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57話 シヲ

『コギシヲシラスからシヲが2つドロップしました。コギシヲシラスからスポンジコンブが5ドロップしました』


 シヲ。シヲって塩みたいなドロップ品?

 それとは違うのかな? もし塩みたいに使えるドロップ品ならチャーハンの美味さブーストになるじゃん!


 しかもトウヒヒシロップみたいに使う時躊躇いなさそうなのが最高。


 モンスターのドロップってどうしても身体の一部とか体液になるからどうしても慣れるまでが大変なんだけど、こいつは露骨じゃないから当たり。


 見た目はキラーフィッシュがでかくなって足も生えてスタイルがよくなって……スポーティーなんだけどまぁあれって感じなんだけど、それでも今までのに比べたら――


「ふぃーっ」


 さらに奥からコギシヲシラスが何匹も自転車を漕いで出現。


 スタミナがないのか時々止まってはその汗を腰に巻いている黒いタオルのようなもので拭っている。


 大量の汗はそのタオルにべったりとつき、一瞬で白い粒粒に変わる。


 嫌な予感が凄い。

 というか、あれ、タオルじゃなくて……。


「お前も汚い系ドロップ野郎かよ!!! 昆布で汗拭ってんじゃねえ!!」


 自転車でたっぷり汗をかいて塩分を塩に変えるモンスター。


 でたでたでたトウヒヒと同じパターン。


 見た目きもいし、あんまり捕獲したくないけどこいつも1匹捕獲して一生自転車漕いでもらうしかないな。


「だけどそれはイキリ爺に任せて……やっておしまいお前たち!」

「「ぶもおおおおおおおおおおおおっ!!!」」

「ふぃっ!?」


 コギシヲシラスたちは俺が突撃指令を出したホーンボアたちの突進に一瞬驚いて見せたが、すかさず自転車にまたがって立ち漕ぎ。


 競輪選手並み、いやそれよりも遙かにふくらはぎを膨張させたコギシヲシラスはとてつもないスピードで襲ってきた。


 モンスターだけど、競輪選手対暴走族のぶつかり合いみたいな光景は正直面白い。


 それにコギシヲシラスはランクが【E-】でなかなか手応えがあるのか、それにぶつかっていくホーンボアたちの表情も『お前なかなかやるな』、と言っているようにも見える。


 熱い友情が生まれそうな雰囲気まであるけど、そんなものに時間を割いている暇はないし、顔は真面目でも見た目が面白いからなんかもう全部ギャグ漫画のそれにしか見えんのよ。


「全員、ぶつかり合った状態のまま発射! マッスルチキンはトウヒヒシロップを使え!! 俺は……あいつらの勢いをちょっとだけ殺す」


 王圧は自動で発動されるパッシブスキル。

 だけどここ何日か試して分かったことがある。

 これ、自分を強い存在って誇張してやればやるほどその効果が強くなる。


 コギシヲシラスはトウヒヒやチェリーサルのようにスキルが効かない状態というわけではない。

 その証拠にコギシヲシラスたちは俺が近づくにつれてその汗の量が増えている。


 つまりはあの汗は状態異常或いは疲れなんかも洗い流す効果があって、確かに俺の王圧は効いているということ。


 ならその力を強めてやったら……。


「魚畜生共! 俺の目を見よ! そして恐怖するがいい! この黒い瞳は闇を植え付ける魔眼! ふふ……そろそろ聞こえてくるはずだ、死が迫ってくる音がな!」

「ふぃ、ふぃっ!?」


 漕ぐ足は遅くなる。


 前に試してみたけど、これ以上力を強くするにはおそらく王圧ってスキルが強化されないと無理。


 今だってこうして力を強めるために特大の中二病ムーブをしないといけないっていう羞恥条件があって……作業を分担して、イセとかイキリ爺にこの姿を見られない状況だからこそ使えてる。


 ちなみに、いろいろ試してる時あーちゃんに見つかったけど思いの外好印象で、今もあーちゃんは俺の肩に乗りながら俺のことを目を輝かせながら見つめてくれている。


 あーちゃんの趣味は心配になるけど、これがなかったらこんなこと俺ができるはずないんだよな。

 やっぱベストパートナーはあーちゃんかも。

 

「――ごが!!」


 そんなこんなで勢いを失ったコギシヲシラスの通り道にマッスルチキンたちはトウヒヒシロップを溢す。


 すると、コギシヲシラスたちは次第に固まっていくそれに、自転車のタイヤを絡められて続々転倒。


 諦めて自転車から飛び降りて来た個体は自転車を失ったことでもうホーンボアとのぶつかり合いで競り合うことはできなくなり……あっという間に抗争から効率的に殺しているだけの状態になった。


 10、20、30……。

 転倒してシロップの上に落ちた個体にマッスルチキンが止めを刺していくことで討伐スピードがグングン上がり、あっという間に条件直前。


「ふぃ……。ふ、っばっ!?」

「これで終わり、と」


 最後の1匹。

 やたら偉そうに腕を組み、堂々現れてきた集団の頭みたいなやつもいたけど、これが一番弱くて、身体強化中で強化された腕で投げたいしころ1つで即死。


 単純に10区画もあるとそのモンスターの質も悪いのか、それとも俺たちが強くなり過ぎたのか……。


 分からないがモンスターの種類も少なく、たった15分程度で……。


『第3区画を解放しました。この奥がそれに繋がっています。第2区画でのクリエイトが可能になりました』


「よっしゃ! 先に進むぞ! 俺たちが手に入れた成果はシヲだけだった! まだまだチャーハンの食材は足らないからな!!」


 俺たちは次の区画に足を踏み入れていくことになった。

お読みいただきありがとうございます。

モチベーション維持のためブクマ、評価よろしくお願いします。

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