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見間違え・空
『見間違え』
騙された
とするにはあまりにも
罪は僕にある
民家の屋根のすき間
街頭に紛れる強い光
日を灯したような
黄金の円窓
まるで扉の隙間から
除くような可愛らしい姿
いつも凛として美しく
風を受ける君とのギャップが
僕の胸の奥を突く
秋の窓辺に
薄っすら色づく葉が落ちる
夕が過ぎ夜が深まる
街を見下ろし
時計の針とともに
天へ昇っていくのだろう
『空』
ビルとビルの隙間に見える
ノイズのない澄んだ青が
妙に不気味に見えた
遠近感が死んで
瞳孔が開いたり
閉じたりする
差した耳から流れる
流行りのポップスと
口から漏れる
煙は雲のよう
人生を重ねて
この何もなさは
この明るい深淵への
言い難き恐怖は
果て無き狂気は
正午の晴天は
闇なき光は
ただ、美しく
ひたすら、怖い




