表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/21

4話、給食

俺はとぼとぼと学校に向かった。

今日は、りおちゃんに話さなければならない。

絶対に聞いてくるだろう。

おにぎり魔法とともに生きていくことを決めたけれど、どうしても気後れする。

歩きながら何とか、なんとか気持ちを作るんだと言い聞かせていると、学校についた。


教室で早速りおちゃんがこっちに来た。

相変わらずかわいい。

細くて、歩いてくる時、光を透かしてほんのり茶色に見える黒い髪が優しく揺れて、とてもかわいい。


「ねぇ、りょうすけ君。何の魔法を授かったの? 私はね、水だったよ。MP全部使ったら、1回でお風呂がいっぱいになったよ。」


声を抑えないで話すりおちゃんの言葉に教室内がどよめいた。授かってすぐの水魔法使いは、大体20リットルくらいが普通だから、りおちゃんは10倍ってことになる。

そりゃ教室内もどよめく。

天才だ。


「俺はね、おにぎり魔法」

「えっ? おにぎり?」

「そう。おにぎり。」

「そんな魔法あったんだね。初めて聞いた。おにぎりが出せるの?」

素直に聞いてくれるりおちゃんは、見下したり蔑んだりする表情ではなくて、不思議そうな顔をしていた。

ほっとした。


「具のない白いおにぎりを出せるんだ。MP全部使って、1回で10個。ちなみに1つ食べると、MPが1回復するっぽい。」

「えぇー、すごいじゃん。」

「食べる?」

「んー、朝ごはん食べてきたからなぁ。給食の時に1つくれる?」

「うん。いいよ。」


教室内は、なんだそれ? という空気になったけど、りおちゃんが笑って受けとめてくれたので気にならない。

りおちゃんはまるで女神だな。



そんなやりとりをしたせいで、俺は給食の時間が待ち遠しくなった。

りおちゃんが俺が出したおにぎりを食べる。食べるんだよな、、、なんかぞくぞくする。



待ちに待った給食の時間になった。

今日のメニューは、ご飯、牛乳、切り干し大根の含め煮、ニギスの抹茶フライ、ABCスープだ。

りおちゃんはご飯を減らして、俺のところにお茶碗を持ってきてくれた。


「りょうすけ君。ここに入れてー。」

りおちゃんに天使の笑顔で言われる。あぁにやけ顔が抑えられない。嬉しすぎる。

「じゃ、出すね、、、。おにぎり。」

俺はそう言って、りおちゃんの持つお茶碗に出した。

どうか、どうか最高においしいおにぎりであってくれ、、、。


「「いただきまーす。」」

みんなで食べ始めたけど、俺はりおちゃんの反応が気になって仕方ない。りおちゃんをじーっと見ていた。

あぁ斜め後ろから見るりおちゃんもかわいい。ぷっくりした唇がなんとも言えない。俺が絵の天才だったら、余すことなく描ききれるのに、なんて馬鹿なことを考えながら見つめた。


りおちゃんがおにぎりを1口かじった。咀嚼して飲み込んでいる。

りおちゃんがこっちを向いて笑った。

「おいしいよ。」

俺は今なら何でも許せそうだ。


教室から、

「おいしいの? ほんとに?」

といえ声が上がった。

りおちゃんが笑顔で、

「うん。おいしい。最高の塩加減です。」

と応えたせいで、俺にもくれよという奴が現れた。

こいつはいつも給食をおかわりしまくる小林拓海(こばやし たくみ)、通称ふとっちょだ。

俺は幸せいっぱいだったから、MPの許す限りふとっちょの持ってきた茶碗におにぎりを出した。ふとっちょは嬉しそうに、お礼と握手までして席に戻っていった。


てか、ふとっちょはおにぎりを9個も食えるのか?

そんな思いが頭を掠めたが、まぁいいかと思い直した。



おにぎり魔法のことを、りおちゃんに正直に話せてすっきりした。

でも放課後、空のタッパーに魔法でおにぎりを10個出した俺は、それを持って悩みながら下校していた。

MPを育てるには魔法を使わなきゃならない。

けれど俺は他の魔法と違って、おにぎりという現物が残る。MPの自然回復とかも考えると、1日に30個程度のおにぎりが出せるが、3人家族だから家で消費できる分はせいぜい10個。

みんなも食べたいと言ってくれたし、ふとっちょもいるから給食で10個。そう考えると、1日に10個位はやり場のないおにぎりが出る。

食べ物を捨てるわけにもいかないし、一体どうすればいいのか。

とりあえずこれは冷凍庫行きだろうな。まだ少し冷凍庫の余裕はあったしなぁ。でもなぁ。



次、やっと白いおにぎりの秘密が少し分かります。

見てくれている人がいて、嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ