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70話 開門

「――だ、大丈夫? ってこれどういう状況?」

「あ、お仲間の方ですね。今は竜居様が脚の調子が悪いとのことなので、私どもが揉んで差し上げているところです」

「うむ。苦しゅうない」


 飯パワー恐るべし。

 イセたちが俺たちの下にやってきた頃にはドラゴニュートはテイムしていないのにまるで家来状態。


 マッサージどころか、さっきから女性ドラゴニュートのたわわが背中に当たってまでいる。


 こりゃこの集落簡単に牛耳れそうだな!


「ともかく俺たちを集落に迎え入れてくれ」

「あの、先に食料を頂けますと――」

「話はその後だ!まずは中に入れてくれ!」

「……。分かりました。私が中にご案内致します。門兵の2人は引き続き門を見張っていてください」


 そういって女性のドラゴニュートを先頭に移動開始。


 既に蟹田やイセは門番のドラゴニュートたちと談笑。


 イキリ爺は品定めをするような視線を卑猥ミサイルの上に乗りながらドラゴニュートに向ける。


 イセに一目惚れして以来性欲が暴走してるんだよな、イキリ爺の奴。

 18禁の本やBD、それに養鶏場の映像をスマホで夜な夜な見てること、俺は知ってるぞ。


「――門は内側からしか開きませんので……。少し大きな声を出させて頂きますね。それと、門が開く前に伝えておきますが、私がしっかりと仲間に説明するのでそれまでは何をされても動かないでください。それはどこからともなく攻撃されたとあってもです。いいですか?」


 蟹田が気づかないうちに攻撃されていたその要因、ドラゴニュートのスキルか。


 透明になれるスキルなのか、それとも気配を消せるスキルなのか……どっちであれ、滅茶苦茶欲しいスキル。


 そんなの男の夢だぞ。企画ものでしかあり得ないんだぞ。

 時間停止ものは1パーセント本当らしいぞ。


「いいなぁ、それ使っていろいろ――」

「あの、大丈夫ですか? 絶対に反撃とかしないでくださいね」

「あ、だ、大丈夫大丈夫」

「心配ですけど……。さっきの行動から私、ドラゴニュートのエナは信じることに決めました。食料をくれる人にモンスターに悪い存在はいません。では、いきま」


 ドラゴニュート、エナと名乗る亜人は大きく息を吸った。


 そして……。


「モンスターから食材……取ったどおおおおおおおおお!!鼻の穴かっぽじって匂い嗅いでみいいいいいい!!」


 もっと仰々しい合図ないんかい。

 これだと俺たちが食い物みたいじゃん! 絶対襲われるってこんなの!


 ――ぎぃぃぃ。


「お、開いた開いた。いやぁ、実は前に食糧勝手に食ったのがばれて、しばらく監視役兼食糧調達をさせられてたんですけど……。やっぱりそろそろみんな餓えてきてるみたいです。結局ちゃんと戦えるのは私ともう1人しかいなくて、どっちかを出せばどっちかを止まらせるしかないですから。中の仲間はみんな臆病だし、門兵だってスキルが使えるだけで外に出る勇気はないし。……私を安住の地から追い出したあいつらにはいい薬ですよ! あははははははは!」


 ……なんだろう。

 畜生であればあるほど親近感が湧く。


 俺の周りってなんでこうも変なのばっかり集まってくるんだろうな?


 ってそんなこと考えてる場合じゃない。

 つまりいくら臆病でほとんど攻撃されないとしても、エナと同格位の奴が中にいて、そいつが姿消して襲ってくるってことだろ?


 ヤバいじゃんそんなの!


 Dランクの攻撃なら俺だって流石に痛いよ!



 ――ドンッ!



 門が開いたやいなや強烈な打撃が響いた。


 俺……じゃない。

 となると……。


「みんな大丈夫か……って問題なさそう。ということは……」

「な、んで私を……」

「当たり前だろうが!お前のせいで村人みんなストレス状態なんだよ! 毎日毎日毎日毎日、門番を通じてあと少しあと少しって……どれだけ俺が周りにいい攻められてたか!尻叩き100回の刑決行! それでお前の外出は禁――」

「ど、どうもー」


 腹パンされ、立て続けに抱き抱えられながら尻を叩かれているエナを眺めていると、既に姿を現していた男のドラゴニュートと目があった。


 まだ説明されてないし……これまずいかな?

 ……。先手必勝。こうなりゃやられる前にやるしかない。


「あの、これ。欲しくはないですか?まだまだたくさんありますよ」


 大量の食材をアイテム欄から取り出し、男のドラゴニュートを見つめる。

その顔は驚きと喜びが混じった表情で……。


「エナ。前言撤回だ。よくやった!お前たちこの方々を快く迎え入れろ!」

お読みいただきありがとうございます。

モチベーション維持のためブクマ、評価よろしくお願いします。

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