート!
9/10

風の魔法

さあ、読者の皆様!!

次回からは「When I sleep, My body is change: どうやら並行世界では女の子として生きているようです!」の本編がついに始まります!

そして、僕はこれから解決するべき謎やモヤモヤをどんどん片付けていくつもりです!ワクワクしてきた!

それでは、僕、kuzagi2007Xがこの物語を読者の皆様にお届けしますので、どうぞお楽しみに!!

「あ…あ…あっ、ごめんなさい」

僕は目の前に広がる光景に驚愕していた。そこにはサイビアが裸でいるのだ!

僕はその姿を見て、恥ずかしさと驚きで顔が真っ赤になり、思わずその場から駆け出してしまった。驚きすぎて道を見ていなかったので、転んでしまった。死ぬかと思った。こんなことになるなんて、見たくなかったものを見てしまった。

サイビアも僕と同じくらい驚いているだろう。だって、裸なんて思いもよらなかっただろうから。


「ビュースゴイさん、どうして逃げたんですか?」

サイビアは困惑した様子で、僕を追いかけてきた。


「だ…だって、私は女だから、男の人が裸になっているのを見たら、すごく…。」


「ビュースゴイさんは男じゃないんですか?」

サイビアが僕の答えを焦って聞きながら言った。


男?サイビアは僕が男だと知っていたのか?どうして知っているんだろう?


「君は僕が男だと知っていたのか?」


「最初からわかっていたよ。ビュースゴイさんが男だって、だって、ビュースゴイさんの匂いが男の匂いだからね。」


「そ、そうなんだ…」

サイビアは最初から僕が男だと知っていたのか。すごいな、匂いでわかるなんて。今になって、僕も気づいたことがあるけど、サイビアには言っていない。それは、僕が現実の世界でいつ目を覚ますか、全然わからないってこと。要するに、いつでも消えてもおかしくないし、また眠って戻るまで待つしかない。こういうことか。でも、あの時僕が気を失った時は、ただ寝ているだけだったのかな?それとも、魔物が現実の世界に来たのだろうか?このことは、クスにでも聞かないといけない。もしくは、先輩たちに。


「ビュースゴイさん」

「えっ、どうした?」

僕がぼんやりしていると、サイビアが声をかけてきた。

「ビュースゴイさん、何もないですよね?」


「ちょっと考え事していただけだよ。ごめんね。」


「大丈夫ですよ。ビュースゴイさんが黙っているのを見ただけですから。」


「あ、そうだ。サイビア、話したいことがあるんだ。今、僕はここからいつ戻るのか、全然わからないんだ。簡単に言えば、いつでも消える準備はできているし、でもまた戻ることは確かだ。ただ、数時間後になるかもしれないけど。」


「そうなんですね。じゃあ、ビュースゴイさん、頑張ってくださいね。」


「もう行くのが早すぎない?」

僕とサイビアは少し笑った後、サイビアは僕が買ってきた服を着た。先輩のシリーンが言っていた通り、この世界の服は特別な素材でできているから、サイズの問題はない。でも、鎧はそれぞれの体に合わせなければならない。すごいな、この世界は。


「ビュース、ビュース、起きなさい!お母さんが帰ってきたわよ!」

突然、僕の頭の中にパンヤの声が響いた。あれ、もう時間が来たのかな?

僕はサイビアに向かって手を振りながら振り返った。


バサッ、バサバサッ!!


「起きないなら、ドア開けるからね!」

パンヤの声が、僕の寝室のドア越しに聞こえてきた。

だけど僕の体はピクリとも動かない。全身から力が抜けていて、ベッドから起き上がることすらできなかった。


さっきまで、抱き枕にあんなことをしてしまった感覚が、まだ体中に残っている……。

気づけば、下半身はびしょ濡れで……しかも、何も身に着けていなかった。


ギィィ……


ドアが開く音がして、パンヤが部屋に入ってきた――そして彼女の目に飛び込んできたのは、

女の子の姿になった僕。下半身丸出しでベッドの上に寝転がっているという、地獄のような光景だった。


「な、なにしてるのビウ!?!?!?」


パンヤは叫びながら僕に問いかけた。

「な、なんでもないよっ!」

僕は慌てて手で股間を隠しながら、必死に否定する。


「いやいや、ズボン穿いてないし、抱き枕もシーツもびっしょりなんだけど……まさか、そういうことしたの?」


「え、えっと……その……気がついたら、つい……」

どんなに誤魔化そうとしても、証拠は揃いすぎている。

そして最悪なことに、ちょうどそのタイミングで――


「ただいま~」


母さんが帰ってきた。


「やばっ……とりあえずズボン……いや、パンツだけでも……!」


羞恥と混乱で頭が真っ白になりながら、必死に何かを探そうとする僕。

でもそんな中――僕の腕に付けているブレスレットが、紫色の光を放ち始めた。


「え、なにこれ!? ビウ、そのブレスレット……光ってるよ!」


「パ、パンヤ! ちょ、ちょっと部屋から出て! 今、僕……男に戻るかも!」


「いやいや、この状態で戻るとかやばいでしょ!?!」


「ん……? ドア開いてるのかしら? パンヤちゃん? 昨日ビウは友達の家に行ったのかしら? もう帰ってきた?」


「えっ!? あっ、ボウおばさん! えっと、その……ビウは、今日は学校休んで、ちょっと友達と……」


「そうなのね。お母さんが仕送り送ってくれたの。必要になったら言ってね~。ビウくん、新しい友達でもできて遅くなったのね。わかるわ~、よろしくね、パンヤちゃん。じゃあ私は少し昼寝するわね~」


「は、は……はいっ! おやすみなさいませ……」


「パ、パンヤ……もう、ママ行った? ちょっと……息できない……」


「もう! 急に男に戻ろうとするからでしょ!? 胸に顔埋まってるんだけど、ほんと、死ぬかと思ったよ!」


「お願い……ちょっとだけどいてくれない? 重い……」


パンヤの胸に顔を埋められて、窒息しかける僕。

でもそのとき、ブレスレットの光がふっと消えた。


「……え?」


体に変化はなかった。

僕はまだ、女の子の姿のまま。


どうして……どうして戻らないんだ?

さっきの紫の光はなんだったんだ?


そんな疑問が頭の中をぐるぐると駆け巡る中、今度は――


ピロリン♪

僕のスマホが鳴り響いた。


それは、クスだった。

彼からの着信を受け取り、慌てて通話に出た。


「ビウ、今……無事か!?」

電話越しに聞こえるクスの声は、焦りに満ちていた。


「クス? どうしたの、そんなに慌てて……?」


「今さ、僕のミニキューブが黄色に光ってるんだ。たぶん、先輩たちに何か起きてる……!」


ミニキューブ……そうだ、すっかり忘れてた。

あれは、先輩たちが僕たちに預けてくれたサポートアイテム。危険が迫ると黄色く光る仕組みだったはず。


「それってマズくない……? で、今どこにいるの?」


「学校に向かってるところ。先輩たちの様子を見に行ってくるよ。何か分かったら、すぐ連絡するから!」


「えっ、クス!? ちょ、ちょっと待って――!」


通話はそこで切れた。

焦っていた。クスの声は本気だった。

学校で一体何が……?


「どうしたの、ビウ? さっきから顔色悪いけど……」


パンヤが心配そうに僕の顔を覗き込んできた。


「……クスから電話があって、どうやら学校で何か起きてるみたいなんだ。とにかく行ってみないと」


そう言うなり、僕は慌てて階段を駆け下りた。

服もちゃんと着ないといけないのに、それどころじゃない。

パンヤの声が背後から聞こえたけど、もう立ち止まってる暇はなかった。


お願いだから、何も大きなことが起きていませんように――。


クスと先輩たちは……本当に無事なんだろうか?

それに、学校の皆は……一体何が起きてる?

そんな考えが頭をよぎる中、僕は全力で学校へと走っていた。


午後の学校は、まだ休み時間中の生徒もいれば、すでに授業が始まっているクラスもあったけど――

そんなこと、今はどうでもいい。

とにかく、クスを探さなきゃ……!


その時だった。僕のスマホが再び鳴った。

またクスからの電話だ。急いで通話ボタンを押す。


「クス!? 今どこ!? 無事なのか!? そっちは一体どうなってるんだ!」


「僕は無事だよ。今は先輩たちと一緒にいる。僕たちの校舎の地下にいるんだ。」


……地下? つまり、第七校舎――あそこか!

そう思った瞬間、僕は一目散にその場所へ走り出した。


女子の体で走るのは、なんだか体が軽くてスピードが出やすいけど……その代わり、スタミナが切れるのが早い。

普段の僕なら、もっと長く走れたのに――。

自分の変化に今さら気づいて、少し苦笑いしてしまった。


やっとの思いで第七校舎に辿り着くと、聞き慣れた声が出迎えてくれた。


「ビウじゃない、来てくれたのね」

それは先輩、セリーンの声だった。


「先輩っ! みんな無事なんですか!?!」


「……もうすぐ、ここは騒がしくなるわ。覚悟しておきなさい」

そう言ったのは、タイラー先輩だった。


彼の青黒い瞳が、ゆっくりと元の色に戻っていく――

あれは、『タイム・アイズ(時の眼)』の力。


「無茶するなよ、タイラー。また今回も限界まで使ったら……」


「でも、今回は備えるしかないんだよ、メイ。このままじゃ、本当に……みんなが危ない」


「いったい、何が起こってるんですか……?」

そう僕が尋ねた、その瞬間だった。


ゴゴゴゴ……ッ!!


空に、巨大な赤い魔法陣のようなリングが現れた。

血のように深紅に染まったそのリングから、凄まじいエネルギーが降り注いでくるのを感じた。

肌がビリビリと震え、空気が重くなる。


「全員! 中央へ向かえ!! あのリングの中心だ!!」

タイラー先輩の叫び声が響き渡る。


その瞬間――

セリーン先輩が、手を掲げて何かを召喚し始めた。


「ドーム・フォーカル!!!」


セリーン先輩のその言葉と同時に、彼女の体から巨大な魔法陣が浮かび上がった。

その魔法陣からは、透明なドーム型の結界がゆっくりと展開され――

僕たちのいる場所全体と、空に出現した悪魔のリングを丸ごと包み込んだ。


「このドームの中では、全力で戦っていいわ。外の人間には絶対に気づかれない結界よ。みんな、くれぐれも無理はしないでね」

セリーン先輩が静かにそう告げた直後――


空の魔法陣から、次々と悪魔たちが姿を現した。


……想像を遥かに超える、恐ろしい存在たち。

異形の肉体、鋭い爪、底知れぬ気配。

僕はその圧に完全に飲まれていた。手も足も動かない。動かせない。


「そのブレスレット……我のものだ!!」


飛翔する悪魔が、僕に向かって突進してくる!


ゴオオオオオオッ!!


暴風のような風が吹き抜け、悪魔の進行を阻んだ。


「天嵐のスパイラル!」


「ビウ、大丈夫か!?」


「……うん、助かったよ。ありがとう……」


「よかった。じゃあ、今度は僕が君を守る番だね」


「うん……!」


クスが放った風の魔法が、悪魔を吹き飛ばした……かに見えたその時。

悪魔は傷つきながらも、再び飛翔し、今度はクスを狙ってきた。

その背後には、タイラー先輩の放った炎の弾が続いている。


「次こそ、ブレスレットは我が手にぃぃぃっ!!」


「風属性の少年ッ! 避けろーーーっ!!」


――ズシャッ!!!


タイラー先輩の叫びが届く前に――

クスは、僕の盾となってその悪魔の突進を一身に受けていた。


その身体に、大きな穴が開いていた。


「――クス……!? 嘘だろ、クス!? クスーーーッ!!」


目の前で倒れ込んだ友の姿に、僕の体から力が抜けた。

言葉にならない叫びとともに、涙が頬を伝っていく。


「だめよ! 今は近づいちゃ――!」


メイ先輩が僕を抱え、悪魔から引き離した。


「離してください……離してよ、先輩っ!! クスが……クスが死んじゃうかもしれないんだ!! こんなの、もう嫌だよ!!」


「……落ち着いて! 今戻っても、君までやられてしまう!」


「フレイムレイ・バースト!!」


「メイ、言っただろ……今回こそ、誰も死なせないって」


「でも、タイラー……!」


「信じてくれ。あの子は……きっと僕たち以上の力を持ってる」


「……わかったわ。サポートに回る」


「ビウ! 今すぐ彼のもとへ向かって!僕たちが食い止める!」


二人の先輩が道を作ってくれた。

僕は涙を拭うこともできずに、クスの元へと駆け寄る。


「クス……! クス、聞こえる!? クスーーーッ!!」


僕が腕に抱きかかえると、彼の唇がわずかに動いた。


「……ビウ……か……?」


「うん、僕だよ。クスを守りたいって思ってる、僕だよ」


「そっか……なんか……体が重くて……もう、ダメかも……」


「やめてよ……まだ終わってないよ! 今、僕が……君を……!」


「待って……ビウ……最後に……伝えたかったことがあるんだ」


「……?」


「僕ね……君のことが……好きだったんだ。初めて会った時からずっと……

ほんの短い時間だったけど、それでも……

君みたいに可愛い人に出会えたことが、僕の……一番の宝物だった……。

言えて……よかったよ……

バイバイ、ビウ……眠いな……」


「やめろっ……! やめてよ、クス……!!」


僕は両手を彼の胸元に重ねて、叫ぶように詠唱を始めた。


「――だったら僕は、僕は!! 絶対に、大切な人を死なせたりなんかしないっ!!!

清き水よ――美しき大地よ――自然の癒しよ――アルティメット・ヒーリング!!」


緑の魔法陣が僕の手から放たれ、クスの身体を包む。

やがて、緑のオーラが森のように広がり、血と傷を徐々に癒していった。

冷たかった彼の身体が、少しずつ温かさを取り戻していく。


「クス……!」


彼の瞳が、再び開かれた。

その顔には、弱々しいけれど確かな笑みが浮かんでいた。


僕は迷わなかった。

男でも女でも関係ない。

この想いを、今こそ彼に届ける――


チュッ……


それは、僕が彼に贈る初めてのキス。

生きていてくれて、ありがとう。

そんな想いを込めた、希望のキスだった。


やってしまったのか?

でも……これが、僕にとって初めてのキスなんだぞ?

本当に、これでよかったのか……?


命が消えかけていた彼のためだった。

でも、それでも――この瞬間にキスする必要が、本当にあったのか?


そんな問いが、いくつも頭の中を駆け巡っていた。


その時だった。

突然、僕の頭の中に謎の女性の声が響いた。


「別に……いいじゃない、そのくらい」


――誰だ!?

聞いたこともない、けど、どこか優しさを感じる声。


「チャンスがあるうちに伝えられたあなたは幸せよ。

私なんて……もうそれすらできないんだから……」


……その声は、それだけを言って静かに消えていった。


「ビウ! アイツを抱えて早く離れて!!」


セリーン先輩の叫びに、ハッと我に返る。

キスを終えたその時、クスがゆっくりと目を開いた。


「クス……!」


僕が顔を離すと、彼は無言で立ち上がった。

その姿に、何か――ただならぬ気配を感じた。


クスの身体からは、白い光の粒子が舞い上がっていた。

同時に、周囲に巻き起こる暴風。

風の力が、彼を中心に渦を巻くように激しくなる。


「うわっ……!」


その風圧に、僕の身体さえも吹き飛びそうになる。


でも、周囲を見れば――

僕たちは悪魔たちに完全に囲まれていた。

先輩たちも、僕らと同じように囲まれて、動けない。


その時だった。


「……俺を、ここまで追い込んだのは……お前らか」

クスが静かに、でも確かな怒りを込めて呟いた。


「ならば、風と共に消えろ――“ジ・エンド・サイクロン”」


――ギュオオオオオオッ!!!


彼の周囲の風が、巨大な竜巻となって凝縮し始めた。

その風は、彼の右腕に集まり、まるで一つの“武器”のように形を成す。


そして――悪魔たちが再び、僕たちに向かって突撃しようとした、その瞬間。


……全てが、消えた。


悪魔たちも、魔法陣も、空を覆っていた不穏な気配も。

すべて、ただの風のように跡形もなく消滅したのだ。


「す、すげえええええええ!!!なんだよ今の!?」

タイラー先輩が叫び声を上げる。


「まさか、サイクロンってレベルじゃねぇ……!」


風が止まり、静寂が戻ったその中で、僕は慌ててクスに駆け寄る。


「クス、大丈夫か!? しっかりしてよ……!」


「……ビウ。君は……もう大丈夫だよ……」


――ドサッ。


その言葉と同時に、クスはその場に倒れ込んだ。

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