51話 友情の爆発
「――う、あ……。ジーンときた」
柔らかい砂と強化した脚のお陰で骨は折れてないし、勿論死んでもいない。
広範囲攻撃として利用できそうなスキルだけどまだまだ様子見だな、こりゃ。
それにしてもなんで俺の潜在能力が解放されてこうなってくのか、これじゃあそのうち……。
「ぶぷっ!」
「やっぱり、見てたか。1番見られたくない奴に」
俺が1つ可能性を思い描いていると、空気も読まずにイキリ爺が近寄ってきた。
からかう気満々なのがもう顔だけで分かる。
『いやぁすごいスキルですね。もう1回泳いでみてくださいよ! あ、飛んで見てくださいよ!』
……。
「そうかそうか。そんなに泳ぎたいか! そうだよな、こんなに水を見たら泳ぎたくなるよな……よーし、戦いはあーちゃんたちに任せて泳ぐぞ! ほら疲れてるだろうから俺が連れてってやるよ! 三途の川にぃいっ!」
「ごがっ! あっあぁぶへぇ!」
「ランクB-のヘッドロックじゃおらあ!」
海上で始まったプロレス。
俺の技に対してイキリ爺はその手に持っていた木の実、『チャカリット』をぶつけてくる。
独特な香りだけどよだれが出そうなほど甘い匂い。
杏仁豆腐に使えるかどうかは、まだ分からないが間違いなくこれは旨い。
旨いけどそんなの今は関係ない!
あと、少しでkoなんだか――
『――トウヒヒからトウヒヒシロップがドロップしました。トウヒヒからトウヒヒシロップがドロップしました。3種類の甘味食材の奪取に成功しました。第2区画が解放されます。スポーン地点の変更が可能となります。今回の戦闘によって力を誇示したため王圧の効果が現れるようになりました。テイムモンスターの召喚数制限がなくなりました。攻略済み、統括区画とみなして、ボスの目的である交尾を促進させるために必要な行動であるという理由を元に他階層のボスも侵入可能となりました。また、第1区画のモンスターによるドロップ品が討伐時とは別に触れることによっても正式に取得可能です。元々衛生上の問題はほぼない状態でしたが、これによりオールパーフェクトとなります』
おお!
これが流れてるってことはあーちゃんと卑猥ミサイルがきっちり決めてくれたってことだよな。
いやぁやっぱり頼れるのは可愛い仲間たちだよ。ただ1匹を除いて。
って待てよ、アナウンスの最後の言葉……ということは、あの汗に若干危険性があったってこと?
俺食べちゃったんだけど……。
いや! もういい忘れよう忘れよう!
「イキリ爺! お前も俺と忘却の彼方に行こうぜ!」
「ご、がが!!」
「ぶもおお!」
「ぷぺっ!」
俺たちが遊んでると思ったのか、トウヒヒだけじゃなくチェリーサルまでもほぼ殲滅したあーちゃんが卑猥ミサイルのミサイルに運ばれて俺たちの下へ。
なんか機嫌悪かったけど、結局あーちゃんも遊んで欲しかったんだな。
可愛い奴め。
でもさぁ、戦い終わりの流れで体に火が点いてるのはどうにかしようか。
うん。まぁ制御できるのは知ってるよ。知ってるけど一応念には念をって言うじゃん。
だからさ、海には入らないでさ、一旦火が消えるまで待つ……いや俺たちが外に出るからさ! だからさ! 頼むから! こっちに!
「来ないでええええええええええ!!」
――ドンッ!
ランクが上がったことで威力が増した爆発。
天高く煙は上がり、俺たちは砂浜まで飛ばされると重なりあって仲良く全員で微笑んだ。
「爆発オチなんてさいてー」
『じゃあ私から第2区画解放を祝して一言お伝えさせていただきます。この階層の区画は全10区画。第3階層まではまだまだ長いので頑張ってください。あ、報酬は2階層のレイアウトカスタムを自由にできる権利、また武器の生産追加、テイムモンスターのスキルカスタムとなります。より強くなることを切に願っています』
10区画……。
このアナウンスは俺のやる気を削ぎたいのかな?って思ったけど……武器の生産とかモン●ンだったら1番の醍醐味って言っていいやつじゃんか!
まだまだあれみたいなのがあんな状態であればって食材もあるし……沼だなこのダンジョン。
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