撤退
そして数日後、俺とリンの姿は王都にある墓地にあった。
「ライとイズミの墓が王都にあったとはな。 結局、緊急は使わず、アークの所へイズミと結婚して子供生まれたって報告来ただけだったな。」
「そうだったな。 マーブルときて食事して、イズミが待ってるからって言って帰ったきりだ。」
「そういや、イズミは、リンの友達だったのかもな。」
「うん、そうだったのかもしれん。 名前覚えたし、結構話してた。 そういう、シュンも不思議とイズミの名前は覚えてるな 」
「ああ、リンと一緒にいただろよく。それに、ライともな。」
そういや、俺はイズミの名前覚えてたな。 たぶん、リンと一緒にいたし、ライからよくイズミの名前を聞いていたからだろうな。 そんな事をリンと話していると、後ろの方から女の気配を感じたから、俺はリンとその場を離れる事にした。
すると、その女が「まってくれ。 すまん、急に呼び止めて」と大声で呼び止める声がする。
「なんでしょうか? あとこちらの事情で、申し訳ないですがこれ以上は主人には近づかないでください。」とリンが対応する。
すると女は、その場で立ち止まった。
「ああ、わかった。 ただ、先ほど貴殿達がいた墓が私の先祖で、その当時の最強の竜騎士といわれたライナス・マクレーンだったので、もしかして、ライナス様の奥方の家系ではないかと思ってな」と説明する女だった。
なるほどな、リンの髪色は地毛で濃紺でストレートだ。 髪質がストレートは、珍しいしな、遠くからみれば黒にみえたのか。 そんな事を俺は考えていた。
「主人が歴史が好きでたまにこうして、有名な方のお墓をまわるんです。 ちなみにその腕輪は?」
「ああ、私も今竜騎士を目指していてな。 この腕輪は、先祖が使用していた武器が格納されていて、正統な後継者は使用する事ができらるらしいんだ。 先祖代々受け継いでいるものだ。 ただ、ライナス様以外まだ現れてなくてな。 私もいつかは使えるようになるのではと思って、少しでもヒントを貰いにたくてここに来ているんだがな。。。 残念ながらまだだ。。」と、女は自分の手首にはめているサイズとして大きくぶかぶかの腕輪を触りながらいう。
「そうなんですね。 貴重な物とわかるんですが、主人が魔道具に詳しいので少し見せてもらっていいですか? 」
「そうなのか? 是非。」といって腕輪を外しリンに渡す。
リンは俺に腕輪を渡し、俺は少し見てからリンに渡す。リンは、腕輪を返しながら「主人いわくやはりとても貴重なもののようです。 いつか使えるといいですね。 私達は失礼いたします。」といい、彼女も「ああ、引き止めて申し訳なかった」といって別れた。
「腕輪になにか細工したのか?」と聞かれ、「ああ、ボブに預けた指輪と同じで、あの指輪、腕輪が万が一反応したら俺に通知して居場所がわかるようにしたんだ。 ライの腕輪の武器は今となったら強力だしな。 念のための保険だ。 ライに渡す時は、考えてなかったからな。」
そして、俺は「もう一個の腕輪はどうなったんだろうな?」と、独りぼやいた。