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【白銀の黒帝:3】迷宮都市でのお仕事  作者: 八木恵
4章:食堂経営編
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食堂を閉店

リンに友達がいる事もわかったが、俺たちはそのまま迷宮都市での生活を続けていた。

俺とリンが、迷宮都市に来て6年を過ぎたころの休日のある日、3人でコーヒーを飲んでいる。


「人間社会のわりには居心地がよかったが、そろそろ限界だな。 リン」

「ああ、無理が出始めてる。」

「ええ、結構楽しかったですがね。」

「あと1年は無理だな、半年だ。 今日から半年後 迷宮都市を出よう。 カールはどうする?」

「2年ぐらい旅して、また孤児院の院長にもどります」

「そっか、俺らは1度アークとこいってからだな。じゃぁ、それまでは今まで通りの生活だな。」


そう言って、俺はタバコに火をつけて一服する。

そう、見た目年齢17歳の俺とリン。 今のところ童顔で通しているが25歳の童顔に無理が出てきている。 まったく老けない2人に違和感を持つ者も増えてきた。 最初から同じ場所に長くはいられないと思っていたが、とうとう限界が来たため、 俺とリンは迷宮都市から離れる事を決めた。


それから、あっという間に半年が過ぎていく。


その間、ダンジョン課に連絡し、撤退する事を伝えた時は泣きつかれたが、迷宮都市にいる間の約束だったため諦めてくれた。 ついでに、撤退までの間、各ダンジョンマスターである、ケルベロス、黒竜、ヒュドラを定期的に鍛えていた。 話し相手のいなくなる黒竜は寂しそうにしていたが、無視する。


ボブとライラには、手紙を送ったところ返事がきて、もし王都に来る時は是非寄ってほしいとのことだった。 新たに孫が生まれて当分迷宮都市に来れないとの事だった。

他常連には故郷へ帰る事になったといい、閉店する事になったと告げる。


◇◇◇

最後の食堂営業日、お昼の開店時間から客が休む暇もなく来店する。 その中にはポーター君の甥っ子達もいた。 注文が多く厨房で休みなく魔術を駆使し調理をしていると、カールに呼ばれた。


厨房の扉の所には、ポーター君の甥っ子達が顔を出していた。

「どうした?」という俺に、「あの、今まで美味しいご飯ありがとうございます。 僕、来年には王都にいって、おじさんみたいに冒険者めざします。 ありがとうございました。」という。

「そうか。 あ、本当にお前が冒険者目指して王都の学園受かったら、ボブに会いにいけ。 いいな、わかったな。」というと、「はい、では今までありがとうございました。」と礼をしながら帰っていった。


そして、最後の夜の営業も昼に来店した客も来たりで、また客が途絶えることなく常に満席だ。 外でも並んでいるみたいだ。 ボブの仲間達も来店している。


「今日がこのエールとワインが最後だと思うと泣けてくるよ。」と本気で泣いている。「ああ、このポテトもピザもじゃぁー」という声に、厨房にいた俺は「なんで、アーサーいんだー」と叫んだ。


俺は、エールを飲み、食堂のカオスの状態を見て、相手もしたくないので、厨房に戻り止まらないオーダーの料理を作る事にした。

俺は今日は諦め、閉店後も居座り続ける者には酒と食事を提供していった。 深夜になり、やっと千鳥足で帰るボブの冒険者仲間、そして、最後の客なのか居座りつづけていたのはアーサーだった。


「いい加減帰れ! また気まぐれで会いに行くかもしれないし、どこかで食堂するかもな。」と叫ぶと「わかったのじゃ。またな。」といって千鳥足で帰るアーサーを見送った。


もう深夜だ。 俺は、店の片付けはせず、タバコに火をつけて一服する。

「リン、最後のダンジョンだ。 あいつら、結構な量をよこしてきた。 昨日、虫やったから、今日はいい感じだ。 血あびれんぞ。 もう、時間ねーし、このまま着替えていくか」

そういって、俺とリンは戦闘服に着替える。

「んじゃ、カール片付けは明日する。 行ってくるな」といって俺とリンはダンジョンへ転移した。


そんな姿を見送るカールは、「あの方やっぱタフですね。 面白いんですがね。」と独りごとをいうのだった。


◇◇◇

俺とリンは、初級、中級、上級で間引き終えたあと、俺はヒュドラをボコり、リンはケルベロスをボコり、最後に俺が黒竜をボコったとこで、ダンジョン課に連絡する。


シュン:「最後の任務完了だ」

ダン課:「シュン殿、今までありがとうございます。 機材一式もっていってください。 どうしてもって時のために。。。あ! 魔王様にかわります。」

魔王:「シュン殿、助かりました。 その機材もってれば、ダンジョンに勝手に好きな階層入れるんで、気分転換とかに使ってください。」

シュン:「あ、そうなの。 転移でも行けるけど、まぁもらっとくわ。 てか、てめー早く強くなれ。 今度魔界いったら、覚えとけ」


といって、俺は会話強制的にきった。

俺は、俺にのされて、仰向けに倒れている黒竜にいう。

「オメェー 面白いから、たまにくるな。 っていっても、十年とか百年とかの単位だけど んじゃあな。」というと、黒竜が起き上がり「まってます」と敬礼している。


俺とリンがなんだかんだで、ダンジョンから戻ったのは朝方だが、洗浄魔術で綺麗にしたのみで、リンを抱き上げ、ベットに放り投げて、リンを激しく抱く。


気付いたら午後で、俺が食堂に行くとカールが片付けてをしてくれていた。

厨房で、俺が昼食を3人分作って、エールをのみながら食事する。


「カールはいつ出発する?」

「明日にでもと思ってます。 シュンさん達は?」

「今日と明日とはいろいろ片付けて、明日の夜中だな。 1度、王都に行く予定あるしな。」

「なんで、夜中なんですか?」


「ああ、また戻って来るかもしれないから、この食堂全体に結界とかいろいろ魔術かけてこうと思ってよ。 許可ないやつは、この食堂事態認識できねようにしたり、存在自体も忘れていくってな。 結構大掛かりだからよ、夜中にかけて、王都にいくかなってな。」

「なーるほど。 それだと、夜中じゃないとだめですね。 では、また、食堂する時はご連絡を。」

「ああ、もちろん。 その時は連絡する」

「そう言えばカール、お前旅するんだよな。 もし、教会勢力が強くなってきたら連絡してくれ。」

「ええ、もちろんです。」


そして、俺たちはその他情報交換していった。

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