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24話 渾身の蹴り

「まぁとにかく発射を諦めてくれたのは本当に助かったよ。じゃあ今度はその角、俺が根元からちょん切らせてもらうぜ!」


 防御壁にぶつかっては跳ね返され、ぶつかっては跳ね返されを繰り返すホーンボアたち。


 その反動で一瞬よろけた隙に俺は壁とホーンボアの間に入って、角を股間ごとサバイバルナイフで抉る。


『ホーンボアの反り立つ角がドロップしました。自動的にアイテム欄に追加されます』


 すると無事流れたアナウンス。


 やっぱり俺の予想は正しかったみたいだ。


 それにしても角は硬いけどわりと根元はそうでもないんだな。


 ただ、元々ここから生えたり取れたりを繰り返しているからか、角部分を抉ってもダメージは小さく、勿論殺しきることはできない。


 未だ怒りの矛先がイキリ爺に向けられているお陰もあって、カウンターが飛んでくることはないにしてもこの仕事はあまりにもスリリング。


 ホーンボアの肉を定期的に手に入れるためには、今のところこの形、戦いかたが良さそうなんだけど……もっと楽な方法があればなぁ。


 正面から狩り場に行っても今ほど好戦的に出てきてくれるとも思えないし……。


 ――バリっ!


「あ、そんなこと考えてる場合じゃないな。えっと……防御壁の耐久値回復はこれかな?」


 ひびが他のところにもでき始め、俺は慌ててマップ画面を表示。


 そこから『防御壁の状態確認』というボタンをタップして、回復、そして素材に『ホーンボアの反り立つ角』を選択。


「さて、これでどのくらい回復する?」


 防御壁の前に素材となる角が現れ、雑巾のように絞られる。


 滴った白濁とした水滴。


 それが次の瞬間弾けるようにして防御壁に付着。


 あっという間にひびは消え、たった1本だけで全回復させることができた。


 それは良かったのだけど……。


「この角は何をするにしてもセンシティブな方向に行っちゃうのなんなの?俺がもう過敏に、頭おかしくなっちゃっただけ……ではないよね?誰が見てもセンシティブだよね?」


 ひびは減れど、このセンシティブモンスターへのツッコミは増えるばかり。


 もう疲れてきた。

 ふぅ。お腹いっぱいだよ……ごちになりました、のでさっさと殺させていただきます!


「身体強化中(脚)」


 腕と同じようにスキルを発動して脚も強化。


 こっちも鱗が生えたのか、ズボンにそれが当たる感触がある。


「破れないか気になるけど、それよりもどれくらい強化されたのか……そっちのが気になるんだよな! だから試し蹴りさせてくれ!」


 ズボンへのダメージを少し気にしつつも、俺はその脚の力を確かめることも兼ねてホーンボアの股間を蹴り上げた。


 すると、ホーンボアの身体はM字開脚のまま天井に埋まった。


 今までランク差がある割にあんまり自分が無双できる場面ってなかったけど……これ、ついにシンプル気持ちいい、俺tueeeができるぞ!


『ホーンボアからボアこま塊【E】と消化されきる前のモギギ草【F】がドロップしました。第3区解放の条件達成まで残り3種類の採取――』


「よっしゃどんどん行くぞ、って1種類これでいいの? というか1回胃の中入れたのなんていらないんだけど! ……もしかして食べれるの?」


『ホーンボアの胃液には対象物の栄養素を最大まで引き出す効果が有り、モギギ草の1番いい状態となっています。……ふふ。害のある菌はドロップした時点で消えてますので、生でも……ふふふ。食べることが可能です。ぷっ! でもそれ、食べるとか……ぷっ! 人間マジ滑稽』


 ……おい、アナウンス。

 俺の質問がいつもの業務より畏まらなくていいのは分かったけどさぁ、そんなに笑うことある!?


 なんか人間に恨みでもあるのかよ!


「おーい! ……。返事はなしか。勝ち逃げされたみたいでモヤモヤするけど、いいや。俺にはこの、ストレス解消卑猥ミサイル搭載型ホーンボア(イキリ爺追中)がいるからさ! さぁ次! 股間を蹴られたい奴は挙手しろよ!」

お読みいただきありがとうございます。


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