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発光と眼球・覗き
『発光と眼球』
光る板に目を落としたまま
私達は宙を舞う
フラフラと世界を渡る
ホコリと仲良くダンスする
カトラリーの音色
空調の歌
目線は下 心は上
心臓からの液体は先まで届かず
温度は落ちて 忘れたまま
『覗き』
布団の上
外界から隔たれた檻の中
厚いカーテンから覗く
上弦の半月 女神の瞳
チラリと見たら目があって
心臓が少し跳ねた
意識にないように目を逸らす
知ったからにはもう先へ
頭の中に瞳が生える
ゆっくりカーテンを閉じる
ずっと見られている
赦してくれと檻で呟く




