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残月
彼女の白雪のような化粧
夜を越えて、目を閉じかけた姿
罪ばかり思い起こす朝日
嗚呼、綺麗だなんて君は言うけど
僕にとっては薄れた姿の君でさえ
何よりも美しいと思う
どうかそのままでいてほしい
僕の目に入る場所で
静かに微笑んでいてほしい
でも、それでも少しだけど
近づきたくて、触れたくて
その冷たい頬を撫でてみたくて
夜にふと、手を伸ばす
伸ばした手は夜の闇に溶かされて
どこにあるかさえわからなくなる
欲望で進む手は迷子になる
そしてまた朝が来て
薄く輝く朝のベールの裏側で
君の瞳が静かに光っていた
また、僕は夜の罪を思い起こす
君に手を伸ばした傲慢の罪
どれだけ夜を彷徨おうとも
どれだけ心が引き裂かれようとも
きっと、この憧れは止まらない
朝日の中に消えてゆく
君の顔を見ながら僕はまた目を閉じる




