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【白銀の黒帝:3】迷宮都市でのお仕事  作者: 八木恵
3章:迷宮都市編
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職探しへ

次の日は、遅めの朝食をたべ街をふらふら歩くことにした俺たち。

一応、職探し中だけど、焦ってもいない。


共にフード付きの私服で、リンは特にフードはかぶらず俺だけフード被って手を繋いでいる。


冒険者の多い街だからという理由らしく、午前の遅い時間もあり、人通りも少ない。 絡まれることもない。。

途中でコーヒーを買って一休みしたり、屋台でクレープ買えばサービスしてもらったりしていた。


お昼も過ぎた時間、俺たちは昨夜教えてもらった裏通りに来た。 メイン通りに比べて店舗は少ないが、なんだかんだとは様々な店がある。 住居区域もかねているみたいで、個人経営の店がちらほらある。


俺は、1件のボロい食堂の前で立ち止まった。 看板は擦り切れて【ボブの食堂】と書いてあるのがかろうじて読める。

店のドアの所は『Close』となっている。 俺たちは、中を覗くとL字型の厨房と客数は20名もはいれば満席という感じの食堂だ。

食堂の奥は住居へと続いている。 ボロいが清掃は行き届いている感じだ。


「シュン、どうした? なんかあるのか?」

「ああ、おっさんとおばさんがいるんだ。 おっさんのほうは、まぁまぁな質でそーだなグランとイアンの質をかなーり弱くした感じだ。 んで、おばさんのほうがそこまで臭くねぇ。 すげぇー昔な、アークに会う前に抱きついてこなかった女がいたんだ。 恰幅のいいおばさんでな。 それに近いなって思って。 結局俺が触れる事が出来る女は無臭のリンだけどな。」


そう俺が、人形だった時だ。 思い出したくもない記憶だが、1人だけそこまで臭くないおばさんがいた。まぁ、なんかすぐいなくなったけど。。 そんな事を思いだしていた。


「聞いてみるか?」と聞かれ、「ああ、まぁ そうだな。」と俺がいうと、リンが聞いてくるといい店舗へ行く。 俺は、少し離れた所で様子を伺う事にする。 


リンがドアを叩くと恰幅のいい優しいそうな、でもしっかり者の40代半ばのおばさんが出てきた。 リンとおばさんが会話をし、俺のほうを見て優しい笑みをうかべてなにか頷いている。


「旦那さんもこっちにいらっしゃい。 お店の中でお茶でもだすわよ。 大丈夫、近づかないから。 奥さんに事情きいたわ。」と笑顔で手招きしてきた。


俺は、リンの後に続いて店舗にはいる。 彼女は、リンに2人分のコーヒーの入ったカップを渡し、俺らはテーブル席に座り、彼女は少し離れたところにのカウンター席に座った。


「自己紹介が先ね。 私はライラ。 うちの旦那ががここの経営者兼料理人で、ボブっていうんだけど、今お昼寝中なの。 で、あなたたちは?」

「リンといいます。 主人がシュンです。 私達、童顔に見えますが一応19歳です。 昨日この街にきたばかりで仕事を探してるんですよ。 主人が料理はできるんですが、先ほどいったように、私以外は女性恐怖症で、人付き合いも苦手なんですよね。 それで、たまたまこの店の前を通ったら、ここなら大丈夫そうだって言い出して、出来れば働かせていただけないかという相談なんですよ。」


働かせてくれとう話を聞いて、ライラが困った顔をする。 そりゃ、いきなり来て働かせてくれはないかな。


「気に入ってくれるのは嬉しいんだけど、ほぼ趣味でやっていてね。 もともとは息子夫婦が食堂を経営していたのよ。 で、王都にいってしまってね。 ここを放置しておくのもって事で、半分はうちの旦那の道楽なんだ。 うちの旦那、本業は冒険者でね。 なんで、申し訳ないんだけど、人を雇うようなお金がないのよ」


その話を聞いて、リンがその後の判断は任せるという目線を送ってくる。 確かにそうだよな。 俺は、被っていたフードを外してから、交渉する事にした。


フードを外した俺を見た、ライラは優しい笑顔のままだ。

「あら、いい男ね。 私には旦那がいるから大丈夫よ。」


それを聞いてから俺は交渉をする事にする。

「急に雇ってくれは困るよな。 んで、実は俺ら賃金はいらねぇんだ。 商売のノウハウを教えてもらえればいいんだ。 リンも接客初めてだしな。 それに、必要なら投資してもいい。 別に、この店舗を買うとかじゃねぇ。 ただ、仕入れとかその辺教えてくれるだけでいいんだ。 それでもダメか?」


ライラは俺の話を優しい笑顔で聞きて、また少し困った感じだ。 

「そこまで気に入ってもらえたの。 ちょっと私じゃ判断できないから、旦那おこしてくるわ。 ちょっと、待っていて」といって、ライラは奥にある居住スペースへ行く。


俺らが待っている間。

「ライラさんは、大丈夫そうだな。 しかも初対面で注意事項守ってくれた。」

「ああ、フードとった反応でまず平気そうだ。  といっても、認識阻害はしてるがな。」


俺らがそんな会話をした後、

無精髭をはやし、難いのいいがっちりとし身長200CMぐらいのライラと同じく40代半ばの男がエールの瓶を片手に、服装は下がスラックスで、上はよれよれのTシャツを着て頭を掻きながらまだ眠そうな顔でライラと一緒に食堂にやってきた。


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