死なないでね
*クスの視点*
どこにいるんだろう、もう死にかけていたことは覚えているけど、もしかしてもう死んでしまったのだろうか。ビウに言った愛の言葉や、あのキスは本物だったのか、それとも死ぬ前の幻だったのか。誰かが私の手を握っているのだろうか。柔らかく優しい手だ、まるで女性のようだ、なぜかとても懐かしい感じがする。あれ、でもなんで手に水滴が落ちているんだろう。涙か? 誰かが泣いているのか? 手に落ちる水滴を感じる、まだ死んでいないのだろうか。目を少しだけ動かしてみよう。重い… 目を開けるのすら難しい。でも、開けないとどこにいるのか分からないし…。
「えっ、クス、目を覚ましたの?」
女性の声、あれは…よく聞いたことがある声だ。
「心配でたまらなかったよ、クスが目を覚ましたなんて本当に嬉しい!」
ビウの声だ、ああ、思い出した。気を失う前にビウに助けられたんだ、すぐに起きないと…。
「だ、だめ、クス、そんなに急に立ったら、倒れちゃうよ!」
「心配してくれてありがとう、大丈夫だよ。それより、今どこにいるんだろう、どれくらい時間が経ったんだ?」
「先輩メイの家だよ。君が寝ている間に、もうかなり遅くなった。ずっと待ってたんだよ、クス。」
「そうか…それで、泣いてたのか?」
「ううん、泣いてなんかいないよ。」
「無理に隠さなくてもいいんだよ。」
その時、ビウは突然私を抱きしめてきた。私は驚いたが、何も言わずにそのまま抱き返した。
「クスが倒れてから怖かった。君が目を覚まさなかったらどうしようって…一人になっちゃうんじゃないかって、本当に怖かった。だから、もうそんなことがないようにお願い…」
ビウは私の耳元で震える声で言った。その声が心に響く。こんなに心配されているなんて、ちょっと申し訳ない気持ちもするけど、ビウの腕の中で不思議と落ち着く自分がいた。
「泣かないで、ビウ。顔が可愛くなくなっちゃうよ。」
「そんなの気にしないで、クス。」
ビウの涙と鼻水が顔に残っていたけれど、それがかえって可愛らしさを感じさせた。その時、ビウは顔を近づけてきて、赤くなった顔で私に唇を近づけた。
その時、突然部屋のドアが開いた。
「おっと、目が覚めたか?」
「ビウも一緒にいたんだな。もう目を覚ましたんだろ?」
先輩たちが部屋に入ってきた。私とビウは慌てて離れた。
「お邪魔してごめんね、夕食ができたから、下で食べてね。」
「えっ… はい。」
タイミングが悪かったけれど、仕方がない。ビウもようやく泣き止んだし、私は立ち上がって顔を洗って、みんなと一緒に夕食を食べることにした。
「みんなで一緒に食べよう! みんなの協力のおかげで、無事に過ごせたんだ。怖い出来事があったけど、みんなで乗り越えた。これからも一緒に頑張ろう! 乾杯!」
「乾杯!!」
この食事は特別なものに感じた。みんなと一緒にいることが、こんなにも幸せだと感じるのは初めてだった。この温かい雰囲気が、もっと続けばいいのにと思った。
「今日はみんなでたっぷり食べてね! これが俺たちの祝いだから!」
タイラー先輩が言うと、みんなが一斉に「乾杯!」と声を上げた。今日の食事は、どこか特別な気がする。あんな出来事を乗り越えたばかりだから、自然とそんな気持ちになっていた。私はビウと一緒に、先輩が注いでくれた水を飲みながらそんなことを考えていた。ビウはまだ何も食べていなかったけど、先輩たちがくれた水だけを飲んでいる。でも、ビウは私の隣から離れようとしない。
「うぇっ! 苦っ! これ、なんだよ!」
ビウが水を飲んだ後、苦しそうな顔をして言った。そのとき、私はビウを見ていた。
先輩たちがくれた水、匂いが少し違う気がする。どうやらそれはお酒らしい。あまりにも違和感のある香りが漂っている。たぶん、この世界のものじゃないんだろう。おそらくは平行世界から来た花の香りだろう、こんな高価なものがどうしてここにあるんだろうか…おそらく、先輩シーリンの召喚のせいだろう。
「クス、お前は苦くないのか? この味、どうしようもないぐらいまずいぞ。」
「別に、苦くはないよ。むしろ、香りがいいぐらいだ。でも、もしお前がだめなら、無理して飲むなよ。酔っちゃうぞ。」
「香りがいいなら、俺も頑張ってみる。」
「おい、ビウ、そんなに急いで飲んだら、酔っちゃうぞ。」
「うっ!」
そのとき、ビウは一気にそのお酒を飲み干してしまった。あんなに早く飲んで大丈夫なのか? もしこれが強すぎたら、すぐに酔っ払ってしまうだろう。
「もう飲み干しちゃったのかよ…すごいな。」
「ちょっと待て、先輩、それ、褒めてる場合じゃないだろ。ビウは初めて飲んだんだぞ? 酔っちゃうかもしれないし、水、持ってるか?」
「お前が言ってること、分かってるさ。でも、ビウ、初めてだからなぁ〜。」
先輩が水を差し出してきた。私は急いでビウに水を注いで渡したが、ビウはもう酔っ払っているみたいだった。顔が少し赤くなって、まぶたが下がりそうだ。
「ビウ、大丈夫か?」
「うーん…なんだか、ちょっと熱くて、眠い感じがする…」
その言葉と共に、ビウは私の肩に頭を乗せてきた。私は手に持っていた水のグラスを置いて、ビウが座るのを支えようとしたが、ふと目に入ったのはビウが着ている緩いシャツだった。そのシャツは少し下がって、ビウの胸元が見えてしまった。どうしてだろう、今日はビウが下着を買っていたはずだが、着ていないのか? 何か理由があるのだろうか、苦しいのか、それともうまく着けないのか?
「ぺちっ!」
私は自分の頬を叩いて、自分を覚醒させた。何してるんだ、クス! ビウに気を取られて、グラスを渡すことに集中しすぎた! 気を取り直して、私はビウの手からグラスを取り、残りのお酒を一気に飲み干した。その瞬間、ビウが私の耳元で囁いた。
「クス…私を部屋まで送ってくれないかな?」
私はすぐにそのお願いに応じて、グラスを置いて立ち上がり、ビウを背中に乗せた。
「あれ、クス、どこに行くんだ?」
「ビウを部屋に送るんだ。どうやら酔っ払ってるみたいだから、少し休ませたいんだ。」
「自由にしていいぞ。」
「机の上にまだ食べ物が残ってるぞ、それはどうするんだ?」
「いいんだ、シーリン、お前も飲みすぎないようにしろよ、明日学校があるだろ。」
先輩たちはそのまま話していたが、私はビウを部屋に連れて行くためにその場を離れた。途中で、ビウは少しだけ私をしっかり抱きしめるようになった。
「ごめん…ごめんね、クス、こんなに迷惑をかけて…。」
「大丈夫だよ。こんなの、全然平気だ。」
「でも…本当にごめんね。」
ビウは何度もその言葉を繰り返し、私は同じように返事をした。結局、私はビウを部屋のソファに横たえ、寝具を整えて、すべてを準備した後、ビウをベッドに運んだ。そして、すべてが整った後、立ち上がろうとした時、ビウが私の手を握った。
「クス…私が寝るまで、そばにいてくれる?」
「…だ、大丈夫。できるよ」
僕はそっとビウの隣に腰を下ろした。
きっと、僕が意識を失っていた間、ビウはずっと僕のそばにいてくれたんだろう。そんな彼女に、感謝の気持ちが溢れてくる。
すると、ビウが僕の方に体を寄せ、小さな声で囁いた。
「私はね、クスのことが大好き。愛してるの。……抱きしめても、いい?」
「……うん。いいよ」
ベッドの上で、ビウはそっと僕を抱きしめた。
その腕の温かさに包まれた瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなる。
そして、彼女はゆっくりと顔を近づけてきた。
頬はほんのり赤く染まり、ふわりと甘いお酒の香りが漂う。
そして――
「ん…」
僕たちの唇が、重なった。
それは、僕にとって初めてのキスだった。
言葉では言い表せないほど、やさしくて、暖かくて、夢のような感触。
「クス…」
「……なにかあった?」
「……私のシャツ、脱がせてくれる?」
「えっ、僕が……脱がせるの?」
「うん……お願い」
ビウの体は柔らかく、華奢な肩が壊れてしまいそうなくらい繊細だった。
くびれた腰は美しく、胸元も、思わず目を逸らしたくなるほどの存在感があった。
手が震える。
けれど、僕は彼女のシャツにそっと手をかけて、丁寧に脱がせた。
その瞬間、僕の心は驚きと戸惑いでいっぱいになった。
何も言葉が出てこない。
「どうしたの……クス?」
「ごめん……僕、女の子の裸を間近で見るの、初めてで……ちょっとびっくりしてる」
「そうなんだ……」
「次は、私が……クスのシャツ、脱がせてあげる」
ビウがそう囁いた瞬間――
ビウは静かに自分のズボンを脱ぎ、僕のシャツにも手を伸ばした。
肌と肌が触れ合う距離。僕は何もできず、顔が熱くなるばかりだった。
――こんな展開、想像していなかった。
「ビウ、これが……僕にとって初めてなんだ。うまくできないかもしれない……」
「大丈夫だよ、クス……」
ビウの頬がほんのり赤く染まり、唇がそっと重なる。
お酒の香りと、彼女特有の甘い匂いが混ざり合い、僕の意識はどんどん奪われていく。
「んっ……ぁ……」
ビウの吐息がこぼれ、彼女の体が僕に寄り添ってくる。
柔らかな感触、繊細な動き、僕の心臓は鳴り止まなかった。
「クス……触れても……いいよ」
その言葉に、僕は戸惑いながらもそっと手を伸ばした。
胸元に触れた瞬間、ビウの体がわずかに震え、小さな声が漏れる。
「ひゃ……っ……」
「ご、ごめん……!」
「ううん……平気……クスなら、大丈夫」
やがて、彼女の手が僕の手を包み、ゆっくりと導いていく。
そして、二人の時間は、静かに、しかし確実に深まっていった――
「さて、Kuzagi2007Xが再登場したところで、今回の話も終わりに近づいてきました。うーん、今はちょっとエッチすぎるかなって思うけど、それでもまあ、許容範囲かな(どうだろう、ハハハ)。とにかく、ビウとクスは無事に結ばれました!これからの展開は少し長くなるかもしれませんが、ご了承くださいね!」




