ハークスレイ伯爵家の日常~リアムとミラの関係は?~
初作に、初作の感想とともに、セリフ場面をコメントしてくださった事に「それ!!」と萌えまして。
萌えるかは別として←え
似たような展開のセリフを入れてみたくて書いてみました。
初作読まなくても楽しめます。
わたくしは、ミラ・ハークスレイと言います。
元は平民だったわたくしは、光魔法を発動した5歳の時にハークスレイ伯爵の養子になり、今は伯爵令嬢として前世の記憶を持って暮らしてます。
わたくしには護衛兼執事見習いのリアムと、専属侍女のアメリアがいつもそばにいてくれます。
リアムが護衛だけではなく護衛兼執事見習いなのは、わたくしが躓く回数が多いため、護衛だけではなく他も出来ないと大変だとリアムが訴えて、当主が判断したそうです。
「お嬢様、リアム様と恋人になられたのですね」
リアム17歳、わたくし14歳の年にアメリアから言われたのです。
「恋人?」
ミラは頭をこてりと傾けて不思議そうな顔をしました。
アメリアは、ミラの表情を見て不思議に思いリアムを見るも、こちらもきょとんとした表情をしてました。
「違うのですか?」
アメリアも2人の表情に不思議に思い問いかけます。
「どうしてそう思いましたの?」
「手の繋ぎ方が恋人繋ぎに変わられたので、想いが通じあったのかと思ったのですが…」
アメリア達使用人から見たわたくし達は、普通の護衛と令嬢にしては距離が近かったそうです。
それが最近恋人繋ぎに変わったので、とうとう両想いになったのだと屋敷の中で話題になっているそうです。
リアムはその話を聞くと自分の手をじっと見つめてます。
「…もしかしてですが、指を絡めて手を繋いでいた事を言ってますか?」
リアムの言葉にアメリアは頷いています。
それを見たミラは驚いた様子です。
「えっ?あれは支えやすくなるから繋ぎ方を変えただけよね?あの繋ぎ方を恋人繋ぎと言うの?」
その言葉に驚いたのはアメリアです。
リアムを見るも頷いているので、ミラと同じ意見の様子です。
アメリアは頭を抱え叫びたくなりました。
(2人ともなぜ気付いてないんですか―――っ!?)
「んん…っお嬢様、その繋ぎ方をするのは恋人同士でするものです」
ミラとリアムは驚いた顔でアメリアを見ます。
驚かれた事に驚いたアメリアですが、恋人繋ぎは、支えやすいからといっても好意がなければ出来ない事を2人に言い聞かせました。
「ねぇ、リアム?」
「はい、お嬢様」
「アメリアはああ言ってますが、恋とはどういう気持ちなのかしら?」
「申し訳ありません。俺もどういう気持ちかわかりません」
2人の会話にアメリアは思うのです。
2人を本当の恋人にするには実践あるのみと。
「お嬢様とリアム様。お2人で恋なのかどうなのか色々試してみてはいかがですか?」
2人はこれは恋なのかどうなのか、どう捉えたらいいのか悩み、アメリアの提案通り、色々実践してみる事にしました。
「ではリアム様。お嬢様を抱きしめてください」
アメリアの言葉にリアムがぎょっとしました。
「リアム様?」
「お嬢様を抱きしめていいのでしょうか?」
ミラが躓くたびに抱き止めていて何を今さら?とアメリアは思いましたが、頷くのみです。
ミラはと言うと、キラキラと目を輝かせていました。
ミラの表情を見たリアムは、嫌がれてない事を確かめて、そっと抱きしめました。
「お嬢様。リアム様に抱きしめてもらっていかがですか?」
「すっぽりおさまって落ち着きます」
ミラはそう言いながら、リアムの胸に頬をスリスリしてます。
「…お嬢様もリアム様を抱きしめてください」
アメリアに言われた通り、ミラもリアムを抱きしめました。
「リアム様は、お嬢様に抱きしめてもらっていかがですか?」
「…嬉しいです」
この日から、2人の恋とは何かを実感してもらうために、アメリア監修の元、実践していきました。
ある日は膝枕をしあったり、ティータイムに食べさせ合う所謂"あーん"をしあったり、恋人繋ぎで庭を散歩(これは日常的だったため意味がなかった)したりしました。
またある日の事。
「ねぇアメリア?抱きしめ合いながら寝るのは恋人同士でするかしら?」
「そうですね、お嬢様。確かめてみるならばベットではなく、こちらの広いソファーでお昼寝してみてはいかがですか?」
普通ならば提案しない案件ではありますが、2人の鈍感ぐあいが酷すぎるため、少し攻めていこうとアメリアは思いました。
ソファーでリアムに抱きしめられながら添い寝した2人は、気持ちよさそうに普通に寝てしまいました。
2人の感想は、いつもよりよく眠れたそうです。
その言葉を聞いたアメリアは、ガクリと肩を落としました。
そしてまたある日の事。
さらに攻めていこうとアメリアは言いました。
「唇以外の顔中にキスをしあってみませんか?」
2人はよくわからないながらも、お互いの顔にキスを試しました。
「ふふっなんだかくすぐったいわね。どう?これって恋かしら?」
「確かにくすぐったいですね。どうでしょうか?なにぶん経験が不足しておりますので、この感情になんと言えば良いのか…」
こうしてたくさんの事を試しましたが、それでもわたくし達はよく分かりませんでした。
2人共に鈍すぎたのです。
アメリアにも匙を投げられました。
そしてアメリアでは、これ以上試す事が思い付かないと言われてしまいました。
そこでやはりと言うべきか、当たり前のように当主に2人で相談しに行きました。
何でも解決してくれるという絶対の信頼を寄せているわたくし達です。
何かあれば当主に相談。報連相は大事です。
「お父様、リアムと2人で色々試してみたのですが、よくわからないのです」
ミラの報告、相談を聞いた当主は、そこまでして何故分からないという顔をしました。
目元を揉みほぐし、そして当主は2人に言いました。
「唇にキスをしてみなさい」
その言葉に2人共に初めてドキドキしました。
そして当主の前でキスをしました。
それはもう恥ずかしく、赤面しました。
その2人の様子に当主は満足そうな顔で微笑み、また言います。
「また唇にしたいと思ったかい?」
2人共に赤面の顔を見合わせ見つめること数秒。
お互い頷きました。
「それはお互いが恋をしているから思うのだよ」
そう言った当主は満面の笑みで頷き、学園の在学中に起こるかもしれない未来を考えて、学園卒業までは恋人として付き合い、わたくしが無事卒業出来たら婚約すればいいという話になったのです。
こうしてわたくし達は恋人になりました。
その後、伯爵夫妻と弟と屋敷中の使用人から祝福されました。
晩餐もお祝いで豪華になりました。
この晩餐の時だけは、リアムも一緒に食べました。
恋の自覚をした2人を見たアメリアは、やっとヤキモキした想いが晴れて、一番喜んでいました。
「アメリア、ありがとう。あなたのおかげで幸せよ」
幸せそうに微笑むミラの背後には、花がほころぶ様に小さな花がたくさん舞っていました。
光魔法を持つ者は、幸せを強く感じると花を舞いちらせる現象を出すと伝えられてます。
周りの者には見えても、光魔法を持つ者には見えない不思議な現象です。
ハークスレイ伯爵家の夫妻と弟と使用人達は、この現象を見られるのがとても嬉しく、楽しみにしてます。
後日、恋人になったリアムは、お嬢様からミラ様と名前で呼ぶようになり、ミラはとても嬉しそうにしていました。
ツッコミしたり、ほっこりしてもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
コメント返信はしませんが、もし書いてくださったら、大切に読ませてもらいます。
誤字報告ありがとうございます!訂正しました。