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足が痛い・二十歳

『足が痛い』


足が痛い


足が痛くて、どこにも行けないの


ズキズキと骨を覆う血肉から


心臓が動く形を模倣するように


生きているように


ずっとずっと、足が痛いの


どこにも行けないの


遠い場所にいる背中は


感覚がベッドに溶けたまま


長い髪の隙間から眺めてるの


足が痛い


心臓の音がする。骨に響く


どこにも行けないの


誰か私を連れ出して


涙のベッドに沈む私を



『二十歳』


大きな橋を渡る


下には暗く深い川


空には満月


私はその上を渡る


大きな橋を渡る


両手をいっぱいに広げ


平均台の上を歩くように


フラフラ、フラフラと


熱を帯びた頬と


ピンクに靄がかる脳の


ワルツの足元は死


何かを誤魔化すように


麻酔を常用して


何もわからなくなる


私は言った


「もし、ここで自殺をするなら


たくさんお酒を飲んで


たくさん辛いことを掻き消して


幸せに死のうよ


美しく、楽しく


身を投げよう」

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