5テイム目
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徐々に身体に熱がこもり、食材がうねうねと動き回る感触を受ける。
違和感がすごいけど、今まさに調理が行われているんだな。
覗いてみても進化の時みたいに光に覆われて、その過程は分からないけど。
「――っし。ちょっと落ち着いたし、これでキリもいいし、一旦帰るわよ、ね?」
俺との会話が一区切りつくと、一先ず捕まえていたミノタウロスを処理していたエナ。
そんなエナとイキリ爺たちは俺のスキルに気づいたのか、不思議そうな視線を向ける。
なんかちょっと見られ過ぎて緊張してきたな。
『完成まで残り20秒。今のままだと、料理がぐっちょぐちょになりますよ。テイムしたモンスターたちの前で急にびっちゃびっちゃに汚れるその光景……ちょっと面白いかも』
いや、面白くはないって。
みんなが頑張ってる横で食べ物で遊んでる主とか訳分かんないし、イキリ爺に馬鹿にされるの確定だし、イセのツンデレもでないかもしれないし、威厳が台無しじゃん。
そんなの元からあったかは謎だけど……。
というかもうこうしてなくていいの?
『はい。最初の30秒くらいで十分ですよ。あなたの温もりとか残り香とかがついた料理って……。それは流石にみんな嫌でしょ』
じゃあ先に言えよ!
俺馬鹿みたいじゃん!
それと俺香り付けに自分の体臭使わないから!
ヤバイよそいつ! 特殊性癖過ぎるだろ!
じゃなくて、もういいなら皿を……。
「よし。さあて、どうなるかな?」
『完成まで5秒前、4、3、2、1、0』
――チンッ。
電子レンジのような音がなると、光は消え俺が思い描いたていた料理が姿を現した。
流石に自分で作ったように上手くはいっていなくて、数個皮の部分から既にスープが漏れてるけど……。
「それでも、うん。いい匂いじゃん。おーい! 帰る前にちょっとだけ飯の時間にしよう! エナはお腹いっぱいかもしれないけど」
「ごが!」
「ぷぺっ!」
「ぶもおお!」
「いい匂い……。で、でもだからって簡単に美味しいなんて言ってあげないんだから!」
「おお。流石はマスター。こんな器具もないところでこれほどまでの料理を……。感服致します」
全員を呼んで軽い打ち上げ開始。
イキリ爺たちに混ざってエナも興味津々といった様子で近づいてきた。
さぁ食べろ……。食べて飯落ちしてしまえ。
「えっと。私もいいの?」
「勿論。沢山用意したから遠慮なく食ってくれ」
「じゃあ遠慮なく。いただきます。……こ、これは!」
エナは目を輝かせ、口から溢れそうになったスープを慌てて吸う。
「こ、この料理、私が知ってる肉まん? とは全然違う。薄皮で肉の甘味が強いスープが中から溢れて……。今まで食べてきたどの食べ物よりも美味しい……」
「ありがとうございます。これは小籠包って料理でこれに酢醤油をつけて食べるとまた美味いんだ。本当はもっと皮の感じとかタネにいろんな野菜使ったりとかするわだけど……うん!これはこれで美味いな。それに……ささみの時より汗が出る!」
「も、もう1個いい?」
「どうぞどうぞ」
惚けた顔で食べ進めるエナ。
これはもう完全に落ちたな。
「美味しい美味しい美味しい!! これ毎日食べたい!! というか、こんなもの食べさせてくれて料理人数人じゃ絶対割に合わない!! これならあいつらを……うふふふふ」
「そっかそっか。でもまだ中途半端な出来だし、また何日か経ってから完成品を持って――」
「待って!? 何日か!? ということはそれまで私これ食べれないってこと?あいつらにはもうこれで十分でしょ!」
「いや、それは分からな――」
「分かる! 絶対大丈夫! だからこれで今すぐマウンティングするの!それで私も毎日これを食べられるように……待って。でもそのあと、料理人が派遣されたあと、私がこれを食べられるのって……いつ?」
「……。用がなければ俺たちもあそこにいく必要ないなあ」
「あ、あの!テイム! テイムしてください! 他の奴らがテイムしろって押し掛けてくる前に、私を! 私をテイムして!してください!」
……ちょっろ。
やっぱり美味い飯の力ってすげー。
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